「か」を含む故事・ことわざ・慣用句
「か」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2213 件
踵で頭痛を病む(かかとでずつうをやむ)
見当違いの心配をするたとえ。
懸かるも引くも折による(かかるもひくもおりによる)
事を始めるのも終わらせるのも時機が大事だというたとえ。
屈み女に反り男(かがみおんなにそりおとこ)
女は少しうつむき加減にしている姿が良く、男は少し胸を張った反り加減の姿が良いということ。
鏡は女の魂(かがみはおんなのたましい)
鏡は女にとって魂といえるほど大切なものだということ。
垣堅くして犬入らず(かきかたくしていぬいらず)
家庭内が健全であれば外部からこれを乱すような者が入ってくることはないということ。垣根が厳重だと犬が入ってこられないという意味から。
欠き餅と焼き餅は焼くほどよい(かきもちとやきもちはやくほどよい)
嫉妬心は少し強烈な方が効果があるということ。「欠き餅」とは、正月の餅を手で割って小さくしたもの。嫉妬する意味のやきもちと餅ををかけた言葉。
垣を作る(かきをつくる)
大勢のひとが集まって、垣根のように取り囲んだり立ち並んだりすること。 また、他者との間にはっきりした隔てをつくること。 「垣を結う」ともいう。
蝸牛、角上の争い(かぎゅう、かくじょうのあらそい)
狭い世界でのつまらない争いのこと。 「蝸牛」はかたつむり、「角上」はつのの上のこと。 かたつむりの左の角の上にある触という国と右の角の上にある蛮という国が、領土を争ったという寓話から。 「蝸角の争い」ともいう。
限りを尽くす(かぎりをつくす)
持てるかぎりのものを全て出し尽くすこと。
鍵を握る(かぎをにぎる)
ものごとの最も重要な手掛かりをもっていることのたとえ。
覚悟の上(かくごのうえ)
何かをするにあたって、事前に心構えができている様子。
核心に触れる(かくしんにふれる)
ものごとの最も重要なところに踏み込んで指摘すること。
核心を突く(かくしんをつく)
物事のもっとも重要な問題点をするどく指摘することのたとえ。
隠すより現る(かくすよりあらわる)
隠し事は隠そうとすればするほど目立って、人に知られやすくなるということ。
隔世の感(かくせいのかん)
時代がすっかり移り変わってしまったという実感のこと。
欠くべからざる(かくべからざる)
絶対に必要で無くてはならないことのたとえ。
獲麟(かくりん)
絶筆。また、物事や人生の終わりのこと。「麟」は、聖人が出現する前兆として現れると言われた中国の想像上の動物、麒麟のこと。孔子が、その著「春秋」の「西に狩りして麟を獲たり」の句で筆を絶ったところから。
隠れたるより現るるはなし(かくれたるよりあらわるるはなし)
やましいことや秘密は、隠そうとすればかえって人に知られてしまうというたとえ。
隠れての信は顕われての徳(かくれてのしんはあらわれてのとく)
心中に秘めている誠実さは、いつか自然に外にあらわれて自分自身の利得になるということ。 心中に神仏への信仰心があれば、必ずご利益があるとの意から。 「隠れたる信あらば顕われたる利生」「隠れたる信あらば顕われたる験」ともいう。
隠れ蓑にする(かくれみのにする)
正体や目的を見破られないために、代わりの何かを用いること。 「隠れ蓑」は、鬼や天狗が持つとされる蓑(衣服の上から着る雨具)で、それを身につけると姿を隠すことができることから。
隠れもない(かくれもない)
世間に広く知れわたっているさま。 また、その事実が隠そうとしても隠せないほど明白なさま。
掛け替えのない(かけがえのない)
ひじょうに大切で、他に代用できるものがないということ。
駆けつけ三杯(かけつけさんばい)
酒の席に遅れて来た人に、罰として続けざまに三杯の酒を飲ませること。
掛け値なし(かけねなし)
話を誇張したり取り繕ったりせずに、ありのままを言うこと。 「掛け値」は、実際の売り値よりも高くつけた値段の意から。
駆ける馬にも鞭(かけるうまにもむち)
勢いのあるものに、さらに勢いをつけることのたとえ。 走っている馬に、鞭を打ってさらに早く走らせる意から。 「駆ける馬にも鞭」「走る馬に鞭」「駆け馬に鞭」「行く馬に鞭」ともいう。
影が薄い(かげがうすい)
存在感がなく、目立たないさま。 また、元気がなく、長く生きられないように見えるさま。
影が差す(かげがさす)
不吉で、よくない兆候が現れること。
陰口を叩く(かげぐちをたたく)
その人のいないところで悪口を言うこと。 「陰口を利く」ともいう。
陰で糸を引く(かげでいとをひく)
自分自身は表に出ないで、裏で他人を意のままに動かすこと。 人形師が糸を引いて人形を操ることから。 「裏で糸を引く」ともいう。
陰で舌を出す(かげでしたをだす)
その人の前ではお世辞などを言って機嫌をとり、いない所では悪口をいったり馬鹿にしたりすること。
陰では王様の事も言う(かげではおうさまのこともいう)
誰であろうと陰口を言われない者はいないということ。 陰では王様でさえ悪口を言われるとの意から。 「陰では殿の事も言う」ともいう。
陰に居て枝を折る(かげにいてえだをおる)
恩を受けた人にひどいことをするたとえ。 木陰で涼んでいた者がその木の枝を折ることから。また、恩人の見ていない所で恩人の家の木の枝を折ることから。
陰に託して影を求む(かげにたくしてかげをもとむ)
方法を間違うことのたとえ。 物陰に入って自分の影を探すとの意から。
陰になり日向になり(かげになりひなたになり)
あるときは表立って、あるときは人知れず、誰かに尽くしたり援助したりする様子。
陰に回る(かげにまわる)
表立たないところで、人に気づかれないように行動すること。
影の形に随うが如し(かげのかたちにしたがうがごとし)
いつもいっしょにいて離れないこと。 影が必ず物につき随うことから。 「影の形に添うが如し」「影の形に添うように」ともいう。
陰日向がある(かげひなたがある)
人が見ているところとそうでないところとで、言動が変わること。
陰弁慶(かげべんけい)
家の中でだけ威張っているが、外では少しの度胸もないこと。また、そのような人。内弁慶。
影も形もない(かげもかたちもない)
そこに人や物が存在していたことを示すものがまったくない。跡形もない。 「影も形も見えない」ともいう。
陽炎稲妻水の月(かげろういなずまみずのつき)
捕らえがたいもの、実体のないもののたとえ。 「陽炎稲妻月の影」ともいう。
影を畏れ迹を悪む(かげをおそれあとをにくむ)
自分で勝手に悩みを作り、心を平静に保つことができないことのたとえ。 自分の影と足跡におびえ、それから逃れようと走り続けて、ついに力尽きて死んでしまったという故事から。
影を落とす(かげをおとす)
光がさすこと。 光が投げかけられることによって影ができることから。 転じて、影響を及ぼすこと。
影を潜める(かげをひそめる)
今まで表だっていた人や物が姿を消すこと。 「影」は姿のこと。
華甲(かこう)
数え年で六十一歳のこと。 「華」は、六個の十と一個の一からなることから、六十一を表す。 「甲」は、甲子(きのえね)のことであり、[[十干*https://kanji.jitenon.jp/cat/hyoki09.html]]の一番目である「甲」と、[[干支*https://kanji.jitenon.jp/cat/hyoki09.html]]の一番目である「子」をそれぞれ指す。
嘉肴ありと雖も食らわずんばその旨きを知らず(かこうありといえどもくらわずんばそのうまきをしらず)
何事も自分で体験してみなければ、その価値やすばらしさがわからないということ。 「嘉肴」は、おいしい料理。 どんなにおいしい料理も、自分で食べてみなければそのおいしさはわからないとの意から。
駕籠舁き駕籠に乗らず(かごかきかごにのらず)
日頃から仕事で使用しているものは、自分のためには使用しないということ。 また、他人の面倒を見るばかりで、自分のことには手が回らないこと。 「駕籠舁き」は、駕籠に人を乗せて運ぶことを職業にしている人。 駕籠舁きは、自分の駕籠には乗らないとの意から。
籠で水を汲む(かごでみずをくむ)
苦労しても効果のないことのたとえ。籠で水を汲んでも、編み目から水が漏れて溜まらないことから。
駕籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人(かごにのるひとかつぐひと、そのまたわらじをつくるひと)
人の生き方は、貧富の差や境遇によってさまざまであるということ。また、そのさまざまな人のつながりで、世の中はうまく成り立っているということ。 世の中には駕籠に乗る身分の人もいれば、その駕籠を担ぐひともいる。また、駕籠を担ぐひとの履く草履を作る人もいる。 人の世は持ちつ持たれつであるとの意から。
籠の鳥、雲を慕う(かごのとり、くもをしたう)
拘束された者が自由な境遇をうらやむことのたとえ。また、故郷を恋しく思うことのたとえ。 籠の鳥が空の雲を恋しく思うことから。 「籠の鳥、雲を慕う」ともいう。
傘と提灯は戻らぬつもりで貸せ(かさとちょうちんはもどらぬつもりでかせ)
傘と提灯は、必要な時以外は忘れがちな物だから、貸す時は返してもらえないつもりで貸せということ。
嵩に懸かる(かさにかかる)
自分の優位な立場や地位を利用して、相手を威圧すること。 「嵩」は、ものの分量や大きさのこと。
笠に着る(かさにきる)
権力のある者を頼みにしていばったり、勝手なふるまいをすること。
笠の台が飛ぶ(かさのだいがとぶ)
首を斬られること。転じて、解雇されること。 「笠の台」は、人間の頭を、笠を乗せる台に見立てていった言葉。
風穴を開ける(かざあなをあける)
銃や刀などで胴体を貫くような穴を開けるという脅し文句のこと。 また、組織や状態が硬直しているところに、新しい風を吹きこむことのたとえ。
風上にも置けない(かざかみにもおけない)
性質や行動が下品で卑劣な人間をののしっていう言葉。 悪臭のある物は臭くて困るので、風上に置くわけにはいかないとの意から。 「風上に置けない」ともいう。
風向きが悪い(かざむきがわるい)
相手の機嫌がよくないこと。 また、物事の形勢が自分にとって不利な方向にすすむこと。
貸し借りは他人(かしかりはたにん)
金銭の貸し借りについては、親子の間でも他人と同じようにけじめをつけるべきだということ。
貸した物は忘れぬが借りたものは忘れる(かしたものはわすれぬがかりたものはわすれる)
人に貸したものは忘れないが、人から借りたものはつい忘れてしまうということ。 人間は身勝手なものだというたとえ。
和氏の璧(かしのたま)
すばらしい宝石のこと。中国、春秋時代の楚の卞和(べんか)が宝石の原石を厲王(れいおう)に献じたが、宝石だと信じてもらえず左足を切られ、次の武王には同じ理由で右足を切られた。その次の文王の時代に、この原石が磨かれ宝石だと認められたという故事による。秦の昭王がこの玉と15の城と交換したいと言い、「連城の璧」とも称された。
鹿島立ち(かしまだち)
旅に出ること。防人や武士などが旅の守り神である鹿島神宮で安全を祈ってから旅に出たということから。
華燭の典(かしょくのてん)
婚礼。結婚式。「華燭」は華やかなともしび、「典」は儀式のこと。
華胥の国に遊ぶ(かしょのくににあそぶ)
いい気持ちで昼寝をすること。中国の黄帝が夢の中で「華胥の国」という理想の国で遊んだという故事から。
家書万金に抵る(かしょばんきんにあたる)
旅先で受け取る家からの手紙は、万金に匹敵するほど貴重だということ。
頭が動かねば尾が動かぬ(かしらがうごかねばおがうごかぬ)
上に立つ者がすすんんで行動しなければ、下の者は働かないというたとえ。
頭に霜を戴く(かしらにしもをいただく)
頭髪が白髪になること。白髪が目立つこと。 白髪を霜にたとえた言葉。 「頭に霜を置く」「霜を置く」ともいう。
河岸を変える(かしをかえる)
場所を変えること。 特に、飲食や遊興をする場所についていう言葉。
火事あとの釘拾い(かじあとのくぎひろい)
大損や浪費の後に、少しの節約をしたところで何の足しにもならないということ。 火事で家屋敷を焼失した後に、焼けた釘を拾っても役に立たないことから。
火事あとの火の用心(かじあとのひのようじん)
時機に遅れて役に立たないことのたとえ。 火事を出してしまってから火の用心をしても間に合わないとの意から。
火事と喧嘩は江戸の花(かじとけんかはえどのはな)
江戸は人家が密集していたため大火事が多く、火消しの働きぶりが華やかであった。また、江戸っ子は気が短いため喧嘩も威勢がよく派手であった。この二つが江戸の名物だったということ。
火事と葬式に行けば勘当もゆりる(かじとそうしきにいけばかんどうもゆりる)
火事や葬式の時にわびに行って手伝えば、勘当された者も許されるということ。「ゆりる」は、許されるという意。
火事場に煙草の火なく大水に飲み水なし(かじばにたばこのひなくおおみずにのみみずなし)
大勢の人がいても、本当に役に立つ人は少ないということ。 洪水の水はたくさんあっても、飲み水としては使えないとの意から。 「火事場に煙草の火なく大水に飲み水なし」ともいう。
火事場の馬鹿力(かじばのばかぢから)
切迫した状況に置かれると、普段なら考えられないようなすごい力を発揮するということのたとえ。火事の時に、ふつうでは持ち上げることのできないような重い物を動かす力が出ることから。
舵を取る(かじをとる)
物事がうまく進むように全体をまとめて導くこと。 船が正しい方向に進むように、舵を操るということから。
歌人は居ながらにして名所を知る(かじんはいながらにしてめいしょをしる)
歌人は古歌や歌枕の研究によって、実際にその場所に行ったことはなくても、名所について詳しいということ。
鎹思案(かすがいじあん)
二つの事をどちらも成功させようとする考え。 「鎹」は、材木と材木をつなぐために用いるコの字形の釘。 釘でつなぎ止めるように、両方を得ようとすることから。 「鎹分別」ともいう。
霞に千鳥(かすみにちどり)
ふさわしくないことのたとえ。また、あり得ないことのたとえ。霞は春のもの、千鳥は冬の鳥であることから。
霞を食う(かすみをくう)
俗世間を超越した生き方をすること。 仙人が、霞を食べて生きていると言われたことから。
掠りを取る(かすりをとる)
仲介者が、他人の利益の一部を自分のものとして取ること。
粕を食う(かすをくう)
小言をいわれたり、厳しく注意されたりすること。 主に、演劇関係で用いられる。 「粕」は「糟」とも書く。
数でこなす(かずでこなす)
一つ一つの利益は小さいが、大量に売り捌くことによって採算がとれるようにすること。