「ロウ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ロウ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 73 件
足並みが揃う(あしなみがそろう)
多くの人の考え方や意見、方針が一致して、同じ行動をとる。
あっても苦労、なくても苦労(あってもくろう、なくてもくろう)
金と子どもは、あればあったで苦労するし、なければないで苦労するということ。
雨が降ろうが槍が降ろうが(あめがふろうがやりがふろうが)
何が何でも決行するという気持ちを表すことば。
居候、三杯目にはそっと出し(いそうろう、さんばいめにはそっとだし)
他人の家に世話になっている者は、食事の時も遠慮がちに三杯目のお代わりをするということ。居候の肩身のせまさを詠んだ川柳から。
一姫二太郎(いちひめにたろう)
一番最初に女の子が生まれ、次に男の子が生まれるという子供の生まれる順番のこと。その順番が子育てに適しているという意味で用いられる言葉。「うちの子供は女がひとりと男がふたりの一姫二太郎です」と子供の数を表す使い方は誤用。
佚を以って労を待つ(いつをもってろうをまつ)
味方はゆっくりと休養し、相手の疲れるのを待って戦うということ。味方はじっくりと休養を取って力を蓄え、遠くから攻めてくる敵の疲れるのを待って迎え討つということ。「佚」は気ままにのんびりするという意。
生まれながらの長老なし(うまれながらのちょうろうなし)
生まれながらにすぐれた人間などいるはずもなく、みんな長い間の修養や経験をつんで立派な人間になるということ。
衣紋を繕う(えもんをつくろう)
襟元をかき合わせて衣服の着崩れを整えること。 また、衣服に乱れがないように気を配ること。
屋漏に愧じず(おくろうにはじず)
たとえ人が見ていない場所でも、人に知られて恥じるような行いはしないということ。「屋漏」は家の一番奥まった所、または人目につかない所の意。
お膳立てが揃う(おぜんだてがそろう)
すっかり準備が整えられる。 食膳がすべて並べられるという意味から。
負ぶえば抱かろう(おぶえばだかろう)
他人の力を当てにして、つけあがって甘えることのたとえ。 負んぶしてやると次には抱っことねだることから。 「負ぶえば抱かろう」「負んぶすれば抱っこ」「抱かさせば負ぶさる」ともいう。
表を繕う(おもてをつくろう)
内情を知られないように、見かけを立派に整えること。
顔が揃う(かおがそろう)
集まるべき人が、全員その場に集まること。
陽炎稲妻水の月(かげろういなずまみずのつき)
捕らえがたいもの、実体のないもののたとえ。 「陽炎稲妻月の影」ともいう。
容を繕う(かたちをつくろう)
化粧などをして体裁を整えること。
火中の栗を拾う(かちゅうのくりをひろう)
自分の利益にはならないにもかかわらず、危険をおかすことのたとえ。猿におだてられた猫が、いろりの中で焼けている栗を拾おうとして大やけどをしたというラ・フォンテーヌ(詩人)の寓話から。
勝ちを拾う(かちをひろう)
勝てそうになかった勝負などで、運よく勝利を得ること。
汗馬の労(かんばのろう)
戦場での功績のこと。また、物事をまとめるために忙しく駆けずり回る苦労のこと。 「汗馬」は馬に汗をかかせることで、馬に汗をかかせるほどの働きとの意から。
木七竹八塀十郎(きしちたけはちへいじゅうろう)
木を切るには七月、竹を切るには八月、土塀を塗るのは十月が適しているということ。月はいずれも陰暦で、人名のように語呂をあわせて覚えやすくしたもの。
苦する良かろう楽する悪かろう(くするよかろうらくするわるかろう)
いま苦労すれば将来はよくなり、あとで楽ができるが、いま楽をして遊んで暮らせば、あとで苦労しなければならないということ。
玄人はだし(くろうとはだし)
素人にもかかわらず、専門家顔負けにすぐれていること。玄人が履物もはかずはだしで逃げ出すほどの腕前のことから。
犬馬の労(けんばのろう)
他人のために力を尽くして働くことをへりくだっていう言葉。犬や馬程度の苦労や労働の意から。
木っ端を拾うて材木を流す(こっぱをひろうてざいもくをながす)
小事にかまけて大事に失敗するたとえ。木のきれはしを集めて材木を流してしまうということから。
小爪を拾う(こづめをひろう)
ことば尻を捕えて非難したり口答えをしたりすること。
事もあろうに(こともあろうに)
もっと他に適したやり方があるだろうに。よりによって。
細工は流流、仕上げをご覧じろ(さいくはりゅうりゅう、しあげをごろうじろ)
仕事のやり方はいろいろあるので、途中であれこれ言わずに出来上がりを見てから評価してほしいということ。
策を弄する(さくをろうする)
物事をうまく行うために策を用いること。特に必要以上に策を用いるこという。
砂上の楼閣(さじょうのろうかく)
見かけは立派だが、基礎がしっかりしていないために長く続かないことのたとえ。また、実現不可能な物事や計画のたとえ。「楼閣」は、高い建物。砂の上に経てた楼閣はすぐに倒れるということから。
山雨来らんとして風楼に満つ(さんうきたらんとしてかぜろうにみつ)
何事か変事が起こる前に、なんとなく不穏な気配がただよう様子。 「楼」は、高殿のこと。 山の雨が降り出す前には、前ぶれの風が高殿へ吹きつけることから。 「山雨来らんと欲して風楼に満つ」ともいう。
三人子持ちは笑うて暮らす(さんにんこもちはわろうてくらす)
子どもを持つなら三人くらいがちょうどよく、幸せな暮らしができるということ。
三拍子揃う(さんびょうしそろう)
必要な三つの条件が揃うこと。また、全ての条件が備わること。「三拍子」は、能楽の囃子で小鼓・大鼓・太鼓などの三種の楽器でとる拍子のこと。
娑婆で見た弥次郎(しゃばでみたやじろう)
知っている人間に、知らないふりをすることのたとえ。 ある僧侶が佐渡で土中入定(生きたまま土の中に入り仏になること)すると見せかけて、こっそりと抜け出して越後に渡ったところ、知り合いの彌次郎という男に声をかけられてしまった。初めのうちは知らん顔をしていたが、しらを切り通せなくなり「げにもげにもよく思い合はすれば娑婆で見た弥次郎か」と言ったという笑い話に基づくとされる。 「弥次郎」は、「弥三郎」「弥十郎」などともいう。
沙弥から長老(しゃみからちょうろう)
一足飛びに出世することのたとえ。「沙弥」は仏門に入ったばかりの修行未熟な若い僧、「長老」は徳の高い僧。
沙弥から長老にはなれぬ(しゃみからちょうろうにはなれぬ)
物事には順序があり、一足飛びには上に進めないというたとえ。「沙弥」は仏門に入ったばかりの修行未熟な若い僧、「長老」は徳の高い僧。
薪水の労(しんすいのろう)
炊事などの労働。転じて、人のために骨身を惜しまず働くこと。薪を採り水を汲む苦労の意から。
自家薬籠中の物(じかやくろうちゅうのもの)
いつでも自分の思うままににできる人や物のたとえ。 また、すっかり身につけた知識や技術のたとえ。 「自家」は自分のこと。「薬籠」は薬箱のこと。 自分の薬箱の薬のように、いつでも自分の思いのままに使えるもののことから。
祖父は辛労、子は楽、孫は乞食(じじはしんろう、こはらく、まごはこじき)
金持ちも長続きはしないことのたとえ。 祖父が苦労して財産を築き、子が楽をして、孫は乞食になるほどに落ちぶれるということから。
次郎にも太郎にも足りぬ(じろうにもたろうにもたりぬ)
中途半端で使いみちがないこと。
捨てる神あれば拾う神あり(すてるかみあればひろうかみあり)
人から見捨てられることもあれば、親切に助けてくれる人もいる。たとえ不運なことがあっても、くよくよするなということ。 「捨てる神あれば助ける神あり」ともいう。
千緒万端、遺漏あることなし(せんしょばんたん、いろうあることなし)
あらゆる点で、まったく手落ちがない様子。「千緒万端」は多くの事柄、「遺漏」は手落ち。
千丈の堤も螻蟻の穴を以て潰いゆ(せんじょうのつつみもろうぎのあなをもってついゆ)
わずかな油断・不注意から大事が起こることのたとえ。 千丈の堤防でも螻(けら)や蟻のあける穴から崩れることもあるとの意から。
仙人の千年、蜉蝣の一時(せんにんのせんねん、かげろうのいっとき)
長い短いの違いはあっても、どちらも一生であることに変わりないことのたとえ。また、同じ一生でも長短の差が大きいことのたとえ。
膳部揃うて箸を取れ(ぜんぶそろうてはしをとれ)
食事をする時は、料理がすべて揃ってから箸を取るものだということ。あわただしく食事に取りかかることを戒める言葉。また、物事は用意がすっかり整ってから始めよということ。「膳部」は、膳にのせて出す料理のことで、「全部」とかけたもの。
空に三つ廊下(そらにみつろうか)
天気が安定しないことを洒落て言う言葉。 「降ろうか」、「照ろうか」、「曇ろうか」の三つの「ろうか」を「廊下」に掛けた言葉。
卵の四角と女郎の誠(たまごのしかくとじょろうのまこと)
あるはずのないことのたとえ。 四角い形の卵は存在しないことから。 「卵の四角と女郎の誠(四角い形の卵が存在しないのと同じで、女郎が誠意を持つことなどない)」ともいう。
伊達の素足もないから起こる、あれば天鵞絨の足袋も履く(だてのすあしもないからおこる、あればびろうどのたびもはく)
どうしようもなくて我慢することのたとえ。 粋だと言われている伊達の素足も、実は足袋を買う金がないからだとの意から。 「伊達の素足も貧から起こる」ともいう。
粒が揃う(つぶがそろう)
集まっている人や物がどれもすぐれている様子。
蟷螂が斧を以て隆車に向かう(とうろうがおのをもってりゅうしゃにむかう)
弱者が自分の力を考えずに強敵に向かうこと。無謀な行いのたとえ。 「蟷螂」はかまきり、「斧」はここではカマキリの前足こと。 「隆車」は大きな車のこと。 かまきりが前足を上げて、大きな車に立ち向かうとの意から。 単に「蟷螂の斧」ともいう。
取ろう取ろうで取られる(とろうとろうでとられる)
勝負事などで、勝ちたいという思いばかりが先に立ち、結局は負けてしまうたとえ。
泣いて育てて笑うてかかれ(ないてそだててわろうてかかれ)
子育ては苦労が伴うものだが、子どもを立派に育て上げれば、老後にはその子が世話をしてくれ、安らかな余生を送ることができるということ。 また、将来の安楽のために、今の苦労を惜しまずに子育てに励むべきだという教え。
白玉楼中の人となる(はくぎょくろうちゅうのひととなる)
文人が死ぬことのたとえ。 「白玉楼」は文人が死後に行くといわれる白玉造りの高楼のことで、その中の人となるとの意から。
早かろう悪かろう(はやかろうわるかろう)
早く仕上げた仕事は、手落ちが多く雑になりがちだということ。
百日の労、一日の楽(ひゃくにちのろう、いちにちのらく)
働くばかりではなく、たまには休むほうがよいということ。 百日も働いたら、一日くらいゆっくり休養したほうがよいとの意から。
拾うた者は半分の主(ひろうたものははんぶんのぬし)
人から預かった物は、半分は自分の物だと思ってもかまわないということ。 「預かり半分」「預かり半分の主」「預かり物は半分の主」「預かる物は半分の主」「拾い主は半分」「拾うた者は半分の主」などともいう。
骨を拾う(ほねをひろう)
力尽きて倒れた人の後の面倒をみる。後始末をする。 遺骨を拾い収めるとの意から。
耳を聾する(みみをろうする)
耳が聞こえなくなるほどの、大きな音がするさま。
椋の木の下にて榎の実を拾う(むくのきのもとにてえのみをひろう)
道理にかなっていなくても主張を曲げないこと、また強情で人の意見に従わないことのたとえ。 榎の木を椋の木と誤り、榎の実が生った後も椋の木だと言い張ることから。 「椋の木の下にて榎の実を拾う」「椋は生っても木は榎」ともいう。
物盛んなれば即ち衰う(ものさかんなればすなわちおとろう)
何事も盛りに達したら必ず衰え始める。いつまでも盛んな時は続かないということ。
役者が揃う(やくしゃがそろう)
ある物事を行うために必要な人がすべて集まること。 また、さまざまな顔ぶれが関係者として名を連ねること。
安かろう悪かろう(やすかろうわるかろう)
値段が安いものは品質が悪いだろうということ。 安いものには安いなりの理由があるはずとの意から。 「高かろう良かろう、安かろう悪かろう」ともいう。
労多くして功少なし(ろうおおくしてこうすくなし)
苦労したわりには成果が出ないこと。
老化は足から(ろうかはあしから)
老化現象は、足の痛みやもつれなど、足に関する症状から現れるということ。
老骨に鞭打つ(ろうこつにむちうつ)
年老いた体に鞭を打つようにして、力のかぎり物事に当たることのたとえ。
老醜を晒す(ろうしゅうをさらす)
年老いて醜くなった姿や頑なな考え方などを人に示して恥をかくこと。 自身を謙遜していう言葉。
狼藉(ろうぜき)
狼が草を藉(し)いて寝た跡の乱雑なようす。転じて、物が散らかっているようす。また、乱暴な行いのたとえ。
蠟燭は身を減らして人を照らす(ろうそくはみをへらしてひとをてらす)
自分の身を犠牲にして、他人のためにつくすことのたとえ。
壟断(ろうだん)
利益や権利を独占すること。「壟」は丘の意。昔、中国で、ある人が切り立った高い丘の上から市場を見下ろして、商売に都合のよい場所を見極め、利益を独占したという故事から。
籠鳥雲を恋う(ろうちょうくもをこう)
拘束された者が自由な境遇をうらやむことのたとえ。また、故郷を恋しく思うことのたとえ。 籠の鳥が空の雲を恋しく思うことから。 「籠の鳥、雲を慕う」ともいう。
老婆心(ろうばしん)
高齢の女性の度が過ぎた気遣いのこと。転じて、必要以上に世話をやくことのたとえ。また、自分の忠告を謙遜してもいう。
老馬の智(ろうばのち)
経験を積んだ人は方針を誤らないというたとえ。 老馬はいろいろな道を知っており、迷うことがないということから。 中国、斉の桓公が山中で道に迷った時に、老馬の歩みに従って無事に帰り着いたという故事から。
老兵は死なず、消え去るのみ(ろうへいはしなず、きえさるのみ)
役目の終わった者は、表舞台から去るということ。敗戦後、占領指令官だったダグラス・マッカーサーが離日の際に言った言葉。
隴を得て蜀を望む(ろうをえてしょくをのぞむ)
一つの望みがかなうと、さらに次の望みが起こること。人間の欲望には、限りがないということのたとえ。 中国、魏の曹操が、部下の司馬懿(しばい)が隴の地を手に入れ、さらに蜀を攻めようとしたときに言ったという言葉。
若い時の苦労は買うてもせよ(わかいときのくろうはこうてもせよ)
若い時の苦労は将来役に立つ貴重な経験となるから、自分から進んで苦労するほうがよいということ。
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