「く」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「く」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 179 件
口に針(くちにはり)
言葉に悪意や皮肉がこめられていること。
口に任せる(くちにまかせる)
あまり深く考えず、言葉が口から出るままに発言すること。
口に蜜あり、腹に剣あり(くちにみつあり、はらにけんあり)
口先では調子のいいことを言っているが、内心は陰険であることのたとえ。
口の下から(くちのしたから)
言ったとたんに。言ったすぐあとから。
口の端に上る(くちのはにのぼる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
口は口、心は心(くちはくち、こころはこころ)
言うことと、心の中で思っていることとが一致しないこと。
口は重宝(くちはちょうほう)
口は便利なもので、口先だけならなんとでも言えるということ。
口は閉じておけ、目は開けておけ(くちはとじておけ、めはあけておけ)
よけいなことをしゃべらず、物事はしっかり見よということ。
口は災いの元(くちはわざわいのもと)
うっかり言ってしまった言葉が災いを招くこともあるため、口は慎まなければならないという戒め。 「口は禍の門」「禍は口から」ともいう。
嘴が黄色い(くちばしがきいろい)
年が若くて経験が浅いことをあざけっていう言葉。ひな鳥の嘴が黄色いことから。
唇滅びて歯寒し(くちびるほろびてはさむし)
互いに助け合う者同士の一方が滅びると、もう一方も危うくなるというたとえ。 唇がなくなると歯が寒くなるとの意から。
唇を反す(くちびるをかえす)
人のことを憎んで悪くいうこと。
口火を切る(くちびをきる)
人々の先頭を切って物事を始めること。きっかけをつくること。
口弁慶(くちべんけい)
口先だけで、行動が伴なわない人のたとえ。
口も八丁、手も八丁(くちもはっちょう、てもはっちょう)
しゃべることも腕前も達者なこと。 「八丁」は巧み、達者であること。 単に「手も八丁」とも、また「口八丁手八丁」「手八丁口八丁」ともいう。
口を入れる(くちをいれる)
他人の話に割り込むこと。 また、よけいな口出しをすること。
口を切る(くちをきる)
瓶などの容器の封を開けること。 また、大勢のなかで最初に発言すること。
口を極めて(くちをきわめて)
あらゆる言葉を尽くしていう様子。最大限の言葉を使う様。
口を添える(くちをそえる)
依頼や交渉などがうまくいくように、脇から言葉を添えてとりなすこと。
口を揃える(くちをそろえる)
みなが同じ内容のことを言うこと。
口を出す(くちをだす)
他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を述べること。口出しをすること。
口を閉ざす(くちをとざす)
何も言おうとせず沈黙すること。 「口を噤む」ともいう。
口を濁す(くちをにごす)
はっきりとは明言せず、曖昧な表現で済ますこと。 「口を濁す」ともいう。
口を拭う(くちをぬぐう)
悪いことをしていながら素知らぬふりをすること。 また、知っていながら知らないふりをすること。 盗み食いをした後に、口の周りの汚れを拭いて素知らぬ顔をすることから。
口を糊する(くちをのりする)
たいへん貧しく、ぎりぎりの生活をすること。 「糊」は、粥(かゆ)のこと。 粥をすするような貧しい生活をするとの意から。
口を挟む(くちをはさむ)
他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を言うこと。
口を開く(くちをひらく)
話をしはじめること。
口を封じる(くちをふうじる)
都合の悪いことを言ったり秘密が漏れたりしないように黙らせること。他言させないようにすること。
口を割る(くちをわる)
隠していた事について話し出すこと。白状すること。
食ってすぐ寝ると牛になる(くってすぐねるとうしになる)
食べてすぐ横になる行儀の悪さを戒めることば。
轡の音にも目を覚ます(くつわのおとにもめをさます)
ちょっとしたことにも敏感に反応することのたとえ。「轡」は馬の口につける金具で、その轡が鳴る小さな音でも武士は目を覚ましたということから。
靴を隔てて痒きを搔く(くつをへだててかゆきをかく)
思うようにならず、もどかしいこと。 靴の上から足の痒(かゆ)いところを掻(か)くことから。 「[[隔靴掻痒(かっかそうよう)*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1260.html]]」ともいう。
苦肉の策(くにくのさく)
相手を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行う策略。
国に盗人、家に鼠(くににぬすびと、いえにねずみ)
物事には、その内部に害をなすものがあるというたとえ。
国乱れて忠臣見る(くにみだれてちゅうしんあらわる)
泰平の時には誰が忠臣かわからないが、国が乱れて危機に直面すると、真の忠臣が誰かがはっきりするということ。
国破れて山河在り(くにやぶれてさんがあり)
戦乱で国が滅びても、自然の山や川はもとのままの姿で存在しているということ。
苦杯を嘗める(くはいをなめる)
つらく苦しい経験をすることのたとえ。 「苦杯」は、にがい酒を入れた杯。
苦は楽の種(くはらくのたね)
今の苦労は将来の幸福につながるということ。
首が危ない(くびがあぶない)
解雇されそうな状態のこと。
首が飛ぶ(くびがとぶ)
解雇されること。
首が回らない(くびがまわらない)
借金が重なって、お金の遣り繰りがつかなくなるさま。
首縊りの足を引く(くびくくりのあしをひく)
首をくくって死のうとしている人の足を引っぱるような、むごいことをするたとえ。
踵を返す(くびすをかえす)
来た道を引き返すこと。後戻りすること。 「踵」は足のかかと。 「きびす」は「くびす」とも読む。
踵を接する(くびすをせっする)
次々と人が続いて来ること。また、物事が次々と起こること。 「踵」は足のかかと。 「きびす」は「くびす」とも読む。
首の皮一枚(くびのかわいちまい)
ほんの僅かではあるが、可能性がのこっている様子。 もとは、斬首刑で斬られた首と胴体が皮一枚でつながっている状態をいった言葉で、現在用いられる意味とは異なる。
首振り三年、ころ八年(くびふりさんねん、ころはちねん)
尺八は、首を振りながら吹けるようになるのに三年かかり、ころころというよい音を出すのには八年かかるということ。何事を成すにも、それ相応の修練が要るというたとえにもいう。
首を切る(くびをきる)
一方的に解雇すること。
首を縦に振る(くびをたてにふる)
頷くこと。また、承諾すること。
首を突っ込む(くびをつっこむ)
興味や関心のある物事に関わりを持つ。仲間になる。また、深入りする。
首を長くする(くびをながくする)
あることが実現するのを待ち望むさま。
首を振る(くびをふる)
頭を左右にふって、不承知または否定のきもちをあらわす。
窪い所に水溜まる(くぼいところにみずたまる)
土地の窪みに水が溜まるように、人や物も集まるべきところに、自然に寄り集まってくるということ。
苦もなく(くもなく)
苦労をすることなく。かんたんに。
雲に梯(くもにかけはし)
望んでも叶えられないことのたとえ。 雲にはしごを架けることはできないことから。
蜘蛛の子を散らすよう(くものこをちらすよう)
大勢の人がいっせいに四方へ逃げるようす。蜘蛛が入っている袋を破ると、たくさんの蜘蛛の子が四方へ散る様子から。
雲行きが怪しい(くもゆきがあやしい)
ものごとの成り行きや情勢が不穏で、これから波乱が起きそうな様子。 天候が崩れそうであるという意味から。
雲を霞(くもをかすみ)
一目散に逃げて姿が見えなくなることのたとえ。
雲を摑む(くもをつかむ)
物事が漠然としていて捉えどころのないようす。
雲を衝く(くもをつく)
とても背が高いことのたとえ。 「雲衝く」ともいう。
供養より施行(くようよりせぎょう)
死んだ人の供養より、生きている人に施しをするほうが大切だということ。
位人臣を極める(くらいじんしんをきわめる)
その世界で最高の地位・権力を得ること。 臣下として最高の位に就くとの意から。
食らえどもその味わいを知らず(くらえどもそのあじわいをしらず)
何事も精神を集中しないと、身につかないというたとえ。ただ食べていたのでは、その食べ物の味はわからないという意味から。
鞍掛け馬の稽古(くらかけうまのけいこ)
なんの役にも立たない無駄な練習のたとえ。「鞍掛け馬」は木馬のことで、木馬に乗って乗馬の練習をしても役に立たないことから。
暗がりから牛を引き出す(くらがりからうしをひきだす)
区別がつきにくいこと。また、動作が鈍いこと。 暗い所に黒い牛がいても姿がはっきりしないことから。 単に「暗がりから牛」、または「暗がりの牛」「闇から牛を引き出す」「暗闇から牛を引き出す」ともいう。
暗がりの渋面(くらがりのじゅうめん)
何の効果もないこと。暗いところでしかめっ面をしても誰にもわからないことから。
水母の風向かい(くらげのかぜむかい)
いくらあがいても無駄なことのたとえ。水母が風上に向かっても進めないことから。
水母の行列(くらげのぎょうれつ)
水母が勝手きままに泳いでいるように、きちんと並んでいないことのたとえ。
暗闇の鉄砲(くらやみのてっぽう)
あてずっぽうにやることのたとえ。
苦しい時には親を出せ(くるしいときにはおやをだせ)
言い訳に困った時には、親を口実に使うのがいいということ。
苦しい時の神頼み(くるしいときのかみだのみ)
信仰心のない者が、苦しい時だけ神に祈って助けてもらおうとすること。
苦しい時は鼻をも削ぐ(くるしいときははなをもそぐ)
急を要する場合には、どんな手段でも取った方がよいというたとえ。 緊急の場合には、自分の鼻を削ぎ落とすような非常手段を取るのもやむを得ないとの意から。 「苦しい時は鼻をも削ぐ」ともいう。
車の両輪(くるまのりょうりん)
二つの物のうち、どちらを外しても役に立たないような密接な関係のたとえ。
車は海へ舟は山(くるまはうみへふねはやま)
物事がさかさまなことのたとえ。
来る者は拒まず(くるものはこばまず)
自分を信じて頼ってくる者は、どんな人間でも拒まないということ。
紅は園生に植えても隠れなし(くれないはそのうにうえてもかくれなし)
すぐれている人は、どんな所にいても目立つというたとえ。 「紅」は、紅花(べにばな)のこと。 紅花はどんな花園に植えても際立つとの意から。
暮れぬ先の提灯(くれぬさきのちょうちん)
無用な事に手回しがよすぎて間が抜けていることのたとえ。
玄人はだし(くろうとはだし)
素人にもかかわらず、専門家顔負けにすぐれていること。玄人が履物もはかずはだしで逃げ出すほどの腕前のことから。
食わず嫌い(くわずぎらい)
食べてみないで嫌いだと決めつけること。
食わず貧楽高枕(くわずひんらくたかまくら)
貧しい暮らしでも、気楽で穏やかに暮らしていることのたとえ。
食わせておいて扨と言い(くわせておいてさてといい)
ご馳走した後に、「さて」と頼み事を切り出すこと。