「から」を含む故事・ことわざ・慣用句
「から」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 261 件
- 愛想づかしも金から起きる(あいそづかしもかねからおきる)- 女が男につれなくなり愛想をつかすようになるのは、金銭上の問題からだということ。 
- 相手見てからの喧嘩声(あいてみてからのけんかごえ)- 相手が自分より弱そうだと判断すると、いきなり喧嘩を売る大声を出して威張り出すこと。 
- 秋葉山から火事(あきばさんからかじ)- 人を戒める指導的立場の者が、自ら過ちを犯してしまうたとえ。「秋葉山」は火災除けの神を祭る静岡県の秋葉神社のこと。 
- 空き家で声嗄らす(あきやでこえからす)- 努力しても報われないことのたとえ。空き家で大声で案内を求めても返事がないことから。 
- 朝日が西から出る(あさひがにしからでる)- 絶対に起こるはずがないことのたとえ。 
- 朝に夕べを謀らず(あしたにゆうべをはからず)- 事態が切迫していて、余裕がないことのたとえ。 朝にその日の夕方のことを考えるゆとりがないという意味から。 
- 足下から鳥が立つ(あしもとからとりがたつ)- 身近なところで、突然思いもかけないことが起きることのたとえ。また、急に思い立って物事を始めるようす。 
- 明日食う塩辛に今日から水を飲む(あすくうしおからにきょうからみずをのむ)- 手回しがいいように見えて、実は無意味なことのたとえ。 
- 与って力がある(あずかってちからがある)- あることの進展や実現に、大きな役割を果たすこと。貢献をすること。 
- 畦から行くも田から行くも同じ(あぜからいくもたからいくもおなじ)- 手段や方法が違っても、同じ結果になることのたとえ。 畦道から行っても田から行っても、結局行き着く所は同じということから。 「田から行くも畦から行くも同じ事」「田を行くも畦を行くも同じ」「田歩くも畔歩くも同じ」などともいう。異形の多い語。 
- 頭から(あたまから)- 状況や事情などを考慮せず、一方的な態度をとるようす。 
- 頭から水を浴びたよう(あたまからみずをあびたよう)- 突然起こった恐ろしい出来事に、驚き恐れてぞっとすることのたとえ。 
- 頭から水を掛けられたよう(あたまからみずをかけられたよう)- 突然起こった恐ろしい出来事に、驚き恐れてぞっとすることのたとえ。 
- 頭から湯気を立てる(あたまからゆげをたてる)- 激怒するようす。かんかんになって怒るようす。 
- 頭の天辺から足の爪先まで(あたまのてっぺんからあしのつまさきまで)- 人の身体の上から下まで。全身のこと。転じて、何から何まで。全部。すべて。 
- 中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)- ぴったり当たっていないが、ほぼ的中と言えるということ。 「中らず」は「当たらず」とも書く。 
- 当て事と越中褌は向こうから外れる(あてごととえっちゅうふんどしはむこうからはずれる)- 当てにしていた事は相手の都合で外れることが多いことのたとえ。 「当て事」は当てにしている事。 「向こう」は身体の前、また、相手のこと。 越中褌が身体の前から外れやすいのと同じように、当てにしていた事は向こうから外れることが多いということ。 「当て事は向こうから外れる」「当て事と畚褌は先から外れる」ともいう。 
- 後から剝げる正月言葉(あとからはげるしょうがつことば)- 上品ぶった言葉や、うわべだけ飾った体裁だけのお世辞は、すぐに化けの皮がはがれるということ。「正月言葉」は正月に使う体裁ぶった言葉の意で、上品ぶった使いなれない言葉のこと。 
- 豈図らんや(あにはからんや)- どうしてそんなことが予想できただろうか。 意外なことに出会ったときに言う言葉。 
- 蟻の穴から堤も崩れる(ありのあなからつつみもくずれる)- ちょっとした油断・不注意から大事が起こることのたとえ。 蟻の穴を見過ごしたために堤防が崩れることもあるとの意から。 
- ある手からこぼれる(あるてからこぼれる)- 金持ちは金が有り余るほどあるから、自然にまわりに金がこぼれ落ちる。だから施す気持ちがなくても、まわりの人々に恩恵を施していることになるということ。 
- 威あって猛からず(いあってたけからず)- 威厳があり、しかも温厚で荒々しくないようす。孔子の人柄を弟子が評したことばで、君子の理想的な人柄をいうことば。 
- 言う口の下から(いうくちのしたから)- 言ったとたんに。言ったすぐあとから。 
- 毬栗も内から割れる(いがぐりもうちからわれる)- 誰でも年ごろになると自然と色気が出てくるということのたとえ。特に女性についていう。 鋭いとげのある毬栗でも熟せば自然にはじけて実が飛び出すとの意から。 
- 医者寒からず儒者寒し(いしゃさむからずじゅしゃさむし)- 医者はおおむね裕福で、学者はたいてい貧乏だということ。「儒者」は学者、「寒し」は貧しい意。 
- 医者よ自らを癒せ(いしゃよみずからをいやせ)- 他人に立派なことを言う人は自分も立派でなければならにというたとえ。患者を治療する医者は自分自身も健康に注意せよという意。 
- 一から十まで(いちからじゅうまで)- 最初から最後まで。何から何まで。すべて。 
- 一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)- ほんのわずかな時間でも無駄にしてはいけないということ。「光陰」は月日、時間の意。 
- 一臂の力を仮す(いっぴのちからをかす)- わずかな力を貸すこと。「一臂」は片方の肘のこと。転じて、わずかな力の意。「仮す」は貸す意。 
- 命から二番目(いのちからにばんめ)- 命の次に大事なものの意で、非常に大切にしているもの。かけがいのないもの。 
- 命に過ぎたる宝なし(いのちにすぎたるたからなし)- 命以上に大切なものはこの世にないということ。 
- 今鳴いた烏がもう笑う(いまないたからすがもうわらう)- 今まで泣いていた子どもが、すぐに機嫌を直して笑うこと。 
- 色男、金と力はなかりけり(いろおとこ、かねとちからはなかりけり)- 美男子は、経済力も腕力もないものだということ。美男子をからかった川柳。 
- 鰯の頭も信心から(いわしのあたまもしんじんから)- どんなつまらないものでも、信じる心があれば尊く思われるということ。節分の夜、鰯の頭をひいらぎの枝に刺して門口に置くと鬼気を追い払うといわれてきたことから。 
- 殷鑑遠からず(いんかんとおからず)- 戒めとなる失敗の例は、すぐ身近にあるというたとえ。 殷の国民が鑑(かがみ)とすべき手本は、遠い時代に求めなくても、前代の夏(か)の滅亡がよい戒めであるとの意から。 
- 臼から杵(うすからきね)- 女性から男性に言い寄ることのたとえ。物事が逆であることのたとえ。 「臼」は女性、「杵」は男性をさす隠語。 
- 嘘から出た実(うそからでたまこと)- 嘘として言ったことが、偶然事実となること。 
- 内に省みて疚しからず(うちにかえりみてやましからず)- 自分の心の中を振り返ってみて、良心に恥じることが少しもないということ。 
- 鵜の真似をする烏(うのまねをするからす)- 自分の能力をわきまえず、人の真似をして失敗することのたとえ。 「鵜」は、水鳥の名。 水に潜って巧みに魚を捕る鵜の真似をして、烏が水に潜っても溺れるばかりであるとの意から。 「鵜の真似をする烏水に溺れる」「鵜の真似をする烏水を呑む」「烏が鵜の真似」ともいう。 
- 海魚腹から川魚背から(うみうおはらからかわうおせから)- 海の魚は腹から、川の魚は背から裂くのがよいということ。 
- 売家と唐様で書く三代目(うりいえとからようでかくさんだいめ)- 初代が苦労して残した財産も、三代目にもなると没落し、家を売りに出すような羽目になるが、その「売家」と書いた札の文字は唐様(中国風)でしゃれている。仕事をしないで道楽三昧をする人を皮肉ったもの。 
- 噂は遠くから(うわさはとおくから)- 噂は事情を知っている人間からではなく、外部から生じることが多いということ。 
- 枝を伐って根を枯らす(えだをきってねをからす)- 手近なところから処理していき、順次に根本まで始末することのたとえ。 木を枯らす時には、いきなり根に手を加えず、まず枝を切り落として最後に根を枯らすのがよいということ。 
- 縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)- 他人のために、人目につかないところで苦労や努力をすること。また、そのような人のこと。 
- 驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)- 驕り高ぶって滅亡した平家のように、贅沢を尽くし勝手気ままにふるまう者は、長く栄えることなく早く滅びてしまうというたとえ。 
- 乙に絡む(おつにからむ)- いつもと違い、変に嫌味なことを言う。しつこく言ってからむ。 「乙」は、普段とは違って変なさま。 
- 男は妻から(おとこはめから)- 男の出世や幸福は妻しだいだということ。 
- 同い年夫婦は火吹く力もない(おないどしみょうとはひふくちからもない)- 同い年の夫婦は仲が良く、いつも笑ってばかりいるので、火吹き竹を吹いて火をおこすためのふくれっ面もできないということ。 
- 尾羽打ち枯らす(おはうちからす)- 落ちぶれて、みすぼらしい姿になることのたとえ。 鷹の尾と羽が傷ついてぼろぼろになるとの意から。 
- 負わず借らずに子三人(おわずからずにこさんにん)- 人の世話にならず、借金もなく、子どもが三人ぐらいいる家庭が理想的で幸福だということ。 
- 蛙は口から呑まるる(かえるはくちからのまるる)- 余計なことを言ったために、災いを招いてしまうことのたとえ。 蛙は鳴き声をだすことから蛇に気づかれ、吞み込まれてしまう意から。 
- 顔から火が出る(かおからひがでる)- 大変恥ずかしいおもいをすることのたとえ。 顔が真っ赤になる意から。 
- 嬶天下にからっ風(かかあでんかにからっかぜ)- 上州(群馬県)名物といわれる嬶天下とからっ風の二つを並べて、上州人の気質や風土性を言ったことば。 
- 欠くべからざる(かくべからざる)- 絶対に必要で無くてはならないことのたとえ。 
- 火事場の馬鹿力(かじばのばかぢから)- 切迫した状況に置かれると、普段なら考えられないようなすごい力を発揮するということのたとえ。火事の時に、ふつうでは持ち上げることのできないような重い物を動かす力が出ることから。 
- 肩を怒らす(かたをいからす)- 肩にちからを入れ、威圧的な態度をとること。 
- 空馬に怪我なし(からうまにけがなし)- 無一物の人は損のしようがないというたとえ。 「空馬」は、人や荷物などなにも乗せていない馬。 
- 芥子は気短に搔かせろ(からしはきみじかにかかせろ)- からしは手早くかかないと辛みがぬけるので、気の短い者に勢いよくかかせろということ。 
- 烏の頭の白くなるまで(からすのあたまのしろくなるまで)- いつまで経ってもその時がこないことのたとえ。中国、戦国時代に燕の太子丹が人質になった時、奏王が「烏の頭が白くなり、馬に角が生えたら国へ帰す」と言ったという故事から。 
- 烏の行水(からすのぎょうずい)- 入浴時間が、きわめて短いことのたとえ。烏が短い時間で水浴びをする様子から。 
- 烏の鳴かない日はあっても(からすのなかないひはあっても)- それだけは必ず毎日行われるということを強調していう語。 毎日必ず鳴く烏が鳴かない日があったとしてもの意。 
- 烏の濡れ羽色(からすのぬればいろ)- 髪の毛が、水に濡れた烏の羽のように、真っ黒で艶やのあるようす。 
- 烏を鵜に使う(からすをうにつかう)- 役に立たない者を、才能が必要とされる重要な地位に置くことのたとえ。 「烏」は、魚をとらない役に立たないもの。 「鵜」は、魚をとる役に立つもの。 
- 烏を鷺(からすをさぎ)- 明らかな間違いを正しいと言い張ること。また、強引に押し通そうとすること。 烏(黒い鳥)を鷺(白い鳥)だと言い張るとの意から。 
- 空世辞は馬鹿を嬉しがらせる(からせじはばかをうれしがらせる)- 愚か者は、口先だけのお世辞に喜ぶということ。 
- 体が空く(からだがあく)- 仕事・用事が終わって時間ができること。 
- 体が続く(からだがつづく)- 仕事などで体に重い負担をかけているにも関わらず、健康を保っていること。 
- 体で覚える(からだでおぼえる)- 実際に体験して、技術などを全身の感覚で身に付けること。 
- 体に障る(からだにさわる)- 健康を害する原因となる。 
- 体を壊す(からだをこわす)- 無理をして健康をそこねる。病気になる。 
- 体を張る(からだをはる)- 自らの身体をなげうって命懸けで事にあたる。 
- 殻に閉じ籠もる(からにとじこもる)- 自分の世界を守って、他との繋がりをさけようとすること。 
- 空振りに終わる(からぶりにおわる)- 企てたことが失敗におわること。 「空振り」は、野球やテニスなどでバットやラケットにボールがあたらないこと。 
- 彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)- 敵と味方の情勢をしっかり把握して戦えば、何度戦っても負けることはないということ。 「殆うからず」は、危うくないという意味。 
- 堪忍は一生の宝(かんにんはいっしょうのたから)- 怒りを抑えたり痛みや苦しみをこらえたりすることができると、一生の宝を持っているように安らかで幸福に生きていくことができるので、生涯心がけていくべきであるということ。 「堪忍は身の宝」ともいう。 
- 楽屋から火を出す(がくやからひをだす)- 自ら災いや騒ぎを引き起こしてしまうたとえ。「楽屋」は、内部の意。 
- 楽屋で声を嗄らす(がくやでこえをからす)- 無駄な努力をするたとえ。また、いくら努力しても人に認められないことのたとえ。役者が楽屋で稽古をし過ぎて声を嗄らし、本番の舞台で声が出なくなることから。 
- 木から落ちた猿(きからおちたさる)- 頼みとするものを失って、途方にくれている状態のたとえ。 
- 飢饉は海から(ききんはうみから)- 海の不漁は飢饉の前兆であるということ。 
- 木の股から生まれる(きのまたからうまれる)- 人の情、特に男女間の情愛を理解しないことのたとえ。 
 
         
    