「上」を含む故事・ことわざ・慣用句
「上」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 152 件
商い上手の仕入れ下手(あきないじょうずのしいれべた)
客に物を売るのはうまいが、仕入れがへたで儲からないということ。
上げ潮に乗る(あげしおにのる)
機運が良く、物事が順調に進むこと。進展すること。
上げ膳据え膳(あげぜんすえぜん)
自分では何もしないで、すべて人にしてもらうことのたとえ。「上げ膳」は食事が済んで膳を下げること。「据え膳」は食膳を人の前に整えること。
上げたり下げたり(あげたりさげたり)
褒めたり貶したりして、本音がわからないようす。
顎が干上がる(あごがひあがる)
収入がなくなり生活に困るようす。
梓に上す(あずさにのぼす)
書物を出版すること。昔、木版印刷の版木に梓(あずさ)の木を使ったことから。 「梓」は「し」とも読む。
頭押さえりゃ尻上がる(あたまおさえりゃしりあがる)
両方うまくはいかないということ。頭を押さえれば尻が持ち上げるように、一方がうまくいけば、もう片方がうまくいかなくなるということから。
頭が上がらない(あたまがあがらない)
相手に対して負い目があったり、恩義があったりして、対等の立場で接することができないようす。
頭に血が上る(あたまにちがのぼる)
感情がたかぶって冷静な判断ができなくなる。かっとなる。
頭の上の蠅も追われぬ(あたまのうえのはえもおわれぬ)
自分自身のことさえ満足に出来ないことのたとえ。 自分の頭にたかる蠅さえ追い払えないという意味から。
頭の上の蠅を追え(あたまのうえのはえをおえ)
他人のことをとやかく言ったり世話を焼いたりする前に、まずは自分自身のことを始末しなさい、という教え。
アドバルーンを上げる(あどばるーんをあげる)
意図的に情報の一部を流して、世間の反響や相手の出方を見ること。
暗礁に乗り上げる(あんしょうにのりあげる)
思わぬ障害によって、物事の進行が阻まれることのたとえ。 「暗礁」は水面下にあって見えない岩のこと。 船が海の中の見えない岩に乗り上げて、先に進めなくなるとの意から。
鞍上人なく、鞍下馬なし(あんじょうひとなく、あんかうまなし)
乗り手が巧みに馬を乗り回し、乗り手と馬が一体となって見えるさま。乗り手と馬の呼吸が合い、鞍の上の人と鞍の下の馬が渾然一体となっている意から。
石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)
辛抱すればいつか必ず成功することのたとえ。 冷たい石の上でも、三年座り続ければ暖まるとの意から。
医者上手にかかり下手(いしゃじょうずにかかりべた)
物事はうまく行うためには相手を信用しなければならないというたとえ。 どんな名医でも、患者が信頼して従わなければ病気を治すことは出来ないとの意から。
痛い上の針(いたいうえのはり)
不運や災難にさらなる不運や災難が重なることのたとえ。 痛みがあるところに、さらに針が刺さるとの意から。
痛む上に塩を塗る(いたむうえにしおをぬる)
悪いことにさらに悪いことが重なるたとえ。 痛みがある傷口に塩を塗れば、いっそう痛くなることから。
いやが上にも(いやがうえにも)
なおいっそう。ますます。
憂いも辛いも食うての上(ういもつらいもくうてのうえ)
悲しい・辛いなどの不満は、衣食が満たされているから言える事なので、食べることさえままならない状況ではそんな事は言っていられないということ。
上に立つ(うえにたつ)
組織や集団の中で、人を統率し指導する立場にある。
上には上がある(うえにはうえがある)
最もすぐれていると思っても、さらにすぐれたものがあること。物事には限度などないということ。
上見ぬ鷲(うえみぬわし)
何者もおそれずゆったりと落ち着いている様子。また、他をはばからず傲慢にふるまうことのたとえ。鷲は強いので上空からの攻撃を警戒しなくてよいことから。
上を下への大騒ぎ(うえをしたへのおおさわぎ)
上にあるべきものが下へ、下にあるべきものが上へというような、ごった返した大騒動のこと。
上を見れば方図がない(うえをみればほうずがない)
上を見ればきりがないから、節度をわきまえよということ。「方図」は際限の意。
うだつが上がらぬ(うだつがあがらぬ)
逆境から抜け出せずに地位や生活がよくならにことのたとえ。 「うだつ」は梁の上に立てて棟木を支える短い柱のこと。 棟木に押さえられて頭が上がらない、出世できないとの意から。
腕が上がる(うでがあがる)
能力や技術が進歩すること。 また、あまり酒が飲めない人が、前よりも多く飲めるようになること。
産声を上げる(うぶごえをあげる)
赤ん坊が生まれたときに初めて声を出すこと。 転じて、物事が新たに誕生すること。
上手に出る(うわてにでる)
相手に威圧的な態度をとること。
上手を行く(うわてをいく)
能力や才知などが他の人よりすぐれていること。 他の人より悪知恵が働くといった悪い意味にも使われる。
上前を撥ねる(うわまえをはねる)
人に取り次いで渡す金銭の一部を、不当に自分のものにすること。 「上前」は「上米(うわまい)」が変化した語とされる。
易者、身の上知らず(えきしゃ、みのうえしらず)
他人のことについてはいろいろと言えても、自分のことはよくわからないことのたとえ。 「易者」は、占い師のこと。 他人の運命を占う占い師も、自分の身の上についてはわからないとの意から。
陸に上がった河童(おかにあがったかっぱ)
自分の能力やわざを発揮できる環境から離れて、力が出せず無力になるたとえ。水中では自由に活動できる河童も陸に上がれば無力であることから。
陸へ上がった河童(おかへあがったかっぱ)
環境が変わると、まったく能力が発揮出来ないことのたとえ。 水中では自由に活動できる河童も、陸上では無力であるという意味から。
屋上、屋を架す(おくじょう、おくをかす)
無駄なことをするたとえ。 屋根の上にさらに屋根を架けるとの意から。
お上手を言う(おじょうずをいう)
相手の機嫌をとるために、心にもないことを言うこと。
おだを上げる(おだをあげる)
勝手なことを言って気炎を上げること。
お手上げ(おてあげ)
解決する方法がなく、どうにもならないさま。 両手をあげて降参の意思を示すとの意から。
男を上げる(おとこをあげる)
立派な行いをして世間に認められ、男としての面目を高めること。
御神酒上がらぬ神はない(おみきあがらぬかみはない)
神様でさえお酒を召し上がるのだから、人間が酒を飲むのは当たり前だということ。 酒飲みが飲酒することの自己弁護に使う言葉。 「御神酒」は、神前に供える酒のこと。
泳ぎ上手は川で死ぬ(およぎじょうずはかわでしぬ)
自分の力を過信するあまり、得意なことで失敗してしまうことのたとえ。 泳ぎの上手な人が油断して、川で死んでしまうことがあるとの意から。
陰陽師、身の上知らず(おんようじ、みのうえしらず)
他人のことについてはいろいろと言えても、自分のことはよくわからないことのたとえ。 他人の運命を占う陰陽師も、自分の身の上についてはわからないとの意から。
蝸牛、角上の争い(かぎゅう、かくじょうのあらそい)
狭い世界でのつまらない争いのこと。 「蝸牛」はかたつむり、「角上」はつのの上のこと。 かたつむりの左の角の上にある触という国と右の角の上にある蛮という国が、領土を争ったという寓話から。 「蝸角の争い」ともいう。
覚悟の上(かくごのうえ)
何かをするにあたって、事前に心構えができている様子。
風上にも置けない(かざかみにもおけない)
性質や行動が下品で卑劣な人間をののしっていう言葉。 悪臭のある物は臭くて困るので、風上に置くわけにはいかないとの意から。 「風上に置けない」ともいう。
勝ち名乗りを上げる(かちなのりをあげる)
試合などに勝ち、勝利を宣言すること。 相撲で、行司が力士の名を呼ぶ意から。
株が上がる(かぶがあがる)
その人に対する人気や評価が高くなること。 「株を上げる」ともいう。
凱歌を上げる(がいかをあげる)
試合や戦争などの戦いに勝利して喜ぶ。 「凱歌」は、勝利を祝う歌。 「挙げる」は「上げる」「挙げる」とも書く。
気炎を上げる(きえんをあげる)
威勢のいいことを得意げに言うこと。また、意気盛んに議論を交わすこと。 「上げる」は「揚げる」とも書く。 また「気炎を吐く」ともいう。
聞き上手の話し下手(ききじょうずのはなしべた)
人の話を上手に聞く人は、自分が人に話すのは下手だということ。
机上の空論(きじょうのくうろん)
頭の中だけで考えられた、実際には役に立たない理論。
今日は人の上、明日は我が身の上(きょうはひとのうえ、あすはわがみのうえ)
他人に降りかかった不幸や苦しむ姿をみて、明日は自分に起こりえることかもしれないから用心せよ、という教え。
錦上、花を添える(きんじょう、はなをそえる)
美しいものの上に、さらに美しいものを加えること。 よいこと、めでたいことが重なることのたとえ。 美しい錦の上に、さらに美しい花を添えること。
空腹は最上のソース(くうふくはさいじょうのそーす)
空腹の時は何を食べてもおいしいということ。
口あれば京に上る(くちあればきょうにのぼる)
その気になればなんでもできるというたとえ。 口さえあれば、道を尋ねながら都まででも行くことができるという意味から。
口が干上がる(くちがひあがる)
生活が苦しくなり、食べていけなくなること。
口に上る(くちにのぼる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
口の端に上る(くちのはにのぼる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
桂馬の高上がり(けいまのたかあがり)
身分や実力に不相応な地位につくと、とかく失敗するおそれがあるということ。将棋で桂馬が進みすぎると歩に取られてしまうことがあることから。
献上の鴨(けんじょうのかも)
着物は汚くみすぼらしいが、足袋や履物だけは綺麗にしている者をののしって言うことば。 江戸時代、将軍へ鴨を献上する際に、鴨の足を白紙で包んだことから。
恋に上下の隔てなし(こいにじょうげのへだてなし)
恋愛感情を抱くのに、身分や地位などの上下は関係ないということ。
こけた上を踏まれる(こけたうえをふまれる)
不幸に見舞われている時に、さらなる不幸に見舞われること。 不幸が重なることのたとえ。 「こける」は、転ぶこと。 転んで倒れた上を踏まれるとの意から。
呱呱の声を上げる(ここのこえをあげる)
赤ん坊が生まれること。 また、物事が新たに誕生すること。 「呱呱」は、赤ん坊の泣き声。
腰を上げる(こしをあげる)
立ち上がること。または、行動を起こすこと。
小股が切れ上がる(こまたがきれあがる)
きりっと引き締まって小粋な姿をしている女性を表す言葉。
細工は流流、仕上げをご覧じろ(さいくはりゅうりゅう、しあげをごろうじろ)
仕事のやり方はいろいろあるので、途中であれこれ言わずに出来上がりを見てから評価してほしいということ。
災難なら畳の上でも死ぬ(さいなんならたたみのうえでもしぬ)
災難はいつどこで起こるかわからないということ。 安全な畳の上でも滑って転び、打ち所が悪くて死ぬことがあるとの意から。
砂上の楼閣(さじょうのろうかく)
見かけは立派だが、基礎がしっかりしていないために長く続かないことのたとえ。また、実現不可能な物事や計画のたとえ。「楼閣」は、高い建物。砂の上に経てた楼閣はすぐに倒れるということから。
仕上げが肝心(しあげがかんじん)
物事は途中よりも、最後の仕上げが大切であるということ。
下いびりの上へつらい(しもいびりのかみへつらい)
自分より下の者にいばる人間は、上の者には媚びへつらうものだということ。
祝杯を上げる(しゅくはいをあげる)
願いが叶ったり、勝負に勝ったりして喜ぶこと。祝いの席で酒を酌み交わしながら喜ぶという意味から。
食膳に上る(しょくぜんにのぼる)
食事として出ること。
諸式が上がる(しょしきがあがる)
様々なものの値段が上がること。 「諸式」は様々な品物の値段のこと。
尻を上げる(しりをあげる)
座っている所から立ち上がること。 または、訪ねている所から帰ろうとすること。
身上を潰す(しんしょうをつぶす)
持っている財産の全てを使い果たすこと。
地獄の上の一足飛び(じごくのうえのいっそくとび)
きわめて危険な行為のたとえ。
順風に帆を上げる(じゅんぷうにほをあげる)
勢いに乗って物事が順調に進むたとえ。 追い風に帆を揚げれば船は早く進むことから。 「順風に帆を上げる」ともいう。
上戸、本性違わず(じょうご、ほんしょうたがわず)
酒に酔っても、その人の本来の性質は変わらないということ。 「酒飲み」は「生酔い」「上戸」ともいう。
上戸に餅、下戸に酒(じょうごにもち、げこにさけ)
見当違いでありがた迷惑であることのたとえ。酒好きに餅、酒の飲めない人に酒を出すということから。
上戸の手弱(じょうごのてよわ)
酒好きは、酒につられることが多いので誘惑に弱く、つけ込みやすいということ。