「き」を含む故事・ことわざ・慣用句
「き」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1423 件
駕籠舁き駕籠に乗らず(かごかきかごにのらず)
日頃から仕事で使用しているものは、自分のためには使用しないということ。 また、他人の面倒を見るばかりで、自分のことには手が回らないこと。 「駕籠舁き」は、駕籠に人を乗せて運ぶことを職業にしている人。 駕籠舁きは、自分の駕籠には乗らないとの意から。
笠に着る(かさにきる)
権力のある者を頼みにしていばったり、勝手なふるまいをすること。
風向きが悪い(かざむきがわるい)
相手の機嫌がよくないこと。 また、物事の形勢が自分にとって不利な方向にすすむこと。
和氏の璧(かしのへき)
すばらしい宝石のこと。中国、春秋時代の楚の卞和(べんか)が宝石の原石を厲王(れいおう)に献じたが、宝石だと信じてもらえず左足を切られ、次の武王には同じ理由で右足を切られた。その次の文王の時代に、この原石が磨かれ宝石だと認められたという故事による。秦の昭王がこの玉と15の城と交換したいと言い、「連城の璧」とも称された。
家書万金に抵る(かしょばんきんにあたる)
旅先で受け取る家からの手紙は、万金に匹敵するほど貴重だということ。
火事と葬式に行けば勘当もゆりる(かじとそうしきにいけばかんどうもゆりる)
火事や葬式の時にわびに行って手伝えば、勘当された者も許されるということ。「ゆりる」は、許されるという意。
風の吹き回し(かぜのふきまわし)
そのときの成り行きによって、態度や気分がなどが変わること。 風の吹く方向が、その時々で変化することから。
風を切る(かぜをきる)
勢いよく進むさま。また、風に逆らって進むさま。
堅い木は折れる(かたいきはおれる)
ふだんは強情な人が、何か問題にぶつかると意外にもろく、くじけやすいことのたとえ。また、頑丈な人が急に大病で倒れることのたとえ。柔軟性のない堅い木は、風が吹けば折れやすいことから。
敵の家でも口を濡らせ(かたきのいえでもくちをぬらせ)
たとえ敵の家でも出された食べ物には口をつけるのが礼儀だということ。つまり、いかなる場合も礼儀を守らなければならないということ。「口を濡らせ」は、少しだけでも飲食せよということ。本来は酒について言った言葉。
敵の前より借金の前(かたきのまえよりしゃっきんのまえ)
敵の前では平然とできても、借金をしている相手の前では頭が上がらないということ。
難きを先にし、獲るを後にす(かたきをさきにし、うるをのちにす)
困難な仕事を先に行い、自分の利益は後回しにすること。
片口聞いて公事を分くるな(かたくちきいてくじをわくるな)
訴訟の裁きは、一方の言い分だけを聞いて判定してはいけないということ。「片口」は一方だけの言い分、「公事」は訴訟のこと。
肩叩き(かたたたき)
相手の肩を軽くたたきながら頼みごとをすること。 特に、上役が部下に退職を勧めるときに用いられる。
片手で錐は揉まれぬ(かたてできりはもまれぬ)
物事を成し遂げるためには、力を合わせることが大事だということ。 穴をあけるための錐は片手では揉むことができないとの意から。
肩で風を切る(かたでかぜをきる)
肩をそびやかして、得意げに颯爽と歩くさま。また、得意げに振る舞うさま。
刀折れ矢尽きる(かたなおれやつきる)
物事を続けていく手段がなくなってしまうことのたとえ。 刀が折れ、矢が尽きて戦う手段がなくなってしまうとの意から。 「弓折れ矢尽きる」ともいう。
固めの杯(かためのさかずき)
お互いに約束を守るために取り交わす杯のこと。 夫婦や主従、師弟関係などを結ぶ際におこなわれる。
勝ち鬨を挙げる(かちどきをあげる)
試合や戦争などの戦いに勝利して喜ぶ。 「凱歌」は、勝利を祝う歌。 「挙げる」は「上げる」「挙げる」とも書く。
括弧付き(かっこつき)
その事柄に普通ではない意味が込められていること。
褐を被て玉を懐く(かつをきてたまをいだく)
すぐれた才能を世間に知られないように隠していることのたとえ。 「褐」は粗末な衣服、「玉」はすぐれた才能のこと。 粗末な身なりをしていても、内にはすぐれた才能を秘めているとの意から。
金鎖も引けば切れる(かなぐさりもひけばきれる)
鉄製の鎖も時には切れることがあるように、どんなに意志の強い人でも誘惑に負けることがあるというたとえ。
悲しい時は身一つ(かなしいときはみひとつ)
困ったり落ちぶれたりすると、他人は当てにならず、頼りになるのは自分だけだということ。「身一つ」は財産もなく自分の体だけという意。
金棒引き(かなぼうひき)
ささいなことを大げさに触れ回る人のこと。本来は、金棒を突き鳴らしながら夜警する人のこと。
金棒引き(かなぼうひき)
ささいなことを大げさに触れ回る人のこと。本来は、金棒を突き鳴らしながら夜警する人のこと。
叶わぬ時には親を出せ(かなわぬときにはおやをだせ)
言い訳に困った時には、親を引き合いに出すことで口実を作れということ。
叶わぬ時の神頼み(かなわぬときのかみだのみ)
普段は信仰心を持たない者が、事が叶わない時だけ、神様に祈って助けてもらおうとすること。
蟹を縦に歩かせることはできない(かにをたてにあるかせることはできない)
横に歩く蟹を縦に歩かせるのは無理なように、生まれつきの性格は変えられないということ。
金が敵(かねがかたき)
人が悩んだり苦しんだりする原因が金であることが多い。金は敵のようなものだということ。また、なかなか敵に巡りあえないように、金運との巡りあいも難しいということ。
金と塵は積もるほど汚い(かねとちりはつもるほどきたない)
金持ちになればなるほど、欲深くけちになることをあざけっていうことば。
金なき者は金を使う(かねなきものはかねをつかう)
金持ちは金に執着して金を惜しむが、金のない者は、かえって執着しないで浪費するものだということ。
金の切れ目が縁の切れ目(かねのきれめがえんのきれめ)
金がある時はちやほやされるが、金がなくなると相手にされず関係が切れるということ。
金のなる木(かねのなるき)
いくら使っても無くならない財源のたとえ。
金は命の親、命の敵(かねはいのちのおや、いのちのかたき)
金によって命を助けられることもあれば、逆に命を落とすこともあるというたとえ。
金は浮き物(かねはうきもの)
金は一ヶ所にとどまらず、人から人へめぐり渡るものだというたとえ。
金は片行き(かねはかたいき)
金は、ある所にはたくさんあるのに、ない所にはさっぱりないということ。
金は良き召し使いなれど悪しき主なり(かねはよきめしつかいなれどあしきしゅなり)
金は自分の意思で運用しているうちはよいが、金に使われるようになると害をもたらすという戒め。
金は湧き物(かねはわきもの)
金は思いがけなく入ってくることもあるから、金がなくてもくよくよするなということ。
金持ちと灰吹きは溜まるほど汚い(かねもちとはいふきはたまるほどきたない)
金持ちは、財産を増やそうとしたり、減らすまいとしてけちになり、心が卑しくなるというたとえ。「灰吹き」はたばこの吸い殻を入れる竹筒のことで、吸い殻が溜まることと金が貯まることをかけている。
金を貸したのが円の切れ目(かねをかしたのがえんのきれめ)
金の貸し借りには問題が起こりやすく、親しい友人同士でも金の貸し借りはするべきではないという戒め。
壁に突き当たる(かべにつきあたる)
大きな困難や障害にぶつかって、前に進めずに行き詰ること。
紙子着て川へはまる(かみこきてかわへはまる)
軽率な行いによって、自ら破滅を招くことのたとえ。 「紙子」は、渋柿を塗った紙で仕立てた衣服。 紙の服を着て川の中へ入るという無謀なことをいう。
裃を着た盗人(かみしもをきたぬすびと)
役人でありながら私腹を肥やす者のたとえ。
裃を着る(かみしもをきる)
礼儀正しさが、かえって堅苦しくなること。言動が堅苦しいさま。 「裃」は、江戸時代の武士の正装。
神は正直の頭に宿る(かみはしょうじきのこうべにやどる)
正直で誠実な人には必ず神の助けがあるということ。
鴨の水搔き(かものみずかき)
気楽そうに見えても、人知れぬ苦労があることのたとえ。のんびりと浮かんでいるように見える鴨も、水の中では絶えず足で水を掻いていることから。
芥子は気短に搔かせろ(からしはきみじかにかかせろ)
からしは手早くかかないと辛みがぬけるので、気の短い者に勢いよくかかせろということ。
借りてきた猫(かりてきたねこ)
ふだんと違って非常におとなしいようす。ねずみを捕らせるために他人の家から借りた猫は、おとなしく小さくなっていることから。
借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔顔(かりるときのじぞうがお、かえすときのえんまがお)
お金を借りる時は地蔵菩薩のようにやさしい顔をするが、返す時は閻魔大王のような不機嫌な顔をするということ。
枯れ木も山の賑わい(かれきもやまのにぎわい)
つまらないものでも、ないよりはあったほうがましだというたとえ。枯れ木でもいくらかは山に風情を添えるという意で、自分のことをへりくだって言う言葉。
皮切りの一灸(かわきりのひとひ)
なんでも最初は苦しいものだというたとえ。一番初めにすえる灸が、ひどく熱いと感じられることから。
渇きを覚える(かわきをおぼえる)
欲望を無性に充足させたいと思う気持ちが募ること。 喉が渇いて水を飲みたいと感じるとの意から。
皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る(かわをきらせてにくをきり、にくをきらせてほねをきる)
自分自身も犠牲を払いながら、相手にはより大きな打撃を与えることのたとえ。 「肉を斬らせて骨を斬る」「肉を切らせて骨を断つ」などともいう。
勘気に触れる(かんきにふれる)
主君や親など、目上の者から咎められること。
感極まる(かんきわまる)
非常に感動し、胸がいっぱいになること。
間隙を生じる(かんげきをしょうじる)
人間関係が悪化すること。 互いのあいだに隙間ができる意から。
間隙を縫う(かんげきをぬう)
わずかな隙間や暇を見つけ、何かを行うこと。
嚙んで吐き出すよう(かんではきだすよう)
怒りや不快な気持ちを抑えきれず、無愛想にものをいう様子のたとえ。
堪忍袋の緒が切れる(かんにんぶくろのおがきれる)
もうこれ以上我慢できなくなり、怒りを爆発させることのたとえ。 「堪忍袋」は、辛抱できる心の広さを袋にたとえた言葉。 「堪忍袋の緒を切らす」「堪忍袋の口を開ける」ともいう。
看板に傷が付く(かんばんにきずがつく)
店などの信用や評判が落ちること。
完膚無きまで(かんぷなきまで)
徹底的に打ちのめすさま。 「完膚」は無傷の皮膚。
完璧(かんぺき)
欠点がまったくなく完全なこと。「璧」は宝玉をあらわし、きずのない宝玉の意から。
歓楽極まりて哀情多し(かんらくきわまりてあいじょうおおし)
喜びや楽しみが極まると、あとは悲しみの情が生じるということ。
還暦(かんれき)
数え年六十一歳のこと。六十年で再び生まれた年の干支に還ることから。 「本卦還り」ともいう。
歓を極める(かんをきわめる)
大いに楽しんだり、喜んだりすること。 「歓を極める」ともいう。
蓋世の気(がいせいのき)
意気がきわめて盛んなこと。「蓋」は覆い隠すという意。世の中を覆い尽くすほどの意気が旺盛だということから。
餓鬼に苧殻(がきにおがら)
まったく頼りにならないことのたとえ。「餓鬼」は餓鬼道におち飢えと渇きに苦しんでいる亡者、「苧殻」は皮をはいだ麻の茎。やせおとろえた餓鬼に苧殻を持たせても何の役にも立たないことから。
餓鬼の断食(がきのだんじき)
あたりまえのことなのに、特別なことをするかのように言い、うわべを繕うことのたとえ。「餓鬼」は餓鬼道におち飢えと渇きに苦しんでいる亡者。飢えのために断食状態にある餓鬼が断食をしていると言い立てる意から。
餓鬼の花争い(がきのはなあらそい)
貧しい者が生活に関係ない趣味に熱中するたとえ。「餓鬼」は餓鬼道におち飢えと渇きに苦しんでいる亡者。餓鬼が食べられない花のことで争うことから。
餓鬼の目に水見えず(がきのめにみずみえず)
熱心になりすぎて捜し求めるものが身近にあっても気がつかないたとえ。「餓鬼」は餓鬼道におち飢えと渇きに苦しんでいる亡者。餓鬼は喉の渇きに苦しむあまり、近くにある水に気がつかない意から。
餓鬼も人数(がきもにんずう)
力の弱い者でも多数集まればあなどりがたい力になるということ。「餓鬼」は子どもを罵って言う言葉から転じて弱い者という意。
画餅に帰す(がべいにきす)
計画したことが失敗に終わることのたとえ。 「画餅」は絵に書いた餅のことで、実際には食べられないとの意から。
気合が入る(きあいがはいる)
ある物事に全力で取り組もうとする気力がわいている様子。 「気合が掛かる」ともいう。
気合を入れる(きあいをいれる)
精神を集中して力をこめること。 また、叱ったり励ましの言葉をかけたりして発奮させること。 「気合を掛ける」ともいう。
聞いた事は聞き捨て(きいたことはききすて)
人から聞いた事は、その場かぎりの話として聞き捨てるのがよいということ。 人から聞いた話を、面白半分に他の人にしゃべるなということ。
聞いた百文より見た一文(きいたひゃくもんよりみたいちもん)
人から百文の値打ちと聞かされるよりも、自分の目で見たほうが値打ちがあるということ。
利いた風(きいたふう)
よく知らないのに、知ったかぶって生意気な素振りをするさま。
聞いて呆れる(きいてあきれる)
言うことと実情がかけ離れすぎていて、まともに聞いていられない気持ちになること。
聞いて極楽、見て地獄(きいてごくらく、みてじごく)
話に聞くのと実際に見るのでは大差があるというたとえ。
聞いてびっくり、見てびっくり(きいてびっくり、みてびっくり)
聞かされた話が意外であることにびっくりし、実際に見てみると聞いた話とまったく違うので、またびっくりすること。