「っ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「っ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 667 件
人の一寸、我が一尺(ひとのいっすん、わがいっしゃく)
人の欠点は少しのことでも目につくが、自分の欠点はどんなに大きくても気がつかないというたとえ。
人を以て鑑と為す(ひとをもってかがみとなす)
他人の言葉や行動を手本にして、自分を正せということ。「鑑」は手本・模範の意。
人を以て言を廃せず(ひとをもってげんをはいせず)
どんな人の意見でも、聞くべきところがあればその意見を無視することはないということ。
陽の照っているうちに干し草を作れ(ひのてっているうちにほしくさをつくれ)
好機は逃さずに役に立てよということ。 「太陽の照っているうちに干し草を作れ」ともいう。
百害あって一利なし(ひゃくがいあっていちりなし)
弊害ばかりで利点は一つもないということ。
百尺竿頭一歩を進む(ひゃくしゃくかんとういっぽをすすむ)
目標を達成しても、さらに向上しようと努力すること。また、十分に説明をした上に、さらに一歩進めて説明すること。 百尺の竿の先端に達しても、さらに一歩進もうとするとの意から。 「百尺」は「ひゃくせき」ともいう。
百丈の木に登って一丈の枝より落つる(ひゃくじょうのきにのぼっていちじょうのえだよりおつる)
気が緩んだ時に、危険が潜んでいるから気をつけよという戒めの言葉。高い木に登った時は用心しているので落ちることはないが、低い所まで降りると油断して落ちるということから。
百日の説法、屁一つ(ひゃくにちのせっぽう、へひとつ)
長い間苦労してきたことが、わずかな失敗によって無駄になってしまうことのたとえ。 百日間も説いてきた説法も、お坊さんのおならを一つでありがたみがなくなってしまうとの意から。
百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)
人から繰り返し聞くよりも、一度でも自分の目で見たほうがよくわかるということ。 人の話を百回を聞いたところで、実際に一回見ることには及ばないとの意から。
氷山の一角(ひょうざんのいっかく)
表面に現れているのは全体のほんの一部で、大部分は隠れたままであることのたとえ。 海面上に見える氷山は、全体のうちの一部分にすぎないとの意から。
火を以て火を救う(ひをもってひをすくう)
弊害を除こうとして、かえってその弊害を大きくしてしまうことのたとえ。火は水で消すべきなのに、火を火で消そうとする意から。
貧乏は達者の基(びんぼうはたっしゃのもと)
貧乏な人は、身体を動かして一生懸命働くので丈夫で健康だということ。
ピッチを上げる(ぴっちをあげる)
仕事や作業などの速度や能率をよりよくすること。
フェニックス(ふぇにっくす)
永久不滅や蘇生の象徴とされるエジプト神話の霊鳥。または、ヤシ科の多年生観葉植物。
符節を合するが如し(ふせつをがっするがごとし)
二つのものがぴったり合うことのたとえ。 「符節」は、後日の証拠とするために、木や竹の札に文字などを書き中央に割り印を押して二つに割り、二人が一片ずつ持つようにしたもの。 その符節を合わせたように一致するとの意から。 「符節を合わすが如し」ともいう。
降って湧く(ふってわく)
物事が突然起こる。思いがけないときにあらわれる。
普天の下、率土の浜(ふてんのもと、そっとのひん)
全世界のこと。 「普天の下」は天の下、「率土の浜」は地の果てのこと。 「[[普天率土(ふてんそつど)*https://yoji.jitenon.jp/yojih/3845.html]]」ともいう。
風呂と客は立ったが良い(ふろときゃくはたったがよい)
客は長居をせずに、早く帰るほうがよいということ。客が「立つ」と風呂が「たつ」を掛けていった言葉。
踏んだり蹴ったり(ふんだりけったり)
悪いことが続けて起こる様子。
無精者の一時働き(ぶしょうもののいっときばたらき)
いつも怠けている者が、急に思い立って働いても、一時的だということ。また、そういう者をあざけっていう言葉。
兵は神速を貴ぶ(へいはしんそくをたっとぶ)
戦いで軍隊を動かす時は、迅速なことがもっとも大事なことであるということ。
下手が却って上手(へたがかえってじょうず)
下手な人は念入りに仕事をするので、かえって上手な人より立派な仕上がりになることがあるということ。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる(へたなてっぽうもかずうちゃあたる)
数多く試みれば、まぐれ当たりで成功することもあるというたとえ。 鉄砲を撃つのが下手な者でも、数多く撃てば命中することもあることから。
下手の鉄砲烏が怖じる(へたのてっぽうからすがおじる)
まともな人間は相手にしやすいが、無茶苦茶な人間は相手にしにくいということ。 下手な者の射る矢はどこへ飛ぶかわからないので避けようがないとの意から。 「狐が下手の射る矢を恐る」「下手の鉄砲烏が怖じる」ともいう。
屁の河童(へのかっぱ)
容易にできることのたとえ。また、取るに足りないことのたとえ。 「河童の屁」ともいう。 水中で放つ河童の屁には臭いや勢いがなく何とも思わないことから。また、取るに足りないものという意味の「木端(こっぱ)の火」から変化したともいわれる。
屁を放って尻窄める(へをひってしりすぼめる)
失敗を慌ててごまかしたり取り繕ったりすることのたとえ。 人前でおならをしてしまった後に、慌てて尻をすぼめるとの意から。
法あっての寺寺あっての法(ほうあってのてらてらあってのほう)
仏法があってこそ寺があり、寺があってこそ仏法も保たれるということ。持ちつ持たれつの関係にあることのたとえ。
褒姒の一笑国を傾く(ほうじのいっしょうくにをかたむく)
美女のために国が滅びること。 「褒姒」とは中国、周の幽王の后。 めったに笑わない褒姒が、手違いで上がったのろしによって諸侯が参集するのを見て笑ったため、幽王が平時にたびたびのろしを上げさせたので、本当の戦乱の時には諸侯が集まらず国が滅びたという故事から。
吠える犬はめったに噛みつかない(ほえるいぬはめったにかみつかない)
虚勢を張って強そうなことを言う者にかぎって実力がないというたとえ。
北国の雷(ほっこくのかみなり)
着の身着のままの状態をしゃれていう言葉。「北国に鳴る雷」の「北鳴り」と「着たなり」を掛けたもの。
仏造って魂入れず(ほとけつくってたましいいれず)
ほとんど仕上がっているのに、肝心な部分が抜け落ちていること。 仏像を作っても、魂を入れ忘れるとの意から。
仏ほっとけ神構うな(ほとけほっとけかみかまうな)
信心も信仰も度が過ぎないほうがいいということ。「仏」と「ほっとけ」、「神」と「かまうな」と語呂合わせして調子よくいった言葉。
骨が舎利になっても(ほねがしゃりになっても)
たとえ死んでも。どんなに辛くても。 強い決意を表す言葉。 「舎利」は火葬した後の骨のこと。
ホメロスすら時に失策を犯す(ほめろすすらときにしっさくをおかす)
どんなにすぐれた人でも、時には失敗することがあるというたとえ。 ホメロスのような大詩人でさえ、時には眠くなるような凡作を作ることがあるとの意から。 「ホーマー」はホメロスの英語名。
法螺と喇叭は大きく吹け(ほらとらっぱはおおきくふけ)
嘘をつくなら人が信じないような大ぼらを吹け。そういう嘘なら人も傷つけず、嘘だとわかっても腹も立たないということ。 「法螺」は、山伏が吹く法螺貝のことで、ここではでたらめの意。吹き鳴らす法螺貝と喇叭を調子よく並べた言葉。
棒ほど願って針ほど叶う(ぼうほどねがってはりほどかなう)
大きな望みがあっても、叶うのはごくわずかだということ。
暴を以て暴に易う(ぼうをもってぼうにかう)
暴力を取り除くために別の暴力を用いること。また、暴力に暴力で立ち向かうこと。
盆と正月が一緒に来たよう(ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう)
うれしいことが重なることのたとえ。また、非常に忙しいことのたとえ。
曲がった釜には曲がった甑(まがったかまにはまがったこしき)
どんなものにも、それにふさわしい相手や形があるというたとえ。 また、夫婦は似た者同士がつり合いがとれてうまくいくということ。 ゆがんだ釜であっても、それに合うゆがんだ甑があるとの意から。 「甑」は、釜の上にのせて穀物を蒸す道具。
幕を切って落とす(まくをきっておとす)
物事を華々しく始める。
枡で量って箕でこぼす(ますではかってみでこぼす)
苦労して蓄えたものを無駄に使い果たしてしまうことのたとえ。 「箕」は穀物をふるうための道具。 枡ではかるようにして貯めたものを、升の何倍もの大きさがある箕で一度にこぼしてしまうとの意から。
真っ赤な嘘(まっかなうそ)
まったくの嘘。
マッチポンプ(まっちぽんぷ)
自分で問題を起こして自分で解決すること。マッチで火をつけ自らポンプで消す意から。
祭りの渡った後のよう(まつりのわたったあとのよう)
にぎやかだったあと、急に静まりかえることのたとえ。にぎやかな祭りの行列が通り過ぎたあと静かになる意から。
自ら卑うすれば尚し(みずからひくうすればたっとし)
へりくだって驕らない人は他人から尊敬され、自然と尊くなるということ。
水を打ったよう(みずをうったよう)
多数の人が、いっせいに静まりかえるようす。
味噌も糞も一緒(みそもくそもいっしょ)
見た目が似ていれば、良いものも悪いものも同じように扱うこと。すべてをごちゃまぜにしてしまうこと。 「糞も味噌も一緒」「糞も味噌も一つ」ともいう。
三度肘を折って良医となる(みたびひじをおってりょういとなる)
人は多くの苦労を重ね経験を積んで、初めて円熟した人間になれるということ。 医者は自分のひじを何度も折り、苦痛や治療を経験して初めて良医になることができるとの意から。
三日にあげず(みっかにあげず)
間をおかないで。度々。 高い頻度を表す言葉。
三つ叱って五つほめ、七つ教えて子は育つ(みっつしかっていつつほめ、ななつおしえてこはそだつ)
子どもは少し叱って多くほめ、たくさん教えて育てるのがいいということ。
耳を貴び、目を賤しむ(みみをたっとび、めをいやしむ)
遠くのものを尊重して、近くのものを軽んじることのたとえ。また、昔を重んじて今を軽視することのたとえ。 人から聞いたことは信じて、自分の目で見たものは信じないとの意から。 「耳を信じて目を疑う」ともいう。
昔取った杵柄(むかしとったきねづか)
若い頃に習得した技量や腕前のこと。また、年月を経てもそれが衰えず十分に発揮できること。
椋は生っても木は榎(むくはなってもきはえのき)
道理にかなっていなくても主張を曲げないこと、また強情で人の意見に従わないことのたとえ。 榎の木を椋の木と誤り、榎の実が生った後も椋の木だと言い張ることから。 「椋の木の下にて榎の実を拾う」「椋は生っても木は榎」ともいう。
虫でも向かってくるものである(むしでもむかってくるものである)
小さく弱いものでもそれ相応の意地があるから、場合によっては強敵に立ち向かうこともある。どんな相手でもあなどってはいけないということ。
胸突き八丁(むなつきはっちょう)
山頂付近の険しく急な坂道。富士登山で、頂上までの八丁(約八七二メートル)の険しい斜面のことから。
胸が一杯になる(むねがいっぱいになる)
ある物事に感銘を受けたり悲しみを感じたりして、それ以外の事はなにも考えられなくなる様子。
無理が通れば道理引っ込む(むりがとおればどうりひっこむ)
理に合わないことが通用するような世の中では、道理にかなったことは行われなくなるということ。
目から入って耳から抜ける(めからはいってみみからぬける)
見ただけで何も覚えず、理解していないことのたとえ。
鍍金が剝げる(めっきがはげる)
表面を飾っていたものが取れ、隠されていた本当の姿や欠点があらわになる。 見せかけの良さが維持できなくなり、実態が明らかになることをいう。
滅相もない(めっそうもない)
とんでもない。あるべきことではない。
目に一丁字なし(めにいっていじなし)
まったく字が読めないこと。 「一丁字」は一つの文字のこと。 「丁」は个(か)の誤用で、「个」は人やものなどを数える語。 「一丁字を知(識)らず」ともいう。
目の前が真っ暗になる(めのまえがまっくらになる)
がっかりして、将来に対する希望を失う様子。 「目の前が真っ暗になる」ともいう。
面目を一新する(めんぼくをいっしんする)
今までの様子を改めること。
勿怪の幸い(もっけのさいわい)
思いがけない幸運のこと。「物怪の幸い」とも書く。
沐猴にして冠す(もっこうにしてかんす)
見かけは立派でも中身が愚かな者をあざけって言う言葉。 「沐猴」は猿のこと。 ある者が楚の項羽のことを「冠をかぶって気取っていても中身は猿だ」と評したという故事から。
持ったが病(もったがやまい)
持たなければ何もなかったものをなまじ持ったばっかりに、いらぬ苦労をするということ。
持って生まれた(もってうまれた)
生まれつき備わっているさま。
持って来い(もってこい)
最も適しているようす。うってつけ。
以ての外(もってのほか)
思いもよらないこと。とんでもないこと。 また、想像以上に程度がはなはだしいこと。
以て瞑すべし(もってめいすべし)
ここまでできれば、もう死んでもよい。また、満足すべきであるということ。 「瞑す」は、安らかに死ぬこと。
焼け木杭には火がつきやすい(やけぼっくいにはひがつきやすい)
一度関係のあった者は、いったん縁が切れても再び元の関係に戻りやすいというたとえ。 多くは男女の関係をいう。 「燃え杭」は燃え残りの木のことで、簡単に火がつくことから。 「焼け木杭には火がつきやすい」ともいう。
厄介になる(やっかいになる)
生活の面倒をみてもらうこと。いろいろと世話になること。
厄介払い(やっかいばらい)
何かと人に迷惑をかけていた者や面倒なことを追い払うこと。
躍起になって(やっきになって)
焦って必死になるさま。
宿取らば一に方角、二に雪隠、三に戸締り、四には火の元(やどとらばいちにほうがく、ににせっちん、さんにとじまり、しにはひのもと)
昔、旅先で宿を取る時に、確認しておくべき事柄を順序だてて並べた言葉。「雪隠」は、便所のこと。
山高きが故に貴からず(やまたかきがゆえにたっとからず)
外観がよくても、内容が伴わなければ立派とはいえないということ。物事は見かけだけで判断してはいけないというたとえ。
闇に鉄砲(やみにてっぽう)
暗闇で鉄砲を撃つということから、あてずっぽうに事を行うことのたとえ。また、やっても効果のないことのたとえ。また、まぐれで当たることについてもいう。 「闇夜に鉄砲」「闇の夜に鉄砲」「闇夜の礫」ともいう。
やらずぶったくり(やらずぶったくり)
こちらからは何も与えず、相手から取り上げるばかりである様子。
槍でも鉄砲でも持って来い(やりでもてっぽうでももってこい)
どんな手段を用いても構わないのでかかってこいの意。 固い決意をしたりやけになったりしたときにいう言葉。 「矢でも鉄砲でも持って来い」ともいう。
ゆっくり急げ(ゆっくりいそげ)
急ぐ時こそ、慎重に行動すべきだということ。