「き」を含む故事・ことわざ・慣用句
「き」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1423 件
柳に雪折れなし(やなぎにゆきおれなし)
一見弱そうに見えても、柔らかいものは堅いものよりも耐久力があるということのたとえ。 柳の枝はしなやかに曲がるので、雪が積もっても折れることがないとの意から。 「柳の枝に雪折れはなし」「柳に風折れなし」ともいう。
病は気から(やまいはきから)
病気は心の持ち方しだいで良くも悪くもなるということ。
山高きが故に貴からず(やまたかきがゆえにたっとからず)
外観がよくても、内容が伴わなければ立派とはいえないということ。物事は見かけだけで判断してはいけないというたとえ。
山の芋を蒲焼にする(やまのいもをかばやきにする)
あまりにも早計な行為のたとえ。 [[蕪は鶉となり、山芋は鰻となる*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/4562.php]](起こるはずのないことが時には起こることのたとえ)という言葉でたとえとして用いられている山芋がまだ鰻にもなっていないのに蒲焼にしようとすることから。
山より大きな猪は出ぬ(やまよりおおきないのししはでぬ)
入れ物よりも大きな中身などあり得ないというたとえ。また、大げさな言い方もほどほどにしろということ。 いくら大きな猪でも、山より大きい猪はいないとの意から。
闇夜に烏、雪に鷺(やみよにからす、ゆきにさぎ)
まわりとよく似ていて、はっきりと区別がつかないことのたとえ。 「闇に烏」ともいう。
闇夜の錦(やみよのにしき)
何の役にも立たない無駄なことのたとえ。 闇夜に美しい錦の着物を着ても誰にも見えないことから。 「夜の錦」ともいう。
憂患に生き安楽に死す(ゆうかんにいきあんらくにしす)
人は心配事がある時は心をいため、命を守る努力をするが、憂いがなくなると心がゆるみ、思わぬ死を招くこともあるということ。
融通が利く(ゆうずうがきく)
状況に応じた適切な対応や処理ができること。
雄弁は銀、沈黙は金(ゆうべんはぎん、ちんもくはきん)
一生懸命に力をつくして述べることにも価値があるが、黙っているほうがさらに有益な場合があるということ。 雄弁は銀の価値、沈黙は金の価値であるという意。 「沈黙は金、雄弁は銀」ともいう。
行き大名の帰り乞食(ゆきだいみょうのかえりこじき)
はじめに無計画に金を使い、あとでどうにもならなくなること。 旅に出て、行きは大名のように贅沢に金を使い、帰りは旅費が足りなくなり乞食のようなみじめな思いをするとの意から。
雪と墨(ゆきとすみ)
真っ白な雪と真っ黒な墨のように、正反対のものやはっきりと違うもののたとえ。 「墨と雪」ともいう。
雪に霜を加える(ゆきにしもをくわえる)
十分すぎるほどあるうえに、さらに同じようなものを加えること。 「雪に霜を加える」「雪の上に霜」ともいう。
雪の明日は裸虫の洗濯(ゆきのあしたははだかむしのせんたく)
雪の降った翌日は晴天になることが多いということ。 「裸虫」は貧しくて着る物がろくにない人のこと。 雪が降った翌日は天気が良く、貧乏人も着ていた物を脱いで洗濯するほど暖かいとの意から。
雪は豊年の瑞(ゆきはほうねんのしるし)
雪が多く降る年は、その年が豊作になる前触れだということ。「瑞」は前触れの意。
雪仏の水遊び(ゆきぼとけのみずあそび)
無謀なことをして自ら身を滅ぼすことのたとえ。 土で作られた仏が水遊びをすると溶けてしまうことから。 「土人形の水遊び」「雪仏の水遊び(日向遊び)」ともいう。
雪を欺く(ゆきをあざむく)
雪と見間違うほど、きわめて白いさま。 特に、女性の肌が白いことを言う。
柚の木に裸で登る(ゆずのきにはだかでのぼる)
非常に困難なことをすることのたとえ。とげの多い柚の木に裸で登るということから。
夢の浮橋(ゆめのうきはし)
夢のこと。また、世間が頼りなく渡りにくいこと、はかないことのたとえ。「浮橋」は水上に筏や舟を並べて、その上に板を渡した橋のこと。
夜上がり天気雨近し(よあがりてんきあめちかし)
夜のうちに雨が上がり晴れた天気は、長く続かないということ。
用ある時の地蔵顔、用なき時の閻魔顔(ようあるときのじぞうがお、ようなきときのえんまがお)
人にものを頼む時はお地蔵様のようにやさしいにこにこ顔をするが、用事がない時は閻魔様のように不機嫌な顔つきになるということ。
陽気発する処、金石も亦透る(ようきはっするところ、きんせきもまたとおる)
どんな困難なことでも、精神を集中すればできないことはないということ。 「陽気」は万物が生じて活動しようとする気。 陽気が発生すれば、金属や石のように硬いものでも貫くとの意から。
漸く佳境に入る(ようやくかきょうにいる)
次第に興味深い所に入っていくということ。また、ある状況の最盛期にもいう。
欲に頂なし(よくにいただきなし)
人間の欲望には限りがないということ。
預言者郷里に容れられず(よげんしゃきょうりにいれられず)
優れた人物であっても、身近な人には認められず尊敬されにくいということ。 すぐれた預言者も、子どもの頃からよく知っている人たちにとっては、普通の人しか思えないため尊ばれないとの意から。
余所に聞く(よそにきく)
自分には関係ない事として聞き流すこと。
因って来たる(よってきたる)
もととなる。原因となる。由来する。
世に聞こえる(よにきこえる)
広く世間に知れ渡ること。
世の中には月夜ばかりはない(よのなかにはつきよばかりはない)
いつも明るい月夜ばかりではなく、闇夜もあるから気をつけろということ。脅し文句として使われる言葉。
世の中は年中三月常月夜、嬶十七俺二十、負わず借らずに子三人(よのなかはねんじゅうさんがつじょうつきよ、かかあじゅうしちおれはたち、おわずからずにこさんにん)
世の中は、いつも三月頃の温暖な気候で、夜は明るい月夜、妻は十七歳自分は二十歳、責任も借金もなく、子どもは三人持つ暮らしが望ましいということ。江戸時代の庶民のささやかな願望をいった言葉。
宜しきを得る(よろしきをえる)
方法が適切であること。程度がちょうどよいこと。
弱き者、汝は女なり(よわきもの、なんじはおんななり)
女は心変わりしやすく、男に比べて弱い立場にあるということ。シェークスピアの戯曲「ハムレット」の中のせりふから。
楽隠居楽に苦しむ(らくいんきょらくにくるしむ)
楽隠居は何もすることがないので、かえって苦痛を感じるものである。気楽な暮らしも、毎日では暇を持て余してしまうというたとえ。
落花枝に返らず、破鏡再び照らさず(らっかえだにかえらず、はきょうふたたびてらさず)
一度こわれた男女の仲は、再びもとに戻ることはないというたとえ。散り落ちた花は再びもとの枝に返ることはなく、割れた鏡は再び物をうつすことはできない意から。
竜は一寸にして昇天の気あり(りゅうはいっすんにしてしょうてんのきあり)
すぐれた人物は幼少期からすぐれたところがあることのたとえ。 竜は一寸の大きさの頃から天に昇ろうとする気迫に満ちているということから。
竜馬の躓き(りゅうめのつまずき)
どんなにすぐれた人でも、時には失敗することもあることのたとえ。 「竜馬」とは足の速い駿馬のこと。 駿馬も躓くことがあることから。
竜を画きて狗に類す(りゅうをえがきていぬにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 「虎を描いて狗に類す」に同じ。
良禽は木を択んで棲む(りょうきんはきをえらんですむ)
賢い鳥は木を選んで巣を作るということ。賢い臣下は主君を選んで仕えるというたとえ。
良賈は深く蔵して虚しきが如し(りょうこはふかくぞうしてむなしきがごとし)
賢者は自分の才能や知識をみだりにひけらかしたりしないことのたとえ。 「良賈」はすぐれた商人の意。 すぐれた商人は商品を店の奥にしまっておくため、一見商品が乏しいように見えることから。
両方聞いて下知をなせ(りょうほうきいてげちをなせ)
争い事に判断を下す時は、両方の言い分を公平に聞いてから判断すべきだということ。「下知」は「げじ」とも言い、指図・命令の意。
悋気嫉妬は女の常(りんきしっとはおんなのつね)
女はやきもちを焼くものだということ。「悋気」はやきもちの意で「悋気」と「嫉妬」を重ねておもしろく言ったもの。
悋気せぬ女は弾まぬ鞠(りんきせぬおんなははずまぬまり)
嫉妬しない女は、まるで弾まないまりのようで、つまらないということ。「悋気」は嫉妬の意。
悋気は女の七つ道具(りんきはおんなのななつどうぐ)
やきもちは女の強力な武器だということ。「七つ道具」は武士が用いた七つの武具のこと。
悋気は恋の命(りんきはこいのいのち)
やきもちを焼くのは、恋をしている証拠で焼かれなくなったらお終いだということ。
累卵の危うき(るいらんのあやうき)
卵を積み重ねたように、非常に不安定で危険なようす。
例外のない規則はない(れいがいのないきそくはない)
どんな規則にも、それが適用しきれない事態が必ずあり、例外はつきものだということ。
礼は宜しきに随うべし、令は俗に従うべし(れいはよろしきにしたがうべし、れいはぞくにしたがうべし)
決まった形式がある礼儀も、時に応じて変えてもよい。また、法令はその土地の風俗に合うように定めるのがよいということ。
歴史は繰り返す(れきしはくりかえす)
過去に起こったことは、同じような経過をたどって、繰り返し起こるということ。
連木で腹を切る(れんぎではらをきる)
不可能なことのたとえ。 「連木」はすりこぎ(すり鉢で物をするときに用いる先の丸い棒)のこと。 すりこぎを刀のかわりにしても、腹を切ることはできないことから。
狼藉(ろうぜき)
狼が草を藉(し)いて寝た跡の乱雑なようす。転じて、物が散らかっているようす。また、乱暴な行いのたとえ。
老兵は死なず、消え去るのみ(ろうへいはしなず、きえさるのみ)
役目の終わった者は、表舞台から去るということ。敗戦後、占領指令官だったダグラス・マッカーサーが離日の際に言った言葉。
ローマにいる時はローマの人がするとおりにせよ(ろーまにいるときはろーまのひとがするとおりにせよ)
土地によって風俗や習慣が違うから、自分が住む場所のそれに合わせて生活するのが処世の手段だということ。
若い時旅をせねば老いての物語がない(わかいときたびをせねばおいてのものがたりがない)
若い時に旅をしておかなければ、年をとってから人に話す話題がないということ。
若い時の苦労は買うてもせよ(わかいときのくろうはこうてもせよ)
若い時の苦労は将来役に立つ貴重な経験となるから、自分から進んで苦労するほうがよいということ。
若い時は二度ない(わかいときはにどない)
若い時代は二度とやってこないから、何でも思い切ってやってみるのがいいということ。
我が刀で首切る(わがかたなでくびきる)
自分のおこないで自分自身が苦しむ結果になるたとえ。
我が好きを人に振る舞う(わがすきをひとにふるまう)
相手の好き嫌いを考えずに、自分の好みを人に押し付けること。
我が亡き後に洪水よ来たれ(わがなきあとにこうずいよきたれ)
自分が死んだ後なら、洪水でもなんでも来てよい。今さえよければ、あとはどうなってもかまわないということ。
我が物と思えば軽し笠の雪(わがものとおもえばかるしかさのゆき)
つらいことも苦しいことも、自分のためだと思えば苦にならないものだというたとえ。 笠に降り積もる重い雪も自分のものだと思えば軽く感じられるということ。 江戸時代の俳人、宝井其角の句「我が雪と思へば軽し笠の上」から。
脇が甘い(わきがあまい)
隙だらけで守りが弱い様子。 相撲で、脇を締める力が弱く、回しを簡単に取られるということから。
脇道に逸れる(わきみちにそれる)
話題などが本筋から外れた方向へ進んで行くこと。
脇目も振らず(わきめもふらず)
他に心を奪われず、その事だけに一生懸命に取り組んでいるさま。
笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる)
いつも明るくにこにこしている人の所には、自然に幸福が訪れてくるということ。