「き」を含む故事・ことわざ・慣用句
「き」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1423 件
男女七歳にして席を同じゅうせず(だんじょしちさいにしてせきをおなじゅうせず)
人は七歳にもなれば、男女の別を明らかにしてみだりに慣れ親しんではならないということ。男女は七歳になったら同じ敷物に座るべきではないという儒教の道徳から。
小さく生んで大きく育てる(ちいさくうんでおおきくそだてる)
子どもは小さい子を楽に生んで大きく育てるのが賢明だということ。事業なども小規模で始めてだんだん大きくしていくのがよいやり方だということ。
知恵多ければ憤り多し(ちえおおければいきどおりおおし)
知恵を多く身につけてくると、世の中の矛盾や不合理に気づくようになり、腹が立つことが多くなるということ。
近惚れの早飽き(ちかぼれのはやあき)
夢中になるのが早い人は飽きるのも早いということ。「近惚れ」は惚れやすいということ。
力山を抜き、気は世を蓋う(ちからやまをぬき、きはよをおおう)
勇壮な気性のたとえ。 山を引き抜くほどの大きな力と、世界を覆い尽くすほどの意気があるとの意。 敵に取り囲まれた四面楚歌の状況で楚の項羽がうたった詩「垓下歌」の一節。 「抜山蓋世」ともいう。
地球は青かった(ちきゅうはあおかった)
1961年、ソ連の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンが、宇宙から地球に帰還した後に語った言葉。
知識は力なり(ちしきはちからなり)
経験によって得られた知識は大きな力になるということ。 哲学者フランシス・ベーコンの言葉。 「知は力なり」と訳されることもある。
茶腹も一時(ちゃばらもいっとき)
わずかなことでも一時しのぎにはなることのたとえ。空腹の時もお茶でしばらくはしのげるということから。
柱石(ちゅうせき)
国家や組織などを支える重要な人物のこと。 柱と土台石が建物を支える重要な部分であることから。
中流に船を失えば一瓢も千金(ちゅうりゅうにふねをうしなえばいっぴょうもせんきん)
つまらないものでも、場合によってはとても価値があるというたとえ。 流れの真ん中で船を失ったときには、ひょうたん一個でも浮き袋の代わりになるとの意から。
長袖よく舞い、多銭よく商う(ちょうしゅうよくまい、たせんよくあきなう)
素質と条件に恵まれた者が有利で、思い通りに事が運べるというたとえ。 長袖の着物を着た人は舞うと美しく見え、多くの金銭を持つ者は商売がしやすいとの意から。 「賈う(かう)」は、「商う(あきなう)」ともいう。
提灯持ちは先に立て(ちょうちんもちはさきにたて)
指導的立場にある人は、先頭に立って模範を示すべきであるということ。 提灯を持って先導する人が先頭に立たずに後ろを歩いていても役に立たないとの意から。
血湧き肉躍る(ちわきにくおどる)
戦闘や勝負などの前に高揚して全身に力が満ちる様子。
枕席に侍る(ちんせきにはべる)
女性が男性と同じ寝床で寝ること。夜伽をすること。 「枕席」は枕と敷物のことから、寝床をいう。 女性が男性の意に従い、寝床を共にするとの意から。
付き合いなら家でも焼く(つきあいならいえでもやく)
付き合いは、大切なものを犠牲にしてもしなければならないくらい大事だということ。また、付き合いを大事にして自分の家庭をかえりみないことを戒めて言うことば。
搗き臼で茶漬け(つきうすでちゃづけ)
大きすぎる物を小さな物のかわりには使おうとするたとえ。餅つき臼は、茶漬けを食べるには大きくて使えない、大は小を兼ねないということ。
月落ち烏啼いて霜天に満つ(つきおちからすないてしもてんにみつ)
月が西に傾いて落ち、烏が鳴いて、霜の気配が夜空に満ちあふれている。夜半の情景をうたった詩句。
付きが回る(つきがまわる)
運が巡ってくること。幸運が訪れること。
月と鼈(つきとすっぽん)
比べものにならないほど、かけ離れていることのたとえ。月と鼈は丸い形は似ているが、まったく違うものであることから。
月に雨笠日笠なし(つきにあまがさひがさなし)
月にかさがかかれば必ず雨が降り、晴れの時は月にかさはかからないということ。
月に叢雲、花に風(つきにむらくも、はなにかぜ)
良いことや楽しいことには邪魔が入りやすく長続きしないということ。 名月には雲がかかって見えなくなったり、満開の花には風が吹いて花びらを散らしてしまったりすることから。
月の前の灯(つきのまえのともしび)
立派なものに比較されて見劣りがすることのたとえ。名月の夜には灯火は目立たないことから。
月日変われば気も変わる(つきひかわればきもかわる)
月日が経てば人の気持ちも変わる。人の心は定まったものではなく、変化していくということ。
月日に関守なし(つきひにせきもりなし)
年月が過ぎるのがきわめて早いことのたとえ。「関守」は関所の番人のことで、月日が過ぎるのを止められる番人はいないということから。
月満つれば則ち虧く(つきみつればすなわちかく)
何事も頂点に達したあとは、必ず衰え始めるというたとえ。 月は満月のあと徐々に欠けていくことから。 「満つれば虧く」ともいう。
月雪花は一度に眺められぬ(つきゆきはなはいちどにながめられぬ)
よいことが全部一度にそろうことは、あり得ないというたとえ。月の出る晩に雪は降らないし、雪が降ると花は隠れて見えないし、花の咲く昼間に月は出ないということから。
月夜に釜を抜かれる(つきよにかまをぬかれる)
非常に油断していること、ひどく間が抜けていることのたとえ。 「抜かれる」は盗まれるの意。 明るい月の夜に大事な釜を盗まれることから。
月夜に背中あぶる(つきよにせなかあぶる)
回りくどくて、まるで効果のないことのたとえ。また、誤った方法のたとえ。月の光で背中を温めようとしても、とうてい出来ないことから。
月夜に提灯(つきよにちょうちん)
不必要なことのたとえ。月夜に提灯は必要ないことから。「月夜に提灯夏火鉢」と続けてもいう。
月夜に提灯も外聞(つきよにちょうちんもがいぶん)
実際は不必要なことでも、世間体のためにしなければならないたとえ。月夜に提灯をともすような無駄なことも、世間体のために必要なこともあるということから。
月夜にも背中炙りて温まれ(つきよにもせなかあぶりてあたたまれ)
効果がないと思われることも、しないよりはましだというたとえ。また、わずかでも利用できるものは使った方がいいというたとえ。
月夜に夜仕事(つきよによしごと)
真面目に仕事や勉強に励むことのたとえ。 美しい月を楽しまずに仕事に励むとの意から。 「月夜に夜なべ」ともいう。
月夜の蟹(つきよのかに)
中身がない人のたとえ。蟹は月夜にはえさを食べず、身が少ないことから。
月を指せば指を認む(つきをさせばゆびをみとむ)
物事を説明しても、その文字や言葉にこだわって本質を理解しないということ。 月の説明をするために月を指さしても、月を見ずに指している指を見るとの意から。
付け焼き刃(つけやきば)
一時しのぎのために、急いで覚えた知識や技術のこと。切れ味の悪い刀にはがねの焼き刃を付けても、見た目は切れそうであるが実際は脆くてすぐ駄目になることから。
付け焼き刃はなまり易い(つけやきばはなまりやすい)
一時しのぎで身に付けたものは、すぐにぼろが出てしまうということ。 「付け焼き刃」は、切れ味の悪い刀に鋼(はがね)の焼き刃を付けること。転じて、その場しのぎの急いで覚えた知識や技術。 付け焼き刃は、切れ味の良さそうな見た目をしているが、実際にはもろくてすぐに駄目になることから。 「付け焼き刃は剥げ易い」ともいう。
土に灸(つちにきゅう)
いくらやっても効き目のないこと、無駄なことのたとえ。
常に来る客は歓迎されず(つねにくるきゃくはかんげいされず)
たまに来る人は歓迎されるが、いつも来る人は客として喜ばれないという戒め。
角突き合わせる(つのつきあわせる)
仲が悪く、いつも争うこと。 特に身近な人同士の争いをいう。 角のある同種の動物が、互いの角をぶつけて争うとの意から。
潰しが効く(つぶしがきく)
それまでの仕事を辞めても、別の仕事で働くことができる能力があること。 金属製品を溶かすと再利用できるとの意から。
罪なくして配所の月を見る(つみなくしてはいしょのつきをみる)
流刑地のようなわびしい地で、罪人としてではなく、普通の人として月を眺めることができたら、さぞ趣きがあるだろうということ。 「配所」は罪によって流された土地のこと。
罪の疑わしきは軽くし、功の疑わしきは重くす(つみのうたがわしきはかるくし、こうのうたがわしきはおもくす)
罪状が疑わしいときはなるべく罪を軽く、功績の疑わしいときはできるだけ手厚く賞するのがよいということ。 「罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ」ともいう。
罪を着せる(つみをきせる)
自分の罪を、罪のない他の人に負わせること。
爪の先まで似る(つめのさきまでにる)
細かいところまでよく似ていることのたとえ。
詰め腹を切らされる(つめばらをきらされる)
責任を取ることを強いられて、辞職させられたり減俸されたりすること。 「詰め腹」は強制的に切腹させられること。
詰め腹を切らせる(つめばらをきらせる)
辞職させるなどして、強制的に責任を取らせること。 「詰め腹」は強制的に強いられる切腹のこと。
面で人を切る(つらでひとをきる)
傲慢な態度で、相手の気持ちを傷つけること。
釣りは道楽の行き止まり(つりはどうらくのいきどまり)
魚釣りは最高の道楽だということ。
鶴九皐に鳴き、声天に聞こゆ(つるきゅうこうになき、こえてんにきこゆ)
すぐれた人物は、どんな所にいても、その名声は世間に知れ渡るというたとえ。「九皐」は奥深い沢の意で、鶴がどんなに深い谷で鳴いても、その鳴き声は天に届くということから。
弦なき弓に羽抜け鳥(つるなきゆみにはぬけどり)
どうしようもないことのたとえ。また、まったく役に立たないことのたとえ。弦のない弓は矢を射ることは出来ず、羽のない鳥は飛べないことから。
鶴の脛も切るべからず(つるのはぎもきるべからず)
ものにはそれぞれ固有の性質があり、無理に変えようとしてはならないということ。 鶴のすねは長いが、鶴にとっては必要な長さなので切ってはならないとの意から。 後に「鴨の脛も継ぐべからず」と続けてもいう。
亭主三杯客一杯(ていしゅさんばいきゃくいっぱい)
客をもてなすために、主人が客よりたくさん酒をのむこと。また、客をだしにして主人がふだんより多く酒を飲むことにもいう。
亭主の好きな赤烏帽子(ていしゅのすきなあかえぼし)
どのようなことでも、一家の主人が言うからには従わなければいけないということ。 黒塗りが普通である烏帽子も、主人が赤い烏帽子を好めば家族は同調すべきであるとの意から。
亭主の好きを客に出す(ていしゅのすきをきゃくにだす)
自分の好きなものは相手も好きだと思い込んでしまい、無理に押しつけがちであるということ。 主人の好物を客にふるまうことから。
手書きあれども文書きなし(てかきあれどもふみかきなし)
文字を上手に書く人は多いが、文章の上手い人は少ないということ。
手が切れる(てがきれる)
相手とのそれまでの関係がなくなること。 または、紙幣などが新しい様子。
敵に塩を送る(てきにしおをおくる)
敵対する相手の弱みにつけこまず、逆に援助の手を差し伸べることのたとえ。 戦国時代、越後の上杉謙信が敵対する甲斐の武田信玄が塩不足で苦しんでいるのを知り、塩を送らせたという故事から。
敵に味方あり味方に敵あり(てきにみかたありみかたにてきあり)
敵の中にも、こちらの理解者はいるし、反対に味方の中にも気を許してはいけない相手もいるということ。
敵は本能寺にあり(てきはほんのうじにあり)
本当の目的が別にあることのたとえ。 戦国時代、明智光秀が備中の毛利を攻めると見せかけて出陣したが、途中で進路を変えて京都本能寺の織田信長を討ったという故事から。
敵もさる者引っ搔くもの(てきもさるものひっかくもの)
相手の強さや実力などを認めるときに使う言葉。 「さる者(然る者)」は、なかなかの人物という意味。 さる者の「さる」に引っ掻く猿(さる)をかけた言葉。 単に「敵もさる者」ともいう。
敵を見て矢を矧ぐ(てきをみてやをはぐ)
物事が起こってから、慌てて準備にとりかかる愚かさをいう言葉。 戦いが始まってから矢を作ることから。 「軍を見て矢を矧ぐ」「敵を見て矢を矧ぐ」ともいう。
轍鮒の急(てっぷのきゅう)
危機が差し迫っていることのたとえ。 「轍」は車輪の跡、わだちのこと。 「鮒」は魚の鮒(ふな)のこと。 車輪の跡にできた枯れかけの水たまりにいる鮒という意味から。
手に唾する(てにつばきする)
物事を行う前に気持ちを奮い立たせる様子。 重い物を持つ前に手に唾をかけるということから。
手の切れるような(てのきれるような)
紙幣が新しく、しわ一つない様子。まっさらなお札のたとえ。
てらつつきの子は卵から頷く(てらつつきのこはたまごからうなずく)
生まれながらの才能は、幼い時から自然に現れるというたとえ。「てらつつき」は、きつつきのこと。きつつきの子はえさの虫を捕るために、幼い時から首を上下に動かす癖があることから。
手を切る(てをきる)
それまでの関わりを断つこと。 特に、男女関係や悪い関係についていう。
天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ(てんかのうれいにさきだちてうれい、てんかのたのしみにおくれてたのしむ)
すぐれた政治家や指導者は、人々よりも先に国のことを心配し、人々が楽しんだ後で自身も楽しむべきだということ。 「[[先憂後楽*https://yoji.jitenon.jp/yojid/1517.html]]」ともいう。
天機洩らすべからず(てんきもらすべからず)
重大な秘密は絶対に洩らしてはいけないということ。「天機」は、天の神が決めた機密の意。
転石苔を生せず(てんせきこけをしょうせず)
活発に行動をしている人は常に健康で生き生きしていられることのたとえ。また、転職や転居を繰り返す人は地位も得られず金も貯まらないことのたとえ。 「転石苔を生せず」「転石苔むさず」ともいう。
天高く馬肥ゆる秋(てんたかくうまこゆるあき)
さわやかな秋を言い表す言葉。 秋の空は高く澄み渡り、馬もよく食べて太るという意味から。 「天高く馬肥ゆる秋」「秋高く馬肥ゆ」ともいう。
天地、夏冬、雪と墨(てんち、なつふゆ、ゆきとすみ)
まったく正反対なこと、非常に差があることのたとえ。
天地は万物の逆旅(てんちはばんぶつのげきりょ)
この世のすべてのものは、うつろいやすくはかないということのたとえ。 「逆旅」は宿屋のことで、天地はあらゆる生物が生まれてから死ぬまでのわずかな間に泊まる宿屋に過ぎないとの意から。
点滴、石を穿つ(てんてき、いしをうがつ)
小さな努力も根気強く続けていけば、いつかは成功することのたとえ。 わずかな雨垂れでも長い年月、同じ所に落ち続ければ、石に穴をあけることができるとの意から。 「点滴石を穿つ」ともいう。
天に跼り地に蹐す(てんにせぐくまりちにぬきあしす)
ひどく怯えて、恐る恐る行動することのたとえ。また、肩身が狭く隠れるように生活することのたとえ。 高い天の下で体を屈め、厚い大地の上を抜き足でひっそりと歩くとの意から。 略して「跼蹐」「[[跼天蹐地*https://yoji.jitenon.jp/yojie/2227.html]]」ともいう。
天に唾す(てんにつばきす)
他人に害を与えようとして、逆に自分がひどい目に遭うことのたとえ。 上を向いて唾をはくと、自分の顔に落ちてくることから。 「天を仰いで唾す」「天を仰いで唾する」「仰いで唾を吐く」などともいう。
天の時は地の利に如かず(てんのときはちのりにしかず)
戦いにおいて、いかに天候や気候の条件が良くても、地理的条件の有利さには及ばないということ。
天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず(てんのときはちのりにしかず、ちのりはひとのわにしかず)
戦いにおいて、いかに天候や気候の条件が良くても、地理的条件の有利さには及ばない。 その地理的な有利さも団結した人々の力には及ばないということ。
テープを切る(てーぷをきる)
競争などで一番になること。一着になること。 競争のゴールに張られているテープを切るということから。
出来ない相談(できないそうだん)
始めからまとまらないことが分かっている無理な相談。
出物腫れ物、所嫌わず(でものはれもの、ところきらわず)
おならやできものは、場所や時に関係なく、出る時には出てしまうということ。多く、人前で放屁した時の弁解に使われる言葉。