「う」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「う」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 574 件
色香に迷う(いろかにまよう)
女性のあでやかな容姿に惑わされ自分を失ってしまうこと。
色目を使う(いろめをつかう)
相手の気を引くような態度をとる。気のありそうな素ぶりを見せる。
色を失う(いろをうしなう)
思いがない事態に直面して、驚きや恐怖で顔色が青ざめる。
威を振るう(いをふるう)
権威を誇示する。
魚の水に離れたよう(うおのみずにはなれたよう)
水から出た魚のように、頼りを失ってどうすることもできないことのたとえ。
魚の水を得たよう(うおのみずをえたよう)
自分の力を発揮できる場所を得て、生き生きと活躍するようすのたとえ。
うかうか三十きょろきょろ四十(うかうかさんじゅうきょろきょろしじゅう)
歳月の過ぎるのが早く、人生が無為に過ぎることのたとえ。 うかうか過ごしているうちに三十代になり、きょろきょろしている間に四十代になってしまうとの意から。
憂き目に遭う(うきめにあう)
つらい境遇に身を置くこと。
烏合の衆(うごうのしゅう)
烏(からす)の集まりのように、規律も統一もなく集まった群衆のこと。
後ろ弁天、前不動(うしろべんてん、まえふどう)
後ろから見るとまるで弁天様のように美しいが、前から見ると不動明王のようにこわい顔をした女性のこと。
薄皮の剝けたよう(うすかわのむけたよう)
女性の肌が白くてきめが細かいことのたとえ。
薄紙を剝ぐよう(うすがみをはぐよう)
薄い紙を一枚一枚剝ぐように病気が日ごとに快方に向かうようす。
うっちゃりを食う(うっちゃりをくう)
最後の場面で、形勢を逆転される。 「うっちゃり」は、相撲で土俵際まで追い詰められた力士が、体をひねって逆に相手を土俵の外に投げ出す技。
腕を振るう(うでをふるう)
身につけた腕前や能力を十分に発揮すること。
旨い汁を吸う(うまいしるをすう)
何の苦労もせず、他人の働きによる利益を自分のものにすること。
旨い物は小人数(うまいものはこにんずう)
旨い物を食べる時は小人数の方がたくさん食べられるということ。また、儲け話も小人数でやる方が、分け前が多くなってよいということ。
馬が合う(うまがあう)
気が合うこと。相性がいいこと。
馬も買わずに鞍買う(うまもかわずにくらかう)
物事の順序が逆であるたとえ。
恨みを買う(うらみをかう)
自分の言動で、人から恨まれること。
英気を養う(えいきをやしなう)
いざという時に力を発揮できるように十分な休養をとること。
越鳥南枝に巣くう(えっちょうなんしにすくう)
故郷の忘れがたいことのたとえ。 中国南方の越の国から北国へ渡った鳥は樹木の南側の枝に巣をかけ、北方の胡の国から来た馬は北風が吹きよせると故郷を想って嘶(いなな)くとの意から。 『文選』の古詩「胡馬は北風に依り、越鳥は南枝に巣くう」による。 単に「越鳥南枝に巣くう」や「胡馬北風に嘶く」ともいう。
絵に描いたよう(えにかいたよう)
美しい様子、すばらしい様子のたとえ。 また、物事が理想的・典型的であることのたとえ。
衣紋を繕う(えもんをつくろう)
襟元をかき合わせて衣服の着崩れを整えること。 また、衣服に乱れがないように気を配ること。
お愛想を言う(おあいそをいう)
相手の機嫌をとるために、お世辞を言うこと。 「お愛想」は「おあいそう」ともいう。
お預けを食う(おあずけをくう)
決定しかけていた事や約束していた事の実現が、何かの事情で延期になること。
置いてきぼりを食う(おいてきぼりをくう)
他の者から置き去りにされる。置いて行かれる。
狼が衣を着たよう(おおかみがころもをきたよう)
まるで僧衣をまとった狼のように、慈悲深い善人のようにみせかけて内面は恐ろしいことのたとえ。 「狼が衣を着たよう」ともいう。
大鉈を振るう(おおなたをふるう)
思い切って、予算を削減したり人員を整理したりすること。
大船に乗ったよう(おおぶねにのったよう)
信頼できるものに任せすっかり安心しきったようす。難破する心配のない大きな船に乗ったようだということから。
大目玉を食う(おおめだまをくう)
悪いことをして、ひどく叱られること。
お門が違う(おかどがちがう)
目指すところが違っていること。見当違いであること。 訪問する家が間違っているとの意から。
お株を奪う(おかぶをうばう)
人が得意とすることをまねて、その人以上にうまくやること。「お株」は得意とするわざの意。
置き酌失礼、持たぬが不調法(おきじゃくしつれい、もたぬがぶちょうほう)
お酌のとき、置いた杯に酒を注ぐのも失礼だが、杯を持とうとしない受け手も不調法である。酒の席での微妙なおもむきを言ったことば。
起きて半畳、寝て一畳(おきてはんじょう、ねていちじょう)
人間は必要以上の豊かさをもとめても仕方ないということ。どんなに大きな家に住んでいようと、人一人が必要とする広さは、起きている時は半畳、寝る時も一畳あればすむということから。
奥歯に物が挟まったよう(おくばにものがはさまったよう)
思ったことを率直に言わず、何か隠しているようですっきりしないようす。
お上手を言う(おじょうずをいう)
相手の機嫌をとるために、心にもないことを言うこと。
お膳立てが揃う(おぜんだてがそろう)
すっかり準備が整えられる。 食膳がすべて並べられるという意味から。
怖気を震う(おぞけをふるう)
恐怖におそわれて身震いすること。
小田原評定(おだわらひょうじょう)
長引いてなかなか結論が出ない話し合いのこと。豊臣秀吉に攻められた北条氏は、小田原城の城内で戦うか降伏するかの相談をしたが結論が出るまで時間がかかったということから。
男は度胸、女は愛嬌(おとこはどきょう、おんなはあいきょう)
男にとって大切なものは、物事に動じない強い度胸で、女にとって大切なものは、にこやかでかわいらしい魅力だということ。「度胸」と「愛嬌」の「きょう」の語呂を合わせていった言葉。
同じ釜の飯を食う(おなじかまのめしをくう)
同じ職場で働いたり苦楽を共にしたりすること。また、そのように過ごす親しい仲間のこと。 「一つ釜の飯を食う」ともいう。
鬼が笑う(おにがわらう)
現実味のないことを言ったり、予測のつかないことを言ったりする相手を、からかって言う言葉。
鬼瓦にも化粧(おにがわらにもけしょう)
鬼瓦のように器量のよくない女性も、化粧ひとつでそれなりにきれいに見えるというたとえ。
鬼に金棒(おににかなぼう)
もともと強いものがさらに強くなることのたとえ。もともと強い鬼に鉄の棒を持たせる意から。「金棒」は「鉄棒」とも書く。江戸いろはがるたの一つ。
鬼の首を取ったよう(おにのくびをとったよう)
まるで鬼を退治して首を取るという大手柄を立てたかのように得意になるようす。
お髭の塵を払う(おひげのちりをはらう)
身分の高い人や権力のある人にこびへつらうたとえ。 中国宋の丁謂が、宰相である寇準の髭が吸い物で汚れたのを見て拭いたという故事から。
負ぶえば抱かりょう(おぶえばだかりょう)
他人の力を当てにして、つけあがって甘えることのたとえ。 負んぶしてやると次には抱っことねだることから。 「負ぶえば抱かろう」「負んぶすれば抱っこ」「抱かさせば負ぶさる」ともいう。
おべっかを使う(おべっかをつかう)
自分の利益になる相手の機嫌をとり、こびへつらうこと。
お眼鏡に適う(おめがねにかなう)
目上の人から高く評価されて気に入られること。
お目玉を食う(おめだまをくう)
失敗やいたずらをして叱られること。
思うに別れて思わぬに添う(おもうにわかれておもわぬにそう)
思い焦がれた相手とは結ばれず、好きではない相手と結婚すること。人の縁や運命は、思い通りにならないということ。
玩具箱を引っ繰り返したよう(おもちゃばこをひっくりかえしたよう)
部屋などがひどく散らかっていることのたとえ。
表を繕う(おもてをつくろう)
内情を知られないように、見かけを立派に整えること。
お安い御用(おやすいごよう)
簡単である。たやすいことである。 相手の依頼に対して、気軽に引き受けることができる、まったく苦ではない、といった意思を示すときに使う言葉。
親の因果が子に報う(おやのいんががこにむくう)
親の悪行の結果、罪のない子どもが災いを受けること。
親船に乗ったよう(おやぶねにのったよう)
信頼できるものに任せすっかり安心しきったようす。難破する心配のない大きな船に乗ったようだということから。
お山の大将(おやまのたいしょう)
小さな集団や狭い世界の中で、自分が一番偉いと得意になって威張っている人のこと。
女賢しゅうして牛売り損なう(おんなさかしゅうしてうしうりそこなう)
女は利口そうに見えても、目先の利にとらわれて大局を見通せずに失敗するというたとえ。 女がでしゃばりすぎて売り物の牛について余計なことを言い、売り損なってしまったという話から。
書いた物が物を言う(かいたものがものをいう)
口約束はあてにならないが、紙に書いた物は証拠になるということ。
顧みて他を言う(かえりみてたをいう)
答えに窮して、話題を逸らしたり話をはぐらかしたりすること。孟子に問い詰められた梁の恵王が、左右を顧みて、無関係な別のことを言ったという故事から。
顔色を窺う(かおいろをうかがう)
相手の表情から、その人の機嫌の善し悪しを察すること。 「顔色を見る」「顔色を読む」ともいう。
顔が合う(かおがあう)
試合や競技などで対戦相手となる。また、演劇や映画などで共演する。 「顔が合う」ともいう。
顔が揃う(かおがそろう)
集まるべき人が、全員その場に集まること。
垣を結う(かきをゆう)
大勢のひとが集まって、垣根のように取り囲んだり立ち並んだりすること。 また、他者との間にはっきりした隔てをつくること。 「垣を結う」ともいう。
隠れたる信あらば顕われたる利生(かくれたるしんあらばあらわれたるりしよう)
心中に秘めている誠実さは、いつか自然に外にあらわれて自分自身の利得になるということ。 心中に神仏への信仰心があれば、必ずご利益があるとの意から。 「隠れたる信あらば顕われたる利生」「隠れたる信あらば顕われたる験」ともいう。
陰では王様の事も言う(かげではおうさまのこともいう)
誰であろうと陰口を言われない者はいないということ。 陰では王様でさえ悪口を言われるとの意から。 「陰では殿の事も言う」ともいう。
華甲(かこう)
数え年で六十一歳のこと。 「華」は、六個の十と一個の一からなることから、六十一を表す。 「甲」は、甲子(きのえね)のことであり、[[十干*https://kanji.jitenon.jp/cat/hyoki09.html]]の一番目である「甲」と、[[干支*https://kanji.jitenon.jp/cat/hyoki09.html]]の一番目である「子」をそれぞれ指す。
霞を食う(かすみをくう)
俗世間を超越した生き方をすること。 仙人が、霞を食べて生きていると言われたことから。
粕を食う(かすをくう)
小言をいわれたり、厳しく注意されたりすること。 主に、演劇関係で用いられる。 「粕」は「糟」とも書く。
風に櫛り雨に沐う(かぜにくしけずりあめにかみあらう)
風雨にさらされて苦労することのたとえ。 風で髪をとかし、雨で体を洗うことから。 「櫛風沐雨」ともいう。
風邪は百病の長(かぜはひゃくびょうのちょう)
風邪はあらゆる病気のもとなので、たかが風邪と油断せず用心が必要であるということ。 「風邪は百病のもと」「風邪は百病の長」ともいう。
風を食らう(かぜをくらう)
事態を察知して、すばやく逃げるようすをいう。息せききって大口を開けて走り、口いっぱいに空気が入り込む様子をいった言葉。多くは悪事が発覚した時などに使う。
片腕をもがれたよう(かたうでをもがれたよう)
最も信頼していた人を失い、ひどく悲しむさま。 「片腕」は、自分の腕のように信頼できて頼りになる人のことで、その人を失うとの意から。
肩透かしを食う(かたすかしをくう)
意気込んで向かったところを、相手にうまくかわされてしまうことのたとえ。 「肩透かし」は、相撲の決まり手の一つであり、相手の攻めをかわして前へ引き倒す技のこと。
容を繕う(かたちをつくろう)
化粧などをして体裁を整えること。
火中の栗を拾う(かちゅうのくりをひろう)
自分の利益にはならないにもかかわらず、危険をおかすことのたとえ。猿におだてられた猫が、いろりの中で焼けている栗を拾おうとして大やけどをしたというラ・フォンテーヌ(詩人)の寓話から。
勝ちを拾う(かちをひろう)
勝てそうになかった勝負などで、運よく勝利を得ること。
勝手が違う(かってがちがう)
慣れないことで、どう対処すべきか戸惑うこと。面食らうこと。
鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)
権威ある人の実力や能力を疑うたとえ。「鼎」は古代中国で使われた金属性の器のことで、祭器として用いられたことから、王位の象徴となった。楚の荘王が周を軽んじ、周王室の九鼎の大小や軽重を問うたという故事から。
金釘流(かなくぎりゅう)
文字を書くことが下手なことを「金釘を連ねたようだ」と、書の流派の一つに見立てて馬鹿にした言葉。