「へ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「へ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 122 件
- 開いた口へ牡丹餅(あいたくちへぼたもち)- 努力もなしに思いがけない幸運がやってくること。 
- 足下へも寄り付けない(あしもとへもよりつけない)- 相手の実力があまりにもすぐれていて、自分とは比べものにならないこと。 
- 寇に兵を藉し、盗に糧を齎す(あだにへいをかし、とうにかてをもたらす)- 敵に利益を与えるような行動、また自らの損失となるような行動をするたとえ。 「寇」は敵、「兵」は武器の意。 敵に武器を貸し与えたり、盗賊に食糧を与えたりすることから。 
- 後へ引かない(あとへひかない)- 自分の意見をあくまでも主張して、譲歩しようとしないこと。 
- 後へも先へも行かぬ(あとへもさきへもいかぬ)- 引くことも進むことも出来ず、動きがとれないようす。 
- 油紙へ火の付いたよう(あぶらがみへひのついたよう)- べらべらとよくしゃべる様子。油の付いた紙は、めらめらとよく燃えることから。 
- 慌てる蟹は穴へ入れぬ(あわてるかにはあなへはいれぬ)- 何事も焦ったり慌てたりすると失敗するというたとえ。 「慌てる蟹は穴の口で死ぬ」ともいう。 
- 伊勢へ七度、熊野へ三度(いせへななたび、くまのへみたび)- 信仰心が深いことのたとえ。 伊勢神宮へ七度、熊野三山へ三度もお参りするほど信仰深いとの意から。 このあと続けて「愛宕(あたご)様へは月参り」ともいう。 
- 韋編三度絶つ(いへんみたびたつ)- 繰り返して書を読むこと。 「韋編」は、字を書いた木や竹の札を、なめし皮の紐(ひも)でとじた中国の昔の書物。 孔子は「易経」を愛読し繰り返し何度も読んだため、書物をとじている革紐が三度も切れたという故事から 「[[韋編三絶*https://yoji.jitenon.jp/yojih/3680.html]]」ともいう。 
- 色よい返事(いろよいへんじ)- 望みに叶った期待通りの返事。 
- 上を下への大騒ぎ(うえをしたへのおおさわぎ)- 上にあるべきものが下へ、下にあるべきものが上へというような、ごった返した大騒動のこと。 
- 裏へ回る(うらへまわる)- 表立たないところで、人に気づかれないように行動すること。 
- 煙霞の癖(えんかのへき)- 自然の風景を愛する気持ちが非常に強いこと。または、隠居して自然と親しみながら暮らすこと。 「烟霞」はもやと霞のこと。転じて自然の景色。 「痼疾」は治ることなく長い期間患っている病。持病。 山水の美しい風景を愛好する習性を持病にたとえた言葉。 
- 陸へあがった河童(おかへあがったかっぱ)- 環境が変わると、まったく能力が発揮出来ないことのたとえ。 水中では自由に活動できる河童も、陸上では無力であるという意味から。 
- 驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)- 驕り高ぶって滅亡した平家のように、贅沢を尽くし勝手気ままにふるまう者は、長く栄えることなく早く滅びてしまうというたとえ。 
- 蛙は口ゆえ蛇に呑まるる(かえるはくちゆえへびにのまるる)- 余計なことを言ったために、災いを招いてしまうことのたとえ。 蛙は鳴き声をだすことから蛇に気づかれ、吞み込まれてしまう意から。 
- 陰へ回る(かげへまわる)- 表立たないところで、人に気づかれないように行動すること。 
- 和氏の璧(かしのへき)- すばらしい宝石のこと。中国、春秋時代の楚の卞和(べんか)が宝石の原石を厲王(れいおう)に献じたが、宝石だと信じてもらえず左足を切られ、次の武王には同じ理由で右足を切られた。その次の文王の時代に、この原石が磨かれ宝石だと認められたという故事による。秦の昭王がこの玉と15の城と交換したいと言い、「連城の璧」とも称された。 
- 紙子着て川へはまる(かみこきてかわへはまる)- 軽率な行いによって、自ら破滅を招くことのたとえ。 「紙子」は、渋柿を塗った紙で仕立てた衣服。 紙の服を着て川の中へ入るという無謀なことをいう。 
- 軽い返事に重い尻(かるいへんじにおもいしり)- 簡単に引き受けて、なかなか実行しないことのたとえ。 返事はすぐにしても、なかなか尻を上げないとの意から。 
- 木七竹八塀十郎(きしちたけはちへいじゅうろう)- 木を切るには七月、竹を切るには八月、土塀を塗るのは十月が適しているということ。月はいずれも陰暦で、人名のように語呂をあわせて覚えやすくしたもの。 
- 京へ筑紫に坂東さ(きょうへつくしにばんどうさ)- 方向を示す助詞を京都では「へ」、九州では「に」、関東では「さ」を用いるように、地方によって方言に特徴があるということ。 
- 草を打って蛇を驚かす(くさをうってへびをおどろかす)- 何気なくしたことが意外な結果を招くたとえ。また、一人を懲らしめることで、これに関連する他の者たちを戒めるたとえ。 
- 口が減らない(くちがへらない)- あれこれと屁理屈をつけて反論したり、負け惜しみを言ったりするようす。 
- 靴を隔てて痒きを搔く(くつをへだててかゆきをかく)- 思うようにならず、もどかしいこと。 靴の上から足の痒(かゆ)いところを掻(か)くことから。 「[[隔靴掻痒(かっかそうよう)*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1260.html]]」ともいう。 
- 車は海へ舟は山(くるまはうみへふねはやま)- 物事がさかさまなことのたとえ。 
- 君子は豹変す(くんしはひょうへんす)- 人の態度や意見ががらりと変わることのたとえ。 豹の毛が生え変わって斑紋が鮮やかになるように、君子は過ちに気付いたらすぐにそれを改めて新しくするということ。 本来は良い方向へ変わる意味で用いたが、現在では悪い方向へ変わる意味で用いることが多い。 
- 恋に上下の隔てなし(こいにじょうげのへだてなし)- 恋愛感情を抱くのに、身分や地位などの上下は関係ないということ。 
- 甲羅を経る(こうらをへる)- 年功を積むこと。また、世間ずれして厚かましくなること。「甲羅」の「甲」は、功・劫に掛けて年の功の意。「ら」は、接尾語。 
- 故郷へ錦を飾る(こきょうへにしきをかざる)- 立派な着物を着ること。転じて、成功して晴れがましい姿で故郷に帰ること。 単に「錦を飾る」、また「錦(錦衣)を衣(着)て郷(故郷)に還(帰)る」ともいう。 
- 心ほどの世を経る(こころほどのよをへる)- 人はその人の心がけ次第で、それにふさわしい人生を送るようになるということ。 
- 米の飯と天道様はどこへ行っても付いて回る(こめのめしとてんとうさまはどこへいってもついてまわる)- どんな所でも太陽が当たるように、どこへ行っても食べることは何とでもなるということ。 
- 御幣担ぎ(ごへいかつぎ)- 縁起をひどく気にしたり、迷信を信じたりすること。「御幣」は、神事に使う幣束の敬称。その御幣を担いで不吉なことを払おうとする意から。 
- 酒屋へ三里、豆腐屋へ二里(さかやへさんり、とうふやへにり)- 生活するのに非常に不便な場所のこと。 酒屋へは三里、豆腐屋へは二里の道のりがある場所のことから。 
- 去り跡へ行くとも死に跡へ行くな(さりあとへゆくともしにあとへゆくな)- 妻と離婚した男に嫁ぐのはいいが、妻と死別した男には嫁ぐものではないという戒め。 妻と死別した男の心には、亡き妻のよい思い出が残っていて、比較されることが多いことから。 
- 下へも置かない(したへもおかない)- 客などを非常に丁寧にもてなす様子。 下座につかせないとの意から。 「下へも置かない」ともいう。 
- 下いびりの上へつらい(しもいびりのかみへつらい)- 自分より下の者にいばる人間は、上の者には媚びへつらうものだということ。 
- 修身斉家治国平天下(しゅうしんせいかちこくへいてんか)- 天下を治めるには、まず自分の心と行いを正しくし、次に家庭を整え、次に国家を治めて天下を平和にすべきだということ。 
- 地獄へも連れ(じごくへもつれ)- どんな所に行く時も同伴者がいたほうがいいということ。 たとえ地獄に行くにしても、同伴者がいたほうがいいとの意から。 
- 蛇の道は蛇(じゃのみちはへび)- 同類のことは同類が一番よくわかるというたとえ。 蛇の通る道は、他の蛇がよく知っているとの意から。 
- 上手は下手の手本、下手は上手の手本(じょうずはへたのてほん、へたはじょうずのてほん)- 下手な人が上手な人のやり方を手本にするのは当たり前だが、上手な人も下手な人のやり方が参考になることもあるというたとえ。 
- 沈香も焚かず、屁もひらず(じんこうもたかず、へもひらず)- 優れてもなければ悪くもない、良いこともしないが悪いこともしない、平々凡々であることのたとえ。 沈香を焚いてよい香りを放つわけでもなく、屁をして悪臭を放つわけでもないとの意から。 
- 粋が川へはまる(すいがかわへはまる)- 手慣れた人や専門家でも、気の緩みなどによって失敗することがあるというたとえ。 
- 青天の霹靂(せいてんのへきれき)- 思いもよらない大事件や変動が突然起こること。 
- 船頭多くして、船、山へ登る(せんどうおおくして、ふね、やまへのぼる)- 指図する人間が多すぎて統一が取れず、物事が順調に運ばなかったり、とんでもない方向へ進んでしまったりすることのたとえ。 「船頭」は船長のこと。 まるで船頭かのように指示を出す人間が多すぎると、船が山に登ってしまうような見当違いの方向に物事が進んでしまうとの意から。 
- 滄海変じて桑田となる(そうかいへんじてそうでんとなる)- 世の中の移り変わりが激しいことのたとえ。 「滄海」は大海のこと。 「桑田」は桑畑のこと。 桑畑だった所が大海になるような変化が起こるとの意から。 「桑田変じて滄海となる」「滄桑の変」ともいう。 
- そこへ行くと(そこへいくと)- 前に述べた事柄と後に続く事柄が対照的であることを表す言葉。その点に関しては。 
- 太平楽(たいへいらく)- 好き勝手なことを言ってのんきにしていること。天下泰平を祝う舞楽の一つから。 
- 蛸の糞で頭へあがる(たこのくそであたまへあがる)- 自分は思いあがって得意になっているが、他人からはいやしめられていることのたとえ。 かつては、本来の蛸の胴部が頭であると考えられていたことから、糞が頭にあることをいった語。 
- 立つより返事(たつよりへんじ)- 人に呼ばれた時には、立つより先にまず返事をせよということ。 
- 棚へ上げる(たなへあげる)- 自分に不都合なことにわざと触れないでおくことのたとえ。 
- 頼むと頼まれては犬も木へ登る(たのむとたのまれてはいぬもきへのぼる)- 人に懇願されると、出来るはずのないことまで、なんとかやってみようという気になるというたとえ。 折り入ってお願いされると、木登りができない犬も木に登ってみようという気持ちになるとの意から。 
- 提灯持ち川へはまる(ちょうちんもちかわへはまる)- 人を導くべき人が、先に失敗してしまうことのたとえ。提灯を持って先導する人が、自分の足元が暗いため川に落ちてしまうということから。 
- 沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか)- この上ない美女のこと。 あまりの美しさに、魚は沈み、雁は落ち、月は雲間に隠れ、花は恥じてしぼむとの意から。 
- 寺から里へ(てらからさとへ)- 物事があべこべなことのたとえ。筋違いなことのたとえ。「里」は、檀家の意。檀家から寺へ供物を届けるのが当たり前なのに、寺から檀家へ物を贈るのは逆であることから。 
- 天道様と米の飯はどこへも付いて回る(てんとうさまとこめのめしはどこへもついてまわる)- どんな所にも太陽が当たるように、どこへ行っても暮らしていけるということ。 
- 出る所へ出る(でるところへでる)- 互いの言い分をはっきりさせるために、法廷や警察などの公的な場で争うこと。 
- 毒薬変じて薬となる(どくやくへんじてくすりとなる)- 有害なものが一転して有益なものになることのたとえ。また、同じ物が使い方によって、毒にも薬にもなることのたとえ。 「毒薬変じて甘露となる」ともいう。 
- どっちへ転んでも(どっちへころんでも)- 予想される二つの結果のどちらでも大きな違いがない様子。 
- 泥を打てば面へはねる(どろをうてばつらへはねる)- 悪い行いの報いは必ず自分に返ってくるということ。 
- 西の海へさらり(にしのうみへさらり)- 厄払いを行う際、末尾につける文句のこと。 
- 寝耳へ水の果報(ねみみへみずのかほう)- 降ってわいたように突然訪れる幸運や、思いがけない幸せのこと。 
- 敗軍の将は兵を語らず(はいぐんのしょうはへいをかたらず)- 失敗した者は、そのことについて弁解する資格がないということ。戦いに敗れた将軍は兵法について発言する資格はないとの意から。 
- 白璧の微瑕(はくへきのびか)- ほぼ完全なものに、少しだけ欠点があることのたとえ。 「白璧」は白い宝玉で、その宝玉に微かな瑕(きず)があるとの意から。 
- 腹が減っては戦ができぬ(はらがへってはいくさができぬ)- 何事も空腹では十分な働きができないということのたとえ。 
- 馬鹿と煙は高いところへ上る(ばかとけむりはたかいところへのぼる)- 愚か者はおだてにのりやすいというたとえ。 
- 百日の説法、屁一つ(ひゃくにちのせっぽう、へひとつ)- 長い間苦労してきたことが、わずかな失敗によって無駄になってしまうことのたとえ。 百日間も説いてきた説法も、お坊さんのおならを一つでありがたみがなくなってしまうとの意から。 
- 豹変(ひょうへん)- 態度や意見ががらりと変わること。 豹の毛が生え変わって斑紋が鮮やかになるように、君子は過ちに気付いたらすぐにそれを改めて新しくするという意味の「君子は豹変す(くんしはひょうへんす)」に由来する。 本来は良い方向へ変わる意味で用いたが、現在では悪い方向へ変わる意味で用いることが多い。 
- 二つ返事で(ふたつへんじで)- 間を置かずに快諾する様子。 
- 不平を鳴らす(ふへいをならす)- 不平を強く言い立てること。 
- 平気の平左(へいきのへいざ)- まったく平気で少しも同じないこと。平気の平左衛門の略。 
- 平家を滅ぼすは平家(へいけをほろぼすはへいけ)- 自分をだめにするのは、自分自身だというたとえ。平家が滅びたのは、驕り高ぶった平家自身の自業自得だったとの意から。 
- 平地に波瀾を起こす(へいちにはらんをおこす)- 世の中が平和に治まっているときに、わざわざもめごとを起こすたとえ。 
- 兵強ければ則ち滅ぶ(へいつよければすなわちほろぶ)- 兵力が強大だと、おごりや油断が生じ、かえって敗戦の原因になるということ。 
- 丙丁に付す(へいていにふす)- 火の中に投げ入れること。特に秘密の手紙や書類を焼くことをいう。十干で丙は火の兄(ひのえ)、丁は火の弟(ひのと)と呼ばれ、どちらも「火」の意味を持つことから。 
- 兵は詭道(へいはきどう)- 戦争に勝つためには、正当な方法だけでなく、人を欺く方法も用いなければならないということ。「詭道」は正しくない方法のこと。 
- 兵は神速を貴ぶ(へいはしんそくをたっとぶ)- 戦いで軍隊を動かす時は、迅速なことがもっとも大事なことであるということ。 
- 弊履を棄つるが如し(へいりをすつるがごとし)- 破れた履物を捨てるように、惜しげもなく捨てることのたとえ。 
- 兵を挙げる(へいをあげる)- 軍隊を編成して革命などの軍事行動を起こすこと。 
- 臍が茶を沸かす(へそがちゃをわかす)- おかしくてたまらないこと。 また、ばかばかしくて笑わずにはいられないことのたとえ。 
 
         
    