「く」を含む故事・ことわざ・慣用句
「く」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1851 件
融通が利く(ゆうずうがきく)
状況に応じた適切な対応や処理ができること。
雄弁は銀、沈黙は金(ゆうべんはぎん、ちんもくはきん)
一生懸命に力をつくして述べることにも価値があるが、黙っているほうがさらに有益な場合があるということ。 雄弁は銀の価値、沈黙は金の価値であるという意。 「沈黙は金、雄弁は銀」ともいう。
雪の明日は裸虫の洗濯(ゆきのあしたははだかむしのせんたく)
雪の降った翌日は晴天になることが多いということ。 「裸虫」は貧しくて着る物がろくにない人のこと。 雪が降った翌日は天気が良く、貧乏人も着ていた物を脱いで洗濯するほど暖かいとの意から。
雪を欺く(ゆきをあざむく)
雪と見間違うほど、きわめて白いさま。 特に、女性の肌が白いことを言う。
行く馬に鞭(ゆくうまにむち)
勢いのあるものに、さらに勢いをつけることのたとえ。 走っている馬に、鞭を打ってさらに早く走らせる意から。 「駆ける馬にも鞭」「走る馬に鞭」「駆け馬に鞭」「行く馬に鞭」ともいう。
往くに径に由らず(ゆくにこみちによらず)
小細工せずに、正大に事をおこなうことのたとえ。「径」は小道・近道・横道のこと。道を行く時は径を通らずに大通りを行くという意味から。
ゆっくり急げ(ゆっくりいそげ)
急ぐ時こそ、慎重に行動すべきだということ。
弓は袋に太刀は鞘(ゆみはふくろにたちはさや)
天下泰平で武器を使う必要のないこと。 弓を袋に入れ、刀は鞘におさめるとの意から。
弓を引く(ゆみをひく)
目上の人に反抗する。楯突く。
夢に餅食う(ゆめにもちくう)
夢ではないかと思うような幸運が舞い込むことのたとえ。 「夢に餅」「夢に餅食う」ともいう。
夢枕に立つ(ゆめまくらにたつ)
夢の中に神仏や死んだ人の霊が現れて、物事を告げ知らせること。「夢枕」は夢を見ている人の枕元。
夢を描く(ゆめをえがく)
将来の希望を心の中に思い描くこと。
夜明け前が一番暗い(よあけまえがいちばんくらい)
どん底の後には必ずいいことがあるというたとえ。日が昇る直前に一番暗い時間があるということから。
用心は臆病にせよ(ようじんはおくびょうにせよ)
用心はし過ぎるということはない。臆病なくらいに用心せよということ。
羊頭を掲げて狗肉を売る(ようとうをかかげてくにくをうる)
外見は立派に見せかけて、実質が伴わないことのたとえ。 羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売ることから。 「羊頭を掛けて狗肉を売る」「羊頭狗肉」ともいう。
漸く佳境に入る(ようやくかきょうにいる)
次第に興味深い所に入っていくということ。また、ある状況の最盛期にもいう。
俑を作る(ようをつくる)
よくないことを始めること。悪い前例を作ること。 「俑」は、死者とともに埋葬するための人形。 俑を一緒に埋めることが殉死という悪習を生んだとして、孔子がこれを憎んだという故事から。
余儀なくされる(よぎなくされる)
他に方法がなく、したいと思っていなくてもそうせざるを得ないこと。
よく言う(よくいう)
よくもそんな事がぬけぬけと言えたものだ。 相手の厚かましい物言いに対して、非難の気持ちを込めて言う言葉。
よく泳ぐ者は溺る(よくおよぐものはおぼる)
自分の得意なことは自信過剰になるため、かえって失敗しやすいということのたとえ。
欲が深い(よくがふかい)
欲求や願望が度を越えていること。
欲と相談(よくとそうだん)
欲得ずくで行動すること。
欲と道連れ(よくとみちづれ)
欲につられて行動すること。 「欲と二人連れ」ともいう。
欲に頂なし(よくにいただきなし)
人間の欲望には限りがないということ。
欲に目が眩む(よくにめがくらむ)
欲のために理性を失い、正常な判断ができなくなること。 「欲には目見えず」「欲に目が無い」ともいう。
欲に欲がつく(よくによくがつく)
欲というものは、いくら満足させても限りがないということ。
欲の熊鷹、股裂くる(よくのくまたか、またさくる)
あまり欲張ると、災いを招くというたとえ。二頭の猪をつかんだ熊鷹が、左右に逃げようとした猪を放さなかったために、熊鷹の股が裂けてしまったという話から。
欲の世の中(よくのよのなか)
世の中は全て欲得で動いているということ。
欲は身を失う(よくはみをうしなう)
欲張りは身を滅ぼすもとであるということ。
よく学べよく遊べ(よくまなべよくあそべ)
立派な人間になるためには、勉強するときはしっかり勉強し、遊ぶときは思いきり遊ぶべきだということ。
欲を言えば(よくをいえば)
今のままでも十分ではあるが、さらに望むとすれば。
欲を搔く(よくをかく)
必要以上に欲を出すこと。
欲を知らねば身が立たぬ(よくをしらねばみがたたぬ)
人並みに欲望がなければ、暮らしていくことはできないということ。
葦の髄から天井を覗く(よしのずいからてんじょうをのぞく)
極めて狭い見方や考え方で大きな問題を判断することのたとえ。 葦の茎の小さな穴から天井の一部分を見て、天井の全てを見たと思い込むことから。 江戸いろはがるたの一つ。
余所に聞く(よそにきく)
自分には関係ない事として聞き流すこと。
四つに組む(よつにくむ)
正面から堂々と勝負すること。 また、全力で取り組むこと。
世の中は九分が十分(よのなかはくぶがじゅうぶ)
世の中はすべてが自分の思い通りにいくとはかぎらないから、望んだことの九分が叶ったら満足すべきだということ。
世の中は三日見ぬ間の桜かな(よのなかはみっかみぬまのさくらかな)
桜の花があっという間に散ってしまうように、世間の移り変わりは激しいものだということ。 もとは江戸時代の俳人大島蓼太の句「世の中は三日見ぬ間に桜かな」から。 この句は「桜が散ってしまうこと」ではなく「桜が咲きそろうこと」を詠んだもの。 単に「三日見ぬ間の桜」ともいう。
夜道に日は暮れぬ(よみちにひはくれぬ)
夜の帰り道には日が暮れる心配はないから、あわてずにのんびりやろうということ。
夜となく昼となく(よるとなくひるとなく)
夜も昼も関係なく。いつでも。
選れば選り屑(よればよりくず)
欲を出してあれこれ迷って選ぶと、かえって悪い物を選んでしまうということ。
喜んで尻餅をつく(よろこんでしりもちをつく)
物事が成功して有頂天になり、失敗を招いてしまうことのたとえ。
弱音を吐く(よわねをはく)
困難な状況などに耐えることができず、意気地のないことを言うこと。
世を背く(よをそむく)
出家する。また、死ぬ。
楽あれば苦あり、苦あれば楽あり(らくあればくあり、くあればらくあり)
人生はいつも楽しいことばかりではなく苦しいこともある、逆に苦しいことばかりではなく楽しいこともあるということ。 「楽あれば苦あり」「苦あれば楽あり、楽あれば苦あり」とも言う。 江戸いろはがるたの一つ。
楽隠居楽に苦しむ(らくいんきょらくにくるしむ)
楽隠居は何もすることがないので、かえって苦痛を感じるものである。気楽な暮らしも、毎日では暇を持て余してしまうというたとえ。
烙印を押される(らくいんをおされる)
拭い去ることのできない悪い評判を受けること。 「烙印」は昔の囚人が刑罰として受ける焼き印のこと。
楽人楽を知らず(らくじんらくをしらず)
苦労を知らない人は安楽のありがたさを知らない。苦労してはじめて、安楽の大切さを知るということ。
楽は苦の種、苦は楽の種(らくはくのたね、くはらくのたね)
楽をすればあとで苦労を味わい、反対に苦労のあとには楽がある。今の苦労は将来の楽につながるのだから耐えなければならないということ。
洛陽の紙価を高める(らくようのしかをたかめる)
著書が大評判で、よく売れることのたとえ。晋の左思が「三都の賦」を作った時、人々がこれを書き写そうと争って紙を買い、洛陽の紙の値段が高くなったという故事から。
喇叭を吹く(らっぱをふく)
誇張して大げさなことを言うこと。また、威勢よく実現不可能なことをあたかもできるかのように述べること。
理解に苦しむ(りかいにくるしむ)
言動や考えに対して、納得できる理由が思い浮かばずに悩ましく思うこと。
理屈上手の行い下手(りくつじょうずのおこないべた)
理屈を言うのは上手だが、いざ実践となるとさっぱりだめなこと。
理屈と膏薬はどこへでも付く(りくつとこうやくはどこへでもつく)
体のどこにでも付く膏薬のように、理屈はつけようと思えば、どんなことにでも、もっともらしくつけられるということ。
理屈を言えば腹が立つ(りくつをいえばはらがたつ)
自分の正当性を主張しても腹が立つばかりだから、理屈にこだわず適当に妥協したほうが得策であるということ。
理屈を捏ねる(りくつをこねる)
正当化するために、あれこれと無理筋な理屈を言うこと。
理屈を付ける(りくつをつける)
聞いた相手が正しいと思うような、それらしい理由を述べること。
律義者の子沢山(りちぎもののこだくさん)
律義者は、品行方正で家庭円満なので、夫婦仲もよく子どもが多く生まれるということ。
六国を滅ぼす者は六国なり(りっこくをほろぼすものはりっこくなり)
国が滅びるのは、国の内部に原因があるということ。また、悪い結果の原因は、自分自身にあることが多いことのたとえ。 「六国」は中国、戦国時代の斉(せい)・楚(そ)・燕(えん)・韓(かん)・魏(ぎ)・趙(ちょう)のこと。 六国が滅びたのは六国相互の争いの結果によるもので、他の国に滅ぼされたわけではないとの意から。
竜を画きて狗に類す(りゅうをえがきてくにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 「虎を描いて狗に類す」に同じ。
良賈は深く蔵して虚しきが如し(りょうこはふかくぞうしてむなしきがごとし)
賢者は自分の才能や知識をみだりにひけらかしたりしないことのたとえ。 「良賈」はすぐれた商人の意。 すぐれた商人は商品を店の奥にしまっておくため、一見商品が乏しいように見えることから。
梁山泊(りょうざんぱく)
豪傑や野心家の集まる所。「梁山泊」は、中国山東省梁山の麓の沼の名。そこに盗賊ら百八人の豪傑が集まったという話から。
梁上の君子(りょうじょうのくんし)
泥棒のこと。または鼠のこと。中国の後漢の陳寔が梁の上に潜む賊を指して、悪い習慣が身に付くと梁の上の君子のようになると子ども達を戒めたという故事による。
良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)
よく効く薬ほど苦くて飲みにくいこと。ためになる忠告ほど、当人は耳が痛くて聞きづらいというたとえ。
林間に酒を煖めて紅葉を焼く(りんかんにさけをあたためてこうようをたく)
林の中で紅葉を燃やして酒を暖めて飲み、秋の風情を楽しむこと。
例外のない規則はない(れいがいのないきそくはない)
どんな規則にも、それが適用しきれない事態が必ずあり、例外はつきものだということ。
礼は宜しきに随うべし、令は俗に従うべし(れいはよろしきにしたがうべし、れいはぞくにしたがうべし)
決まった形式がある礼儀も、時に応じて変えてもよい。また、法令はその土地の風俗に合うように定めるのがよいということ。
歴史は繰り返す(れきしはくりかえす)
過去に起こったことは、同じような経過をたどって、繰り返し起こるということ。
輦轂の下(れんこくのもと)
皇居のある地のこと。「輦轂」は天子の乗り物のことで、天子の乗る車の下の意から。
労多くして功少なし(ろうおおくしてこうすくなし)
苦労したわりには成果が出ないこと。
蠟燭は身を減らして人を照らす(ろうそくはみをへらしてひとをてらす)
自分の身を犠牲にして、他人のためにつくすことのたとえ。
籠鳥雲を恋う(ろうちょうくもをこう)
拘束された者が自由な境遇をうらやむことのたとえ。また、故郷を恋しく思うことのたとえ。 籠の鳥が空の雲を恋しく思うことから。 「籠の鳥、雲を慕う」ともいう。
隴を得て蜀を望む(ろうをえてしょくをのぞむ)
一つの望みがかなうと、さらに次の望みが起こること。人間の欲望には、限りがないということのたとえ。 中国、魏の曹操が、部下の司馬懿(しばい)が隴の地を手に入れ、さらに蜀を攻めようとしたときに言ったという言葉。
六十の手習い(ろくじゅうのてならい)
年をとってから学問や稽古事を始めること。 「八十の手習い」ともいう。
碌でなしが人の陰言(ろくでなしがひとのかげごと)
役に立たない者が他人の悪口を言うこと。
禄を盗む(ろくをぬすむ)
能力や功績に見合わない高い給料をもらうこと。また、それを非難する言葉。
禄を食む(ろくをはむ)
給料をもらって生計を立てること。
若い時の苦労は買うてもせよ(わかいときのくろうはこうてもせよ)
若い時の苦労は将来役に立つ貴重な経験となるから、自分から進んで苦労するほうがよいということ。
我が家、楽の釜盥(わがいえ、らくのかまだらい)
盥(たらい)を買えずに釜で代用しているような貧乏な暮らしをしていても、我が家ほど楽しい所はないということ。
我が刀で首切る(わがかたなでくびきる)
自分のおこないで自分自身が苦しむ結果になるたとえ。