「か」を含む故事・ことわざ・慣用句
「か」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2213 件
縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)
他人のために、人目につかないところで苦労や努力をすること。また、そのような人のこと。
縁もゆかりもない(えんもゆかりもない)
何もかかわりがない。何のつながりもない。 「縁」と「ゆかり」という同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉。
追い打ちを掛ける(おいうちをかける)
弱っているものをさらに攻撃し、打ちのめすこと。
追い込みを掛ける(おいこみをかける)
物事の最後の段階でいっそう力を入れて努力すること。
老いてはますます壮んなるべし(おいてはますますさかんなるべし)
年老いてもますます元気で意気盛んでなければならないということ。
お伺いを立てる(おうかがいをたてる)
目上の人の判断を仰いだり、意見や許可などを求める。また、神や仏からのお告げを願うこと。
逢うた時に笠を脱げ(おうたときにかさをぬげ)
知り合いに会った時は、まず挨拶をしなさいということ。 礼儀の大切さを説いた教え。
王手を掛ける(おうてをかける)
成功や勝利まであと一歩の状態になる。 「王手」は、将棋で直接王将を攻める手のこと。
大男総身に知恵が回りかね(おおおとこそうみにちえがまわりかね)
からだばかり大きくて愚かな男をあざけっていう言葉。
狼に衣(おおかみにころも)
まるで僧衣をまとった狼のように、慈悲深い善人のようにみせかけて内面は恐ろしいことのたとえ。 「狼が衣を着たよう」ともいう。
多かれ少なかれ(おおかれすくなかれ)
数量や程度に多少の違いはあっても。
大河を手で堰く(おおかわをてでせく)
無謀で不可能なことをするたとえ。大きな川を手で堰き止めようとするということから。
大きい薬缶は沸きが遅い(おおきいやかんはわきがおそい)
大人物は大成するのに時間がかかるというたとえ。大きい薬缶は水がたくさん入るので沸騰するのに時間がかかるということから。
大きな家には大きな風(おおきないえにはおおきなかぜ)
人にはそれぞれの境遇に合った悩みがあるということ。 金持ちは何の心配もないように見えるが、家が大きければ、それなりに風当たりが強く、金持ちなりの悩みがあるとの意から。
大きな顔(おおきなかお)
偉そうな顔つき。また、平然とした顔つき。
大阪の食い倒れ(おおさかのくいだおれ)
大阪の人は飲食にお金をかけて、財産をつぶしてしまうということ。 「京の着倒れ」と対で使われることが多い。
大遣いより小遣い(おおづかいよりこづかい)
大きくまとまった一度の出費よりも、日常のこまごました出費のほうが、かえって大きい金額になりやすいというたとえ。
大摑みより小摑み(おおづかみよりこづかみ)
一度に大儲けしようとするより、少しずつ確実に儲けていくほうが、結果的には成功するということ。
お門違い(おかどちがい)
目指すところが違っていること。見当違いであること。 訪問する家が間違っているとの意から。
陸に上がった河童(おかにあがったかっぱ)
自分の能力やわざを発揮できる環境から離れて、力が出せず無力になるたとえ。水中では自由に活動できる河童も陸に上がれば無力であることから。
置かぬ棚を探す(おかぬたなをさがす)
体裁を取り繕うため、あるはずのない物を探すたとえ。
置かぬ棚をも探せ(おかぬたなをもさがせ)
念には念を入れて探せということ。 絶対に置いたはずのない棚でも念のために探してみるべきとの意から。
お株を奪う(おかぶをうばう)
人が得意とすることをまねて、その人以上にうまくやること。「お株」は得意とするわざの意。
陸へあがった河童(おかへあがったかっぱ)
環境が変わると、まったく能力が発揮出来ないことのたとえ。 水中では自由に活動できる河童も、陸上では無力であるという意味から。
お竈を起こす(おかまをおこす)
成功して財産を築き上げること。「お竈」は竈(かまど)のことで、家庭生活を営むための竈を築く意から。
お冠(おかんむり)
機嫌が悪い様子。 「冠を曲げる」に由来する。
起きて働く果報者(おきてはたらくかほうもの)
健康で働けることは、何よりも幸せだということ。「果報者」は幸運な人の意。
屋下に屋を架す(おくかにおくをかす)
無駄なことをするたとえ。 屋根の下にさらに屋根を架けるとの意から。
屋上、屋を架す(おくじょう、おくをかす)
無駄なことをするたとえ。 屋根の上にさらに屋根を架けるとの意から。
臆病風に吹かれる(おくびょうかぜにふかれる)
臆病な気持ちになること。怖じ気づくこと。
臆病の神降ろし(おくびょうのかみおろし)
臆病な者が神々に祈って加護を求めること。「神降ろし」は巫女などが神霊を呼び招く行為。
送り狼(おくりおおかみ)
親切を装って女性を送るふりをして、途中で乱暴をはたらこうとする男のこと。夜中の山道などで人のあとをつけ、隙をみて襲おうとする狼(もしくは犬)に由来する。
お声が掛かる(おこえがかかる)
目上の人から招待されたり特別な計らいを受けたりすること。
驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)
驕り高ぶって滅亡した平家のように、贅沢を尽くし勝手気ままにふるまう者は、長く栄えることなく早く滅びてしまうというたとえ。
お先棒を担ぐ(おさきぼうをかつぐ)
人の手先になって軽々しく行動すること。 「お先棒」は二人で棒を使って荷物を担ぐ時、棒の前方を担ぐ人のこと。
お座敷が掛かる(おざしきがかかる)
芸者や芸人などが客に呼ばれること。 また、会合や宴席などに招待されること。
教うるは学ぶの半ば(おしうるはまなぶのなかば)
人に教えるということは、自分の知識をより深めなければならないから、半分は自分の勉強になるということ。
お釈迦様でも気がつくまい(おしゃかさまでもきがつくまい)
誰も気がつかないだろう、誰も知らないだろうを強調していう言葉。 何でもお見通しのお釈迦様でも知らないだろうとの意から。 「お釈迦様でも御存知あるまい」ともいう。
お釈迦になる(おしゃかになる)
製造過程で失敗し、製品をつくり損ねてしまうことのたとえ。 また、壊れたり不具合が見つかったりして使い物にならなくなることのたとえ。
お相伴にあずかる(おしょうばんにあずかる)
同伴者として、もてなしを受けること。 「相伴」は主客と一緒に行ってもてなしを受けること。
おじが甥の草を刈る(おじがおいのくさをかる)
目上の者が目下の者のために奔走させられることのたとえ。また、物事の順序が逆なことのたとえ。
お節介を焼く(おせっかいをやく)
余計な世話をすること。
遅かりし由良之助(おそかりしゆらのすけ)
待ちかねた時、機を逸した時にしゃれていう言葉。歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」で、大星由良之助が主君の切腹の場に駆けつけるのが遅れた場面のせりふから。
遅かれ早かれ(おそかれはやかれ)
遅いか早いかの違いはあっても、いつかはそのようになることをいう言葉。いずれそのうちに。いつかは必ず。
お高くとまる(おたかくとまる)
気位が高く、人を見下した態度をとること。
お為ごかし(おためごかし)
表面は相手のためにするように見せかけて、実は自分の利益を図ること。「お為」は、人のために利益を図ること。「ごかし」は、ある事にかこつけて自分の利益を図るという意の接尾語。
押っ取り刀で駆けつける(おっとりがたなでかけつける)
大急ぎで駆けつけること。 緊急のときには、刀を腰に差す余裕もなく手に持って駆けつけるとの意から。
乙に絡む(おつにからむ)
いつもと違い、変に嫌味なことを言う。しつこく言ってからむ。 「乙」は、普段とは違って変なさま。
男心と秋の空は一夜に七度変わる(おとこごころとあきのそらはいちやにななたびかわる)
男の愛情は、秋の空模様のように変わりやすいということ。 「男心と秋の空は一夜に七度変わる」ともいう。
男は二十五の暁まで育つ(おとこはにじゅうごのあかつきまでそだつ)
男は二十五歳くらいまでは成長するということ。
男は裸百貫(おとこははだかひゃっかん)
男は無一文でも、働いて財産や地位を築くことができるので、裸でも百貫の値打ちがあるということ。
男は妻から(おとこはめから)
男の出世や幸福は妻しだいだということ。
同い年夫婦は火吹く力もない(おないどしみょうとはひふくちからもない)
同い年の夫婦は仲が良く、いつも笑ってばかりいるので、火吹き竹を吹いて火をおこすためのふくれっ面もできないということ。
同じ釜の飯を食う(おなじかまのめしをくう)
同じ職場で働いたり苦楽を共にしたりすること。また、そのように過ごす親しい仲間のこと。 「一つ釜の飯を食う」ともいう。
鬼が住むか蛇が住むか(おにがすむかじゃがすむか)
世の中にはどんな恐ろしいものが住んでいるかわからないということ。 また、人の心の中にはどんな考えが潜んでいるかわからないということ。
鬼が出るか蛇が出るか(おにがでるかじゃがでるか)
どんな恐ろしいことになるか予測できないことのたとえ。 からくり人形師が観客の興味をあおるためにいった言葉。 「鬼が出るか仏が出るか」ともいう。
鬼に金棒(おににかなぼう)
もともと強いものがさらに強くなることのたとえ。もともと強い鬼に鉄の棒を持たせる意から。「金棒」は「鉄棒」とも書く。江戸いろはがるたの一つ。
鬼の霍乱(おにのかくらん)
ふだん非常に丈夫な人が珍しく病気にかかることのたとえ。 「霍乱」は日射病のこと。 鬼が日射病にかかることから。
己に克ち、礼に復る(おのれにかち、れいにかえる)
理性と意思の力で欲望に打ち勝って、人として守るべき礼に従って行動すること。 「[[克己復礼*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1487.html]]」ともいう。
己に如かざる者を友とするなかれ(おのれにしかざるものをともとするなかれ)
自分をより向上させるためには、自分より劣った者を友として交際すべきではないという教え
己の欲せざる所は人に施すこと勿れ(おのれのほっせざるところはひとにほどこすことなかれ)
自分が他人からされたくないと思うことは、決して他人にしてはならないということ。
己を以て人を量る(おのれをもってひとをはかる)
人はとかく自分を基準にして、他人のことを判断しがちだということ。
斧を掲げて淵に入る(おのをかかげてふちにいる)
物の用途を誤ること。また、適時適所でないこと。 水中では役に立たない斧を振りかざして淵に入っていくことから。
尾羽打ち枯らす(おはうちからす)
落ちぶれて、みすぼらしい姿になることのたとえ。 鷹の尾と羽が傷ついてぼろぼろになるとの意から。
帯に短し、襷に長し(おびにみじかし、たすきにながし)
中途半端で役に立たない物事のたとえ。 帯にするには短く、襷にするには長すぎて結局は使えないことから。
負ぶえば抱かりょう(おぶえばだかりょう)
他人の力を当てにして、つけあがって甘えることのたとえ。 負んぶしてやると次には抱っことねだることから。 「負ぶえば抱かろう」「負んぶすれば抱っこ」「抱かさせば負ぶさる」ともいう。
おべっかを使う(おべっかをつかう)
自分の利益になる相手の機嫌をとり、こびへつらうこと。
溺れる者は藁をも摑む(おぼれるものはわらをもつかむ)
危険が差し迫っているときは、頼りにならないものにまで頼ろうとするということ。 溺れかけている者は、水に浮かぶ藁のような頼りないものにもすがりついて助かろうとするとの意から。
御神酒上がらぬ神はない(おみきあがらぬかみはない)
神様でさえお酒を召し上がるのだから、人間が酒を飲むのは当たり前だということ。 酒飲みが飲酒することの自己弁護に使う言葉。 「御神酒」は、神前に供える酒のこと。
お迎えが来る(おむかえがくる)
死期が近づくこと。あの世へ行くこと。 仏が浄土から迎えに来るとの意から。
お眼鏡に適う(おめがねにかなう)
目上の人から高く評価されて気に入られること。
お目に掛かる(おめにかかる)
お会いする。また、目上の人から認められる。
お目に掛ける(おめにかける)
目上の人にお見せする。ご覧に入れる。
思い半ばに過ぐ(おもいなかばにすぐ)
考えてみると思いあたるふしが多く、十分に推し量ることができるということ。 思い当たるところが全体の半分以上あるとの意から。
思う事一つ叶えばまた一つ(おもうことひとつかなえばまたひとつ)
欲望には限りがないということ。一つ望みが叶うと、すぐにまた次を望む意から。
思うに任せない(おもうにまかせない)
物事が思い通りに進まないこと。
思うに別れて思わぬに添う(おもうにわかれておもわぬにそう)
思い焦がれた相手とは結ばれず、好きではない相手と結婚すること。人の縁や運命は、思い通りにならないということ。
玩具箱を引っ繰り返したよう(おもちゃばこをひっくりかえしたよう)
部屋などがひどく散らかっていることのたとえ。
表看板にする(おもてかんばんにする)
世の中に何かを示すための表面上の名目にすること。 「表看板」は、劇場の正面に、上演内容や出演者などを記して掲げる看板のこと。
親方思いの主倒し(おやかたおもいのしゅたおし)
主人のためを思ってしたことが、逆に主人に不利益をもたらすこと。