「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2360 件
頭押さえりゃ尻上がる(あたまおさえりゃしりあがる)
両方うまくはいかないということ。頭を押さえれば尻が持ち上げるように、一方がうまくいけば、もう片方がうまくいかなくなるということから。
頭から湯気を立てる(あたまからゆげをたてる)
激怒するようす。かんかんになって怒るようす。
頭が切れる(あたまがきれる)
頭の回転が速く、物事に対して的確な対処ができるさま。
頭が下がる(あたまがさがる)
相手の人がらや行いが立派で、感心すること。心から敬服すること。
頭が古い(あたまがふるい)
物事に対する考え方や価値観が、古臭く時代遅れであること。
頭が割れるよう(あたまがわれるよう)
頭痛がひどいことのたとえ。
頭剃るより心を剃れ(あたまそるよりこころをそれ)
外見より精神が大事だということ。 頭を剃って姿だけ僧になるより、まず心を清浄せよということ。
頭に入れる(あたまにいれる)
しっかりと理解して、記憶にとどめること。
頭に来る(あたまにくる)
怒る。かっとなる。
頭に血が上る(あたまにちがのぼる)
感情がたかぶって冷静な判断ができなくなる。かっとなる。
頭を痛める(あたまをいためる)
ある物事について、心配したり思い悩んだりする。
頭を抱える(あたまをかかえる)
心配事や悩み事について、良い解決策が見つからずに苦しむ。困り果てる。
頭を切り替える(あたまをきりかえる)
それまでの考え方から離れて、別の考え方や手法に改める。
頭を下げる(あたまをさげる)
謝ること。お辞儀をすること。また、感服すること。尊敬すること。
頭を絞る(あたまをしぼる)
よい方法や意見などが思いつくように、一生懸命考え抜くこと。
頭を撥ねる(あたまをはねる)
他人の利益の一部をかすめとって、自分のものにする。
頭を捻る(あたまをひねる)
よいやり方を工夫したり、物事の対処のためにいろいろと考えたりすること。
頭を丸める(あたまをまるめる)
髪の毛を剃って、丸坊主にする。転じて、出家すること。
頭を擡げる(あたまをもたげる)
今まで意識していなかった考えや思いが浮かんでくること。 また、少しずつ力をつけて、実力を示すようになること。台頭する。
新しい酒を古い革袋に盛る(あたらしいさけをふるいかわぶくろにもる)
新しい内容を古い形式にはめ込むこと。多く内容も形式とが、ともに生かされないことにいう。
当たりを付ける(あたりをつける)
おおよその結果・程度について予測をすること。
当たりを取る(あたりをとる)
興行や商売などが成功する。好評を博する。
当たるも八卦、当たらぬも八卦(あたるもはっけ、あたらぬもはっけ)
占いは当たることもあれば、当たらない場合もある。占いの結果をあまり気にするなということ。「八卦」は易占いのこと。
当たるを幸い(あたるをさいわい)
手当たり次第に。片っ端から。何でもかんでも。
仇も情けも我が身より出る(あだもなさけもわがみよりでる)
人から憎まれたり愛されたりするのは、自分の心がけや行いによるということ。
仇を恩で報ずる(あだをおんでほうずる)
憎むべき相手を憎まずに、かえってその人に情けをかけること。
悪貨は良貨を駆逐する(あっかはりょうかをくちくする)
質の異なる貨幣が同一の価値を持って流通している場合、良質の貨幣は貯蔵・溶解などで市場から姿を消し、悪貨のみが流通するようになるという「グレシャムの法則」のこと。グレシャムは16世紀のイギリスの財政家。
呆気に取られる(あっけにとられる)
思いがけないことに出くわして、驚きあきれる。
あっと言わせる(あっといわせる)
想像もしていないような意外なことをして、周囲の人を驚かせたり、感心させたりする。
熱くなる(あつくなる)
一つのことに熱中して、他のことを忘れる。特に、異性に夢中になることについていう。 また、熱中するあまり、感情が高ぶって腹を立てる。かっとなる。
暑さ忘れれば陰忘れる(あつさわすれればかげわすれる)
苦しい時が過ぎると、助けてくれた人の恩をとかく忘れがちになるということ。 暑さが過ぎると、涼しい物陰のありがたみを忘れてしまうとの意から。
圧力を掛ける(あつりょくをかける)
権力や財力などで威圧して、相手を自分の意のままに従わせようとする。
当てが外れる(あてがはずれる)
期待や予想とは異なった結果になること。
当て事と越中褌は向こうから外れる(あてごととえっちゅうふんどしはむこうからはずれる)
当てにしていた事は相手の都合で外れることが多いことのたとえ。 「当て事」は当てにしている事。 「向こう」は身体の前、また、相手のこと。 越中褌が身体の前から外れやすいのと同じように、当てにしていた事は向こうから外れることが多いということ。 「当て事は向こうから外れる」「当て事と畚褌は先から外れる」ともいう。
後足で砂をかける(あとあしですなをかける)
去り際に迷惑をかけたり、裏切ったりすることのたとえ。 犬などが糞をしたあとに、後ろ足で砂を蹴散らすようすから。
後味が悪い(あとあじがわるい)
物事が済んだ後に、後悔や不快感が残るさま。 飲食の後に口の中にいやな味が残ることから。
後押しをする(あとおしをする)
物事が順調に進むように、わきから援助すること。
後から剝げる正月言葉(あとからはげるしょうがつことば)
上品ぶった言葉や、うわべだけ飾った体裁だけのお世辞は、すぐに化けの皮がはがれるということ。「正月言葉」は正月に使う体裁ぶった言葉の意で、上品ぶった使いなれない言葉のこと。
後釜に据える(あとがまにすえる)
前任者がその地位や職務を退いて、誰かに受け継がせること。 「後釜」は、かまどの残り火が消えないうちにかける、次の釜のこと。
後釜に座る(あとがまにすわる)
前任者が地位や職務を退いた後、それを受け継ぐこと。 「後釜」は、かまどの残り火が消えないうちにかける、次の釜のこと。
後口が悪い(あとくちがわるい)
物事が済んだ後に、後悔や不快感が残るさま。 飲食の後に口の中にいやな味が残ることから。
後先になる(あとさきになる)
後のものが先になり、先のものが後になること。物事の順序が逆になること。
後の雁が先になる(あとのかりがさきになる)
後から来た者が、先の者を追い抜いてしまうこと。また、年上の者より年下の者が先に死んだ時にも使う。列をなして飛ぶ雁行のようすから。「雁」は「がん」とも読む。
後の喧嘩、先でする(あとのけんか、さきでする)
あとからもめ事が起こらないように、事前によく話し合いをしておくべきだということ。 あとで喧嘩をすることがないように、先に喧嘩しておけとの意から。
後腹が病める(あとばらがやめる)
物事が終わったあとにも、出費がかさんだり、障害が生じたりして苦しむこと。 「後腹」は産後の腹痛のこと。 物事が落ち着いた後の出費や障害を、産後の腹痛にたとえた言葉。
アドバルーンを揚げる(あどばるーんをあげる)
意図的に情報の一部を流して、世間の反響や相手の出方を見ること。
穴の開くほど見る(あなのあくほどみる)
何かをじっと見つめるさま。
穴の貉を値段する(あなのむじなをねだんする)
あてにならない事をあてにする愚かさをいうことば。 捕まえる前から穴の中の貉の値段を考えることから。
穴をあける(あなをあける)
金を使い込んだり、損失を生じさせたりすること。 また、物事が予定通り進まず空白の状態にしてしまうこと。
穴を埋める(あなをうめる)
欠損を補う。特に、金銭や人員を補充すること。
穴を掘って言い入れる(あなをほっていいいれる)
人に言えない悲しいこと悔しいことを、穴を掘って思いっきり言えば、気持ちが楽になるということ。
家鴨も鴨の気位(あひるもかものきぐらい)
それほどでもない者が、高い気位を持っていることのたとえ。 姿のよくない家鴨が、鴨の気位を持つことから。
危ない橋を渡る(あぶないはしをわたる)
危険な手段をとることのたとえ。 いまにも落ちそうな危険な橋を渡ることから。
油が切れる(あぶらがきれる)
元気がなくなり、体力や気力が続かなくなること。 機械の油がなくなってきて、正常に動かなくなるとの意から。 「ガソリンが切れる」ともいう。
脂が乗る(あぶらがのる)
魚などに脂肪がついておいしくなること。また、仕事などがおもしろくなり、調子が出ること。
油を売る(あぶらをうる)
無駄話などをして仕事を怠けること。江戸時代の髪油売りが、客相手に世間話をしながら商売をすることが多かったことから。
油を絞る(あぶらをしぼる)
過ちや失敗を厳しく責め立てること。昔、材料を搾木にかけて油を絞り取っていたことから。
甘い汁を吸う(あまいしるをすう)
自分は苦労しないで、他人の働きによる利益を自分のものにすること。
甘く見る(あまくみる)
たいしたことはないと軽く見て、あなどる。
余り物には福がある(あまりものにはふくがある)
最後まで残っている物の中には、思いがけずよいものがあるということ。
阿弥陀も銭で光る(あみだもぜにでひかる)
金の力は絶大だというたとえ。阿弥陀仏の御利益も供える金の多少に影響されるということから。
網にかかるは雑魚ばかり(あみにかかるはざこばかり)
悪事をはたらいても捕まるのは小物ばかりで、大物は巧みに逃げてなかなか捕まらないということ。
網の目に風たまる(あみのめにかぜたまる)
ありえないことのたとえ。 網の目を通り抜けるはずの風が網にたまるとの意から。
網の目を潜る(あみのめをくぐる)
捜査網や監視から巧みに逃れる。 また、法律や規則の盲点を突いて悪事をはたらく。
網を張る(あみをはる)
犯人や目当てのものをとらえるために、準備して待ち構えること。
雨の降る日は天気が悪い(あめのふるひはてんきがわるい)
あたりまえのこと、わかりきったことのたとえ。
雨晴れて笠を忘れる(あめはれてかさをわすれる)
苦しみが過ぎれば、すぐに受けた恩を忘れてしまうことのたとえ。雨がやむと、役に立った笠のことを忘れることから。
雨降って地固まる(あめふってじかたまる)
もめごとが解決したあとに、物事が前の状態より良くなること。
飴をしゃぶらせる(あめをしゃぶらせる)
うまいことを言って、相手を喜ばせ乗り気にさせること。また、大きく儲けるために、相手に少し儲けさせること。
危うきこと累卵の如し(あやうきことるいらんのごとし)
きわめて不安定で危険な状態のたとえ。 「累卵」は積み重ねた卵のことで、いつ崩れるかわからないことから。
過ちて改めざる是を過ちと謂う(あやまちてあらためざるこれをあやまちという)
人は過ちを犯したらすぐに反省して改めるべきであり、過ちを犯して改めようとしないことが本当の過ちであるということ。 「過ちを改めざる是を過ちと謂う」ともいう。
過ちては改むるに憚ること勿れ(あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ)
過ちを犯したことに気がついたら、体面や体裁などにとらわれず、すぐに改めるべきだという戒め。
過ちを文る(あやまちをかざる)
過ちを取り繕うために、あれこれ言い訳をしてごまかそうとすること。「文る」は飾るで、取り繕うという意。
過ちを観て仁を知る(あやまちをみてじんをしる)
人の過ちの種類を観察することによって、その人の人柄がわかるということ。
過つは人の性、許すは神の心(あやまつはひとのさが、ゆるすはかみのこころ)
人は誰でも過ちを犯すものなので、むやみに人を責めてはいけないということ。 「過ちは人の常、許すは神の業」ともいう。
新たに沐する者は必ず冠を弾く(あらたにもくするものはかならずかんむりをはじく)
潔白な人ほど自分の身を汚すおそれのあるものを避けるということ。 「沐」は髪を洗うこと。 髪を洗ったばかりの人は、必ず冠のちりを払ってから頭にのせるとの意から。
荒波に揉まれる(あらなみにもまれる)
世間の厳しい現実の中で、さまざまな苦労を重ねること。
蟻の穴から堤も崩れる(ありのあなからつつみもくずれる)
ちょっとした油断・不注意から大事が起こることのたとえ。 蟻の穴を見過ごしたために堤防が崩れることもあるとの意から。
蟻の思いも天に昇る(ありのおもいもてんにのぼる)
弱小な者でも懸命に努力すれば、希望を叶えることができるというたとえ。 蟻のように小さなものでも、一心に努力すれば願いは天に達するとの意から。 「蟻の思いも天に昇る」ともいう。
蟻の這い出る隙もない(ありのはいでるすきもない)
蟻が這い出て逃げ出す隙間もないほど警戒が厳しいようす。