「かみ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「かみ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 75 件
商人の嘘は神もお許し(あきんどのうそはかみもおゆるし)
商人が商売上の駆け引きで嘘をつくのは、神様もやむを得ないとお許しになるということ。
欠伸を嚙み殺す(あくびをかみころす)
退屈なことを嫌々ながら続けること。我慢をすること。 出かかったあくびを、口を閉じて無理やり我慢することから。
過つは人の性、許すは神の心(あやまつはひとのさが、ゆるすはかみのこころ)
人は誰でも過ちを犯すものなので、むやみに人を責めてはいけないということ。 「過ちは人の常、許すは神の業」ともいう。
石に裃(いしにかみしも)
硬い石に裃を着せたように、堅苦しい人のたとえ。また、そういう様子のこと。「裃」は江戸時代の武士の礼服。
一髪、二化粧、三衣装(いちかみ、にけしょう、さんいしょう)
女性を美しく見せるのは、第一は髪かたちの美しさ、二番目は化粧、三番目が衣装だということ。
一枚の紙にも裏表(いちまいのかみにもうらおもて)
紙にも裏表があるように何事にも裏表があるということ。
祈らずとても神や守らん(いのらずとてもかみやまもらん)
行いが正しく慎み深ければ、ことさら神に祈らなくても自然に神の加護があるものだということ。 菅原道真の作といわれる「心だに誠の道に叶いなば祈らずとても神や守らん」より出た言葉。
兎も七日なぶれば噛みつく(うさぎもなぬかなぶればかみつく)
おとなしい人でも、たびたび辱めを受けるとついには怒るというたとえ。おとなしい兎でも七日もいじめられればついには噛みつくというたとえ。
狼に衣(おおかみにころも)
まるで僧衣をまとった狼のように、慈悲深い善人のようにみせかけて内面は恐ろしいことのたとえ。 「狼が衣を着たよう」ともいう。
大摑みより小摑み(おおづかみよりこづかみ)
一度に大儲けしようとするより、少しずつ確実に儲けていくほうが、結果的には成功するということ。
臆病の神降ろし(おくびょうのかみおろし)
臆病な者が神々に祈って加護を求めること。「神降ろし」は巫女などが神霊を呼び招く行為。
送り狼(おくりおおかみ)
親切を装って女性を送るふりをして、途中で乱暴をはたらこうとする男のこと。夜中の山道などで人のあとをつけ、隙をみて襲おうとする狼(もしくは犬)に由来する。
御神酒上がらぬ神はない(おみきあがらぬかみはない)
神様でさえお酒を召し上がるのだから、人間が酒を飲むのは当たり前だということ。 酒飲みが飲酒することの自己弁護に使う言葉。 「御神酒」は、神前に供える酒のこと。
女の髪の毛には大象も繋がる(おんなのかみのけにはたいぞうもつながる)
女の魅力には、男の心を引きつける強い力があるというたとえ。女の髪の毛で足を繋がれて動けなくなった大きな象を、煩悩にとらわれて悟れない人にたとえた仏教の経典から。
女は衣装髪かたち(おんなはいしょうかみかたち)
女は着る物と髪かたちによって見違えるほど美しくなれる。女にとって着る物と髪かたちはとても大切なものだということ。
風上にも置けない(かざかみにもおけない)
性質や行動が下品で卑劣な人間をののしっていう言葉。 悪臭のある物は臭くて困るので、風上に置くわけにはいかないとの意から。 「風上に置けない」ともいう。
風に櫛り雨に沐う(かぜにくしけずりあめにかみあらう)
風雨にさらされて苦労することのたとえ。 風で髪をとかし、雨で体を洗うことから。 「櫛風沐雨」ともいう。
叶わぬ時の神頼み(かなわぬときのかみだのみ)
普段は信仰心を持たない者が、事が叶わない時だけ、神様に祈って助けてもらおうとすること。
噛み合う犬は呼び難し(かみあういぬはよびがたし)
何かに熱中していると、他から何を言われても耳に入らないことのたとえ。 いくら呼んでも、夢中で噛み合っている犬の耳には入らないとの意から。
神掛けて(かみかけて)
神様に誓って。 自分の言動などに偽りがないことを強調するときに言う言葉。
紙子着て川へはまる(かみこきてかわへはまる)
軽率な行いによって、自ら破滅を招くことのたとえ。 「紙子」は、渋柿を塗った紙で仕立てた衣服。 紙の服を着て川の中へ入るという無謀なことをいう。
神様にも祝詞(かみさまにものりと)
わかりきったことでも、黙っていては相手に通じないので、口に出して言うほうがよいというたとえ。 いくら神様でも、お祈りの言葉を聞かなければその人の願いは分からないとの意から。
裃を着た盗人(かみしもをきたぬすびと)
役人でありながら私腹を肥やす者のたとえ。
裃を着る(かみしもをきる)
礼儀正しさが、かえって堅苦しくなること。言動が堅苦しいさま。 「裃」は、江戸時代の武士の正装。
裃を脱ぐ(かみしもをぬぐ)
相手に対する警戒心がなくなり、気楽に打ち解けた態度をとること。 「裃」は、江戸時代の武士の正装。
剃刀の刃を渡る(かみそりのはをわたる)
非常に危険で、失敗したら身を損ない兼ねない行動をすること。
神ならぬ身(かみならぬみ)
全知全能の神ではない我が身。人間の能力には限界があるということ。
雷が落ちる(かみなりがおちる)
目上の人からひどく叱られること。
髪の毛を逆立てる(かみのけをさかだてる)
はげしく怒るさま。
神は正直の頭に宿る(かみはしょうじきのこうべにやどる)
正直で誠実な人には必ず神の助けがあるということ。
神は非礼を受けず(かみはひれいをうけず)
礼にはずれたことを願っても、神は聞き届けてはくれないということ。
神は自ら助くる者を助く(かみはみずからたすくるものをたすく)
天は、人に頼らず自ら努力する者に力を貸し、幸福を与えるということ。 「神は自ら助くる者を助く」ともいう。
神は見通し(かみはみとおし)
神様は人々のどんなに小さい行為でも見抜いているので誤魔化すことはできないということ。 「神様はお見通し」「天道様はお見通し」「天は見通し」「神仏は見通し」「仏は見通し」などともいう。
紙一重の差(かみひとえのさ)
差が極めてわずかなこと。 単に「紙一重」ともいう。
神も仏もない(かみもほとけもない)
困難な状況から救ってくれる神様も仏様もいないと嘆いていう言葉。
髪結い髪結わず(かみゆいかみゆわず)
日頃から仕事で使用しているものは、自分のためには使用しないということ。 また、他人の面倒を見るばかりで、自分のことには手が回らないこと。 「駕籠舁き」は、駕籠に人を乗せて運ぶことを職業にしている人。 駕籠舁きは、自分の駕籠には乗らないとの意から。
髪結いの亭主(かみゆいのていしゅ)
妻の稼ぎで養われている男のたとえ。 髪結いの女房をもつと、その稼ぎで、働かずに遊んで暮らせる意から。
髪を下ろす(かみをおろす)
頭髪を剃り落として尼僧になること。 「頭を下ろす」ともいう。
口先の裃(くちさきのかみしも)
言葉はていねいで相手をうやまっているように見えるが、実はうわべだけで誠意がないこと。
苦しい時の神頼み(くるしいときのかみだのみ)
信仰心のない者が、苦しい時だけ神に祈って助けてもらおうとすること。
志は髪の筋(こころざしはかみのすじ)
どんなものでも真心をこめて贈れば、相手は誠意を汲みとってくれるものであるということ。
酒と朝寝は貧乏の近道(さけとあさねはびんぼうのちかみち)
酒を飲み過ぎ、朝寝をして怠けていれば、たちまち貧乏になってしまうということ。
薩摩守(さつまのかみ)
乗り物に無賃乗車すること。薩摩の守であった平忠度の「忠度(ただのり)」と「只乗り」をかけていったもの。
触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)
何事も関係をもたなければ、災いを招くことはないということ。 神様と関わりをもたなければ、神様の祟りを受けることはないとの意から。
下いびりの上へつらい(しもいびりのかみへつらい)
自分より下の者にいばる人間は、上の者には媚びへつらうものだということ。
正直の頭に神宿る(しょうじきのこうべにかみやどる)
正直な人には必ず神の助けがあるということ。
知らぬ神より馴染みの鬼(しらぬかみよりなじみのおに)
親しくない善良な人よりも、欠点やくせがあったとしても身近な人のほうが頼りになるというたとえ。 知らない神様より、よく知っている鬼のほうがいいとの意から。 「知らぬ仏より馴染みの鬼」ともいう。
地震、雷、火事、親父(じしん、かみなり、かじ、おやじ)
世の中で恐ろしいとされているものを、こわいもの順に並べた言葉。
酸いも甘いも噛み分ける(すいもあまいもかみわける)
経験が豊かで、世間の事情も人の心の繊細さも知り尽くしていること。 酸っぱい物と甘い物を区別して味わい、いい点と悪い点をよく知っているとの意から。 「酸いも甘いも知っている」「酸いも甘いも知り抜く」ともいう。
捨てる神あれば拾う神あり(すてるかみあればひろうかみあり)
人から見捨てられることもあれば、親切に助けてくれる人もいる。たとえ不運なことがあっても、くよくよするなということ。 「捨てる神あれば助ける神あり」ともいう。
前門の虎、後門の狼(ぜんもんのとら、こうもんのおおかみ)
一つの災いを逃れても、さらにまた別の災難に見舞われることのたとえ。 前門で虎の侵入を防いだと思ったら、すでに後門に狼が入っていたとの意から。 「前門に虎を防ぎ後門に狼を進む」ともいう。
高みに土盛る(たかみにつちもる)
無駄な骨折りのたとえ。十分高い所に、さらに土を盛り上げるということから。「高み」は、高い所の意。
高みの見物(たかみのけんぶつ)
高い所から下の騒ぎを見物するように、第三者の立場から、事の成り行きを興味本位に傍観すること。「高み」は、高い所の意。
たとえ火の中水の中(たとえひのなかみずのなか)
どんなに大変な目に遭ってもかまわないということ。
民の声は神の声(たみのこえはかみのこえ)
民衆の言うことは真理であり、神の言葉に等しい。為政者は世論に耳を傾けるべきであるということ。イギリスの神学者アルクインの書簡にある言葉。
知恵ない神に知恵付ける(ちえないかみにちえつける)
気付かずにいた人に、よけいな入れ知恵をするというたとえ。
近道は遠道(ちかみちはとおみち)
近道は危険だったり悪路だったりして結局時間がかかることがある。物事も一見回り道のように見えても安全で確実な道を選ぶほうがいいということ。
摑み所がない(つかみどころがない)
そのもののを理解したり判断したりするための手掛かりがないこと。
唐紙、唐紙、仮名で書け(とうし、からかみ、かなでかけ)
「唐紙」を「とうし」と読めば書画用の紙、「からかみ」と読めば襖(ふすま)のこと。このように読み方で意味の変わることばは仮名で書いたほうがよいということ。
遠道は近道(とおみちはちかみち)
危険な近道を行くより、一見遠回りのようでも安全で確実な道を行くほうが早く着く。物事も焦らずじっくり行うほうが早く目的を遂げられるというたとえ。
所の神様ありがたからず(ところのかみさまありがたからず)
自分の身近にあり、よく知っているものは、そのありがたみが薄いというたとえ。
苦虫を噛み潰したよう(にがむしをかみつぶしたよう)
ひどく苦々しい表情のたとえ。「苦虫」は、噛めばさぞかし苦いだろうと想像される虫のこと。
女房は山の神百国の位(にょうぼうはやまのかみひゃっこくのくらい)
女房はきわめて大切なものであるというたとえ。
糠味噌が腐る(ぬかみそがくさる)
調子外れの下手な歌いぶりをからかうことば。
糠味噌臭い(ぬかみそくさい)
家事に追われて所帯じみている。
人衆ければ則ち狼を食らう(ひとおおければすなわちおおかみをくらう)
多数の力が強大であることのたとえ。 人数が多ければ、一人では到底勝てない狼をも倒して食ってしまうとの意から。
人噛み馬にも合い口(ひとかみうまにもあいくち)
乱暴者にも頭の上がらない相手や気の合った者がいるように、どんな人間にもその人に合った相手がいることのたとえ。 人に噛み付く癖のある馬でも、相性のいい乗り手に対してはおとなしいことから。 「人噛み馬にも合い口」「人食らい馬にも合い口」ともいう。
人盛んにして神祟らず(ひとさかんにしてかみたたらず)
人の運勢が盛んな時は、神仏でもこれをとどめることが出来ないということ。
吠える犬はめったに噛みつかない(ほえるいぬはめったにかみつかない)
虚勢を張って強そうなことを言う者にかぎって実力がないというたとえ。
北国の雷(ほっこくのかみなり)
着の身着のままの状態をしゃれていう言葉。「北国に鳴る雷」の「北鳴り」と「着たなり」を掛けたもの。
仏千人、神千人(ほとけせんにん、かみせんにん)
世の中には悪い人間もいるが、仏や神のようなよい人間もたくさんいるということ。
仏ほっとけ神構うな(ほとけほっとけかみかまうな)
信心も信仰も度が過ぎないほうがいいということ。「仏」と「ほっとけ」、「神」と「かまうな」と語呂合わせして調子よくいった言葉。
三つ子に剃刀(みつごにかみそり)
非常に危険なことのたとえ。 「三つ子」は、三歳児のこと。 三歳児ほどの幼い子に剃刀を持たせるとの意から。
世の中は三日見ぬ間の桜かな(よのなかはみっかみぬまのさくらかな)
桜の花があっという間に散ってしまうように、世間の移り変わりは激しいものだということ。 もとは江戸時代の俳人大島蓼太の句「世の中は三日見ぬ間に桜かな」から。 この句は「桜が散ってしまうこと」ではなく「桜が咲きそろうこと」を詠んだもの。 単に「三日見ぬ間の桜」ともいう。
弱みに付け込む風邪の神(よわみにつけこむかぜのかみ)
悪いことが重なることのたとえ。
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