「しょう」を含む故事・ことわざ・慣用句
「しょう」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 171 件
消息を絶つ(しょうそくをたつ)
連絡が取れなくなり、どこにいるのかわからなくなること。行方不明になる。
掌中に収める(しょうちゅうにおさめる)
望んでいたものを自分のものにすること。 「掌中に収める」ともいう。
掌中の珠(しょうちゅうのたま)
もっとも大切にしているもの。特に最愛の子ども。「珠」は尊いものの意で、いつも自分の手の中にある大切なものということから。
焦点を合わせる(しょうてんをあわせる)
人々の関心や注意が向けられている、ある物事だけに狙いを定めて取り組むこと。
焦点を絞る(しょうてんをしぼる)
複数の問題点などの中から特に重要なものだけに限定すること。
性に合う(しょうにあう)
そのものが性格や好みに合うこと。
衝に当たる(しょうにあたる)
そのものにとって重要な地点であること。または、重要な役目を担っていること。
性に合わない(しょうにあわない)
そのものが性格や好みに合わないこと。
性根を据えて掛かる(しょうねをすえてかかる)
どんな苦労も耐えるという覚悟をもって取り組むこと。
少年老い易く学成り難し(しょうねんおいやすくがくなりがたし)
年月は油断しているうちに、たちどころに過ぎ、すぐに年をとってしまう。学問を修めるのは難しいので、若いうちから時間を無駄にせず勉学に励めというおしえ。
少年よ、大志を抱け(しょうねんよ、たいしをいだけ)
「若者たちよ、大きな志を持って世の中に飛躍せよ」と、前途洋々たる若者たちを励ます言葉。 札幌農学校教頭だったアメリカ人クラーク博士が帰国の際、学生たちに残した言葉「Boys, be ambitious」から。
小の虫を殺して大の虫を助ける(しょうのむしをころしてだいのむしをたすける)
小さなものを犠牲にして大きなものを守ること。 また、全体を生かすために一部分を犠牲にすることのたとえ。 「大の虫を生かして小の虫を殺す」ともいう。
賞は厚くし罰は薄くすべし(しょうはあつくしばつはうすくすべし)
善行は小さなことでもおおいに褒めたたえ、悪行はできるだけ軽い罰にするのがよいということ。
商売往来にない商売(しょうばいおうらいにないしょうばい)
泥棒など世間に認められない商売のこと。 「商売往来」は、商売に関係した事柄を書いた江戸時代の書物で、その書物に載っていない商売との意から。
商売は草の種(しょうばいはくさのたね)
商売や職業などの暮らしを立てる方法は、草の種のように種類が多いということ。 「商売は草の種」「世渡りは草の種」「世渡りは草の種」「身過ぎは草の種」ともいう。
商売は道によって賢し(しょうばいはみちによってかしこし)
商人は、商売に関しては何でもよく知っているということ。専門家は、専門とする分野についてよく知っているというたとえ。
焦眉の急(しょうびのきゅう)
危険が差し迫っていること。また、事態が切迫していること。 「焦眉」は眉毛がこげること。 眉毛がこげるほど近くまで火が迫っているとの意から。 「眉(眉毛)に火がつく」ともいう。
正札付き(しょうふだつき)
正味の価格の札が付いていること。転じて、嘘偽りがないこと。 また、定評があること。[[札付き*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7504.php]]。多く悪い意味で用いる。
勝負は時の運(しょうぶはときのうん)
勝負はその時々の運によるもので、必ずしも実力通りに決まるものではないということ。 「勝負は時のはずみ」「勝つも負けるも時の運」「勝つも負けるも運次第」「負けるも勝つも時の運」「負けるも勝つも運次第」などともいう。
正法に奇特なし(しょうぼうにきどくなし)
正しい宗教には不思議な利益(りやく)などは存在せずに、不思議な恩恵があるとすればそれは邪教であるということ。 「正法」は「しょうほう」とも読む。 「正法に不思議なし」ともいう。
しょうもない(しょうもない)
つまらないやばかばかしいなどの意味を表す言葉。 「仕様もない」が変化してできた言葉。
証文が物を言う(しょうもんがものをいう)
いざという時には証文が効果を発揮するということ。
醬油で煮しめたよう(しょうゆでにしめたよう)
布巾や肌着などが、まるで醬油で煮染めたかのように汚れて茶色くなること。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ(しょうをいんとほっすればまずうまをいよ)
何かを達成したり手に入れたりしようとするときには、まずは周囲にあるものから狙うのがよいというたとえ。 敵将を射ようとするのであれば、まず敵将の乗っている馬を射止めるのがよいとの意から。 「将を射んとせば先ず馬を射よ」「人を射んとせば先ず馬を射よ」ともいう。
小を捨てて大に就く(しょうをすててだいにつく)
小さなものを犠牲にして重要なものを守ること。
升を以て石を量る(しょうをもってこくをはかる)
小人物には大人物を理解することはできないこと、または小さな基準では大きな物をはかることができないことのたとえ。 一升ますでは一石をはかることはできない。また、無理にはかっても誤差が生じてしまうことから。
心証を害する(しんしょうをがいする)
言動が相手に悪い印象を与えること。
身上を潰す(しんしょうをつぶす)
持っている財産の全てを使い果たすこと。
信は荘厳より起こる(しんはしょうごんよりおこる)
信仰にも見た目や形式が大切であるということ。 または、形式から内容は導き出されるということ。 寺院や神社の美しく飾られた見た目に感動して信仰心は生まれるということから。
事実は小説よりも奇なり(じじつはしょうせつよりもきなり)
この世の実際の出来事は、作り事の小説よりも変化に富んでおもしろいということ。イギリスの詩人バイロンの言葉。
上昇気流に乗る(じょうしょうきりゅうにのる)
運が上向き、物事が順調に進むようになること。
女子と小人は養い難し(じょしとしょうじんはやしないがたし)
女性と器量の小さい人は扱いにくいということ。 孔子の言葉で、この後に「之(これ)を近づくれば則(すなわ)ち不遜(ふそん)、之を遠ざくれば則ち怨む」と続く。 親切にすると図に乗り、遠ざけると恨まれるとの意から。 「女子と小人とは養い難し」ともいう。
相撲に勝って勝負に負ける(すもうにかってしょうぶにまける)
内容や経過は良いにもかかわらず、結果的に失敗してしまうことのたとえ。 相撲の内容では優勢だったのに、ちょっとしたはずみで負けてしまうとの意から。
袖振り合うも他生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)
見知らぬ人と袖が触れ合うようなちょっとしたことも、偶然ではなく前世からの因縁によるものなので、どんな出会いも大切にしなければならないということ。 「他生の縁」は前世からの因縁のこと。 「他生」は「多生」とも書く。 「袖振り合う」は「袖すり合う」「袖触れ合う」ともいう。
大魚は小池に棲まず(たいぎょはしょうちにすまず)
大人物はつまらない仕事や地位には満足しないというたとえ。 大きな魚は小さな池には棲んでいないという意味から。
大功を論ずる者は小過を録せず(たいこうをろんずるものはしょうかをろくせず)
大きな功績を表彰しようと議論する時、たとえそのかげに小さな過失があっても大目に見て問題にしないということ。
大珠小珠、玉盤に落つ(たいじゅしょうじゅ、ぎょくばんにおつ)
大小の真珠が玉の皿に落ちるように、美しく澄んだ琵琶の音色が響き渡ること。
大敵と見て恐れず小敵と見て侮らず(たいてきとみておそれずしょうてきとみてあなどらず)
相手が強そうに見えても恐れてはいけないし、弱そうに見えても侮ってはいけないということ。
胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す(たんはだいならんことをほっし、こころはしょうならんことをほっす)
度胸は大きく持ちたいし、注意は細やかでありたいということ。 「胆大心小」ともいう。
大根の皮取らぬ阿呆、生姜の皮取る阿呆(だいこんのかわとらぬあほう、しょうがのかわとるあほう)
大根は皮をむかないとまずい。生姜は皮をむくと食べるところが少なくなる。物事の適正を知らない愚か者のたとえ。
大事の前の小事(だいじのまえのしょうじ)
大きな事を行う時には、小さな事にも油断してはいけないということ。また、大きな目的を遂げるためには、小さな犠牲はやむを得ないということ。
大事は小事より起こる(だいじはしょうじよりおこる)
どのような大事も、取るに足りない小さなことが原因となって引き起こされるということ。小さな油断にも気をつけよという戒めの言葉。
大徳は小怨を滅ぼす(だいとくはしょうえんをほろぼす)
受けた恩が大きければ、少しの怨みや不満は気にならなくなるということ。 「大徳」は「たいとく」とも読む。 「大徳は小怨を滅す」ともいう。
大なり小なり(だいなりしょうなり)
多かれ少なかれ。程度の差はあれど。
大は小を兼ねる(だいはしょうをかねる)
大きな物は小さな物の代わりとしても使える。 小さい物より大きな物のほうが役に立つということ。
畜生の浅ましさ(ちくしょうのあさましさ)
畜類の愚かなさま。転じて、人間の卑しさや醜さのこと。
血と汗の結晶(ちとあせのけっしょう)
たいへんな苦労や努力を重ねた末に得た成果。
追従も世渡り(ついしょうもよわたり)
人にこびへつらいお世辞をいうことも、世渡りの一つの手段であるということ。
土一升金一升(つちいっしょうかねいっしょう)
土地の値段が非常に高いことのたとえ。 土一升が金一升に相当するとの意から。
手酌五合、髱一升(てじゃくごごう、たぼいっしょう)
手酌では五合しか飲めないが、若い女性の酌では一升でも飲んでしまうということ。「髱」は日本髪の後ろに張り出している部分で、転じて、若い女性の意。
手のない将棋は負け将棋(てのないしょうぎはまけしょうぎ)
方策がないところには成算がないというたとえ。打つ手に困る将棋は、結局は負けるということから。
手は一生の宝(てはいっしょうのたから)
文字を巧みに書くことは、一生の宝だということ。
転石苔を生せず(てんせきこけをしょうせず)
活発に行動をしている人は常に健康で生き生きしていられることのたとえ。また、転職や転居を繰り返す人は地位も得られず金も貯まらないことのたとえ。 「転石苔を生せず」「転石苔むさず」ともいう。
弟子は師匠の半減(でしはししょうのはんげん)
いかに優れた弟子であっても、学力や技術は師匠の半分ぐらいのもので、師匠を超えることは難しいということ。
出たとこ勝負(でたとこしょうぶ)
事前に準備などせずに、その場の成り行き次第で決着をつけること。さいころ賭博では、出た目で勝負を決めることから。
十日の菊、六日の菖蒲(とおかのきく、むいかのしょうぶ)
時期に遅れて役に立たないもののたとえ。 9月9日の重陽の節句に用いる菊は9月10日では遅く、5月5日の端午の節句に用いる菖蒲は5月6日では間に合わないとの意から。 「六日の菖蒲、十日の菊」ともいう。 また、単に「十日の菊」「六日の菖蒲」ともいう。
富は一生の宝、知は万代の宝(とみはいっしょうのたから、ちはばんだいのたから)
財産は一代限りの宝であるが、すぐれた知恵は後世の人にも役立つ宝であるということ。
どこで暮らすも一生(どこでくらすもいっしょう)
どんな所で暮らしても人の一生に変わりがないから、どうせなら楽しく暮らせる所に住みたいということ。
内証は火の車(ないしょうはひのくるま)
外見は裕福そうに見えても、内実は非常に苦しく、家計や経済状況が極めて厳しいこと。 外部からはその困窮が分かりにくいが、内輪では財政的に追い詰められている様子。
泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生(ないてくらすもいっしょう、わらってくらすもいっしょう)
泣いて暮らすのも笑って暮らすのも、同じ一生に変わりがないのなら、なるべく楽しく暮らすほうがよいということ。
習うは一生(ならうはいっしょう)
人間には学ぶべきことがたくさんあるため、いくつになっても常に学び続ける必要があるという戒め。
二度目の見直し三度目の正直(にどめのみなおしさんどめのしょうじき)
物事は一度目はあてにならず、二度目も見直すことがあり、三度目なら確実だということ。
女房は半身上(にょうぼうははんしんしょう)
その家が繁盛するかどうかは、女房の力にかかっているということ。「身上」は財産の意で、女房は財産の半分の価値があるということから。
人間一生二万日(にんげんいっしょうにまんにち)
人間の平均寿命はかつては五十年とされ、日数にすると約二万日ということになり、一生は長いようにも短いようにも思われるということ。
猫でない証拠に竹を描いておき(ねこでないしょうこにたけをかいておき)
へたな絵をあざけっていう言葉。描いた虎が猫に間違えられないように、「竹に虎」の取り合わせで知られる竹を描き足すという意の川柳から。
猫の精進(ねこのしょうじん)
内心は欲しくてたまらないのに、うわべだけ遠慮することのたとえ。 また、その場だけのことで長続きしないことのたとえ。 猫が大好きな魚を辞退するとの意から。 「猫の精進」「猫の魚を食わぬ振り」ともいう。
蚤の小便、蚊の涙(のみのしょうべん、かのなみだ)
極めてわずかなことのたとえ。
敗軍の将は兵を語らず(はいぐんのしょうはへいをかたらず)
失敗した者は、そのことについて弁解する資格がないということ。戦いに敗れた将軍は兵法について発言する資格はないとの意から。
肌に粟を生ず(はだえにあわをしょうず)
恐ろしい目に遭って、ぞっとする様子。強い恐怖を覚えると皮膚に粟粒のようなものが出来ることから。
端から和尚はない(はなからおしょうはない)
物事には順序や段階があり、一足飛びには上に進めないというたとえ。「端」は、物事の最初の意。
万死一生を顧みず(ばんしいっしょうをかえりみず)
万に一つも生き延びる希望を持たないこと。
万卒は得易く、一将は得難し(ばんそつはえやすく、いっしょうはえがたし)
平凡な人物はたくさんいるが、優秀な人物に巡り会うのは難しいということ。 平凡な兵士を集めることは難しくないが、一人の名将を得ることは難しいとの意から。
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し(ひとのいっしょうはおもにをおうてとおきみちをゆくがごとし)
人生は長く苦しいものだから、辛抱強く努力を重ねて着実に進んでいかなければならないという教え。徳川家康の遺訓から。
百姓百層倍(ひゃくしょうひゃくそうばい)
百姓の仕事では、少量の種をまけば百倍もの収穫をもたらすということ。少ない元手で利益が多いことを「百」の語呂合わせでいった言葉。
百戦百勝は善の善なる者に非ず(ひゃくせんひゃくしょうはぜんのぜんなるものにあらず)
百回戦って百勝しても、何らかの損害がでるので得策とはいえない。戦わずに勝つことが出来れば、それが一番いい方法だということ。
百も承知、二百も合点(ひゃくもしょうち、にひゃくもがてん)
言われるまでもなく、十分に理解しているということ。 「合点」は、承知のこと。 単に「百も承知」ともいうが、「二百も合点」と続けて意味を強めた言葉。
不肖(ふしょう)
親や師に似ないで愚かなこと。また、自分をへりくだっていう言葉。
無精者の一時働き(ぶしょうもののいっときばたらき)
いつも怠けている者が、急に思い立って働いても、一時的だということ。また、そういう者をあざけっていう言葉。
無精者の隣働き(ぶしょうもののとなりばたらき)
自分の家の用は頼まれても何もしない無精な人間が、隣の家では余計な事まで手伝うということ。
法三章(ほうさんしょう)
簡単な法律のこと。また、法律を簡略化すること。漢の高祖が厳しい法律を廃止し、殺人・傷害・窃盗だけを処罰するとした三章からなる簡略な法律を定めたという故事から。