「め」を含む故事・ことわざ・慣用句
「め」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 684 件
肝に銘じる(きもにめいじる)
忘れないように心の中に深く留めておくこと。
客の朝起き宿の迷惑(きゃくのあさおきやどのめいわく)
泊り客がその家の人より早く起きるのは、対応に困って迷惑するということ。 「客の朝起き宿の迷惑」ともいう。
京の夢、大阪の夢(きょうのゆめ、おおさかのゆめ)
京都の夢がふっと大阪に変わるように夢はとりとめのないものだということ。また、夢では大阪のことも京都のこともたやすく見られるように、夢でなら様々な願望が叶うものだということ。 夢の話や夢のような話をする前に唱える言葉。江戸いろはがるたの最後の句。
狂瀾を既倒に廻らす(きょうらんをきとうにめぐらす)
形勢がすっかり傾いた状態を、元の状態に引き戻すことのたとえ。 「狂瀾」「回瀾(廻瀾)」は荒れ狂う大波。 「既倒」は既に倒れたという意味。 荒れ狂う大波を、向こうへ押し返すとの意から。 「狂瀾を既倒に返す」「回瀾(廻瀾)を既倒に反す」ともいう。
気を静める(きをしずめる)
気持ちをおちつかせること。
槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)
栄華が長続きしないことのたとえ。 「槿花」は、むくげの花。 朝に咲いて夕方にはしぼんでしまうむくげの花のように、はかない栄華との意から。 「槿花一朝の夢」ともいう。
金的を射止める(きんてきをいとめる)
誰もがあこがれるものを、自分のものにすること。 「金的」は、金色の弓の的。 小さい的のため射落とすことが難しいことから、あこがれの的を意味するようになった。 「金的を射当てる」「金的を射止める」ともいう。
食い溜め寝溜めは何にもならぬ(くいだめねだめはなんにもならぬ)
余分に食べたり寝たりしても、時間が経てば腹も空くし眠くもなるので無駄であるということ。
臭い飯を食う(くさいめしをくう)
刑務所にはいること。 刑務所の飯が臭かったことから。
楠の木分限、梅の木分限(くすのきぶげん、うめのきぶげん)
生長は遅いが、着実に根を張り大木となる楠の木のように堅実な金持ちと、生長が早い梅の木のようなにわか成金のたとえ。「分限」は、「ぶんげん」とも読み、金持ちのこと。
口と財布は締めるが得(くちとさいふはしめるがとく)
口と財布はきちっと締めておいたほうが得策だから、おしゃべりと浪費は慎めということ。
口は閉じておけ、目は開けておけ(くちはとじておけ、めはあけておけ)
よけいなことをしゃべらず、物事はしっかり見よということ。
口を極めて(くちをきわめて)
あらゆる言葉を尽くしていう様子。最大限の言葉を使う様。
轡の音にも目を覚ます(くつわのおとにもめをさます)
ちょっとしたことにも敏感に反応することのたとえ。「轡」は馬の口につける金具で、その轡が鳴る小さな音でも武士は目を覚ましたということから。
苦杯を嘗める(くはいをなめる)
つらく苦しい経験をすることのたとえ。 「苦杯」は、にがい酒を入れた杯。
位人臣を極める(くらいじんしんをきわめる)
その世界で最高の地位・権力を得ること。 臣下として最高の位に就くとの意から。
暗がりの渋面(くらがりのじゅうめん)
何の効果もないこと。暗いところでしかめっ面をしても誰にもわからないことから。
食わぬ飯が髭に付く(くわぬめしがひげにつく)
身に覚えのない疑いをかけられることのたとえ。 食べもしない飯粒が知らない間に髭に付いて疑われることから。
兄弟牆に鬩げども外その務りを禦ぐ(けいていかきにせめげどもそとそのあなどりをふせぐ)
普段は喧嘩ばかりしている兄弟も、外部から侮辱を受けると協力してこれを防ぐということ。 「牆」は垣根、「鬩ぐ」は争うことから、「牆に鬩ぐ」は垣根の中(家の中)で争うこと。 「務り」は「侮り」と同じく侮辱のこと。
けじめを付ける(けじめをつける)
ものごとの区別をはっきりさせること。 また、間違いなどについて責任をとること。
外面似菩薩、内心如夜叉(げめんじぼさつ、ないしんにょやしゃ)
外面は菩薩のようにやさしく美しいが、内面は夜叉のように邪悪で恐ろしい人のこと。 仏教で、女性が修行の妨げになることを戒めていった言葉。 「外面如菩薩、内心如夜叉」ともいう。
効能書きの読めぬ所に効能あり(こうのうがきのよめぬところにこうのうあり)
薬の効能書きは難解だが、それがかえって効きそうな気にさせる。わかりにくいものほど、有難みがあるということのたとえ。また、効能書きの難解さへの皮肉にいう。
黄粱一炊の夢(こうりょういっすいのゆめ)
人生の栄枯盛衰のはかなさのたとえ。 昔、中国の邯鄲(かんたん)で盧生という青年が、道士から枕を借りて眠った。夢の中で、出世して財力や権力を手に入れるという長い人生の経験をしたが、目覚めてみると炊きかけの粥がまだ煮えきらない短い時間であったという故事から。 「邯鄲の枕」「邯鄲の夢」「一炊の夢」「盧生の夢」「黄粱の夢」「黄粱の一炊」「黄粱一炊の夢」など多くの呼び方がある。
黄粱の夢(こうりょうのゆめ)
人生の栄枯盛衰のはかなさのたとえ。 昔、中国の邯鄲(かんたん)で盧生という青年が、道士から枕を借りて眠った。夢の中で、出世して財力や権力を手に入れるという長い人生の経験をしたが、目覚めてみると炊きかけの粥がまだ煮えきらない短い時間であったという故事から。 「邯鄲の枕」「邯鄲の夢」「一炊の夢」「盧生の夢」「黄粱の夢」「黄粱の一炊」「黄粱一炊の夢」など多くの呼び方がある。
声を潜める(こえをひそめる)
他人に聞こえないように、小さな声で話すこと。
氷に鏤め、脂に描く(こおりにちりばめあぶらにえがく)
努力や苦労が報われず、徒労に終わることのたとえ。 「鏤む」は彫刻すること。 脂に絵を描いても、氷に彫刻しても、残らず消えてしまうということから。 「氷に鏤め、脂に画く」「氷に鏤め、水に描く」ともいう。
心に留める(こころにとめる)
忘れないように、心にしっかりと覚えておくこと。
心の鬼が身を責める(こころのおにがみをせめる)
良心に責められることのたとえ。「心の鬼」は、良心の呵責の意。
心を痛める(こころをいためる)
あれこれ思い悩んだり、心配したりすること。
乞食を三日すればやめられぬ(こじきをみっかすればやめられぬ)
悪い習慣が身についてしまうと、なかなか抜けられないというたとえ。 気楽な乞食の暮らしを三日も経験したならばやめることはできないとの意から。 「乞食を三日すれば忘れられぬ」ともいう。
胡蝶の夢(こちょうのゆめ)
夢と現実の世界との区別がつかなくなるたとえ。また、人生が夢のようにはかないことのたとえ。 「胡蝶」は蝶の美称。 昔、荘子が蝶になった夢を見たが、目が覚めるともとのままの自分で、自分が夢の中で蝶になったのか、それとも夢の中の蝶が自分になったのか、わからなくなったという故事から。
小爪を拾う(こづめをひろう)
ことば尻を捕えて非難したり口答えをしたりすること。
米食った犬が叩かれずに糠食った犬が叩かれる(こめくったいぬがたたかれずにぬかくったいぬがたたかれる)
大きな悪事をはたらいた者が罪を逃れ、小さな悪事を犯した者が罰せられるたとえ。
米の飯と女は白いほどよい(こめのめしとおんなはしろいほどよい)
白い米の飯がうまいように、女も色が白いほうがきれいに見えるということ。
米の飯と天道様はどこへ行っても付いて回る(こめのめしとてんとうさまはどこへいってもついてまわる)
どんな所でも太陽が当たるように、どこへ行っても食べることは何とでもなるということ。
米の飯より思し召し(こめのめしよりおぼしめし)
ごちそうしてくれるのもうれしいが、その気持ちのほうがずっとうれしいということ。「飯」と「召し」をかけて調子よく言った言葉。
米を数えて炊ぐ(こめをかぞえてかしぐ)
つまらないことをいちいち気にしたり、ひどく物惜しみをするたとえ。 米を一粒ずつ数えて飯を炊くとの意から。
根を詰める(こんをつめる)
寝る間も惜しんで、ある物事に没頭すること。
五斗米のために腰を折る(ごとべいのためにこしをおる)
わずかな俸禄を得るために、人の機嫌をとってぺこぺこ頭を下げること。 中国唐の詩人陶淵明が、上役が視察に来るので礼服を着るよう求められた時、五斗米のために腰を折ってへつらうのは嫌だと言って断ったという故事から。 「五斗米」は五斗の米、転じてわずかな給料のこと。
ごまめでも尾頭つき(ごまめでもおかしらつき)
小さいながらも立派に形が整っていることのたとえ。「ごまめ」は片口鰯を干したもので、小さくても頭から尾までそろっていることから。
ごまめの歯軋り(ごまめのはぎしり)
実力のない者がいたずらにくやしがったり、いきりたったりすることのたとえ。また、実力のない者が、いくら悔しがっても無駄というたとえ。 「ごまめ」は片口鰯を干したもので、小さなごまめが歯軋りして憤慨しても、あまりに微力であることから。
ゴルディオンの結び目(ごるでぃおんのむすびめ)
難問・難題のこと。ゴルディオンの町の神殿に結ばれた複雑な縄の結び目を解いた者はアジアを支配するという伝説があり、アレクサンドロス大王が一刀両断で切り落とし、アジアを征服したという故事から。
鷺を烏と言いくるめる(さぎをからすといいくるめる)
明らかに間違っているのに、強引に主張して押し通そうとするたとえ。真っ白な鷺を烏だと言い張るという意。「言いくるめる」は、相手を言葉で丸め込むという意。
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿(さくらきるばか、うめきらぬばか)
樹木の剪定(せんてい)方法をいったことば。桜は枝を切ると枯れることがあるのでそのままがいいし、梅は無駄な枝が伸びないように切ったほうがよいということ。
皿嘗めた猫が科を負う(さらなめたねこがとがをおう)
悪事をはたらいた主犯が罰せられず、少しだけ関与した小者が罰せられるたとえ。 皿の上の魚を食べた猫はとっくに逃げてしまい、あとからやって来て皿をなめただけの猫が罪を着せられるとの意から。
三度の飯も強し柔らかし(さんどのめしもこわしやわらかし)
世の中のことは、なかなか自分の思う通りにはならないというたとえ。 毎日炊いている飯でさえ、固すぎたり柔らかすぎたりして思うようにはいかないだから、世の中のことが思い通りにいかないのは当然だということから。
三度の飯より好き(さんどのめしよりすき)
他の何よりも好きであること。 一日三回の食事がどうでもいいと思うほどに好むということから。
三度目の正直(さんどめのしょうじき)
物事は一度目や二度目はだめでも、三度目はうまくいくということ。
三度目は定の目(さんどめはじょうのめ)
物事は一度目や二度目の結果は当てにならないが、三度目ともなれば確実だということ。「定の目」は、定まった賽の目のこと。
酸鼻を極める(さんびをきわめる)
戦争や災害、事故などによって目を覆いたくなるほど悲惨な状態になること。 また、その状態に触れて心を痛めること。
座禅組むより肥やし汲め(ざぜんくむよりこやしくめ)
座禅を組んで修行する暇があるなら、肥やしを汲んで農作業に精を出せということ。時間や労力を実業以外のことに使うことを戒める言葉。
座右の銘(ざゆうのめい)
常に自分のそばに書き記しておいて心に留め、戒めとする言葉。「座右」は、身近の意。
塩を売っても手を嘗めろ(しおをうってもてをなめろ)
塩を売る商人が、手に付いた塩も無駄にせず嘗めるように、細かな事にも注意して、無駄のないように気をつけよという戒めの言葉。
しくじるは稽古のため(しくじるはけいこのため)
失敗は後に成功するための練習をしているようなものという意味。
仕事幽霊飯弁慶、その癖夏痩せ寒細り、たまたま肥ゆれば腫れ病(しごとゆうれいめしべんけい、そのくせなつやせかんぼそり、たまたまこゆればはれやまい)
仕事は出来ないのに飯は山のように食べ、夏も冬のように痩せていて、たまに太ったかと思えば病気にかかっている。怠け者の大食漢の多病をあざけった言葉。
四十過ぎての道楽と七つ下がって降る雨は止みそうで止まぬ(しじゅうすぎてのどうらくとななつさがってふるあめはやみそうでやまぬ)
中年になってから始めた道楽と、七つ下がりに降り出した雨は、なかなかやまないということ。「七つ下がり」は午後四時過ぎのこと。
死生、命あり(しせい、めいあり)
人の生死は天命によるもので、人の力ではどうすることもできないということ。「死生」は、死ぬことと生きること。
死せる孔明、生ける仲達を走らす(しせるこうめい、いけるちゅうたつをはしらす)
生前の威信が死後も保たれ、人々を恐れさせるたとえ。 中国、蜀の諸葛孔明が魏の司馬仲達と対陣中病死した。退却しようとした蜀軍を仲達はただちに追撃したが、蜀軍は孔明の遺命に基づいて反撃の姿勢を見せたため、仲達は孔明がまだ死んでおらず、何か策略があるのではないかと恐れ退却したという故事から。
死中に活を求める(しちゅうにかつをもとめる)
助かる望みがない絶望的な状態の中で、なおも必死に活路を探し求めること。 「死中に生を求める」ともいう。
しっちゃかめっちゃか(しっちゃかめっちゃか)
物事が酷く混乱している様子。めちゃくちゃ。
死にたいと麦飯食いたいほど大きな嘘はない(しにたいとむぎめしくいたいほどおおきなうそはない)
人間は時には心にもないことを言うということ。死にたいと言っても本当に死ぬ気のある者はいないし、麦飯を食べたいと言っても本当は粗食を好むわけではないということ。
死ぬ死ぬと言う者に死んだ例なし(しぬしぬというものにしんだためしなし)
死ぬ死ぬと言う者にかぎって、本当に自殺する者はいないということ。
死ぬる子は眉目よし(しぬるこはみめよし)
早死にする子にかぎって器量がよく、ふびんで惜しまれるということ。
士は己を知る者の為に死す(しはおのれをしるもののためにしす)
男子は自分の真価を認めてくれる者のためには、命さえ惜しまずに尽くすということ。「士は己を知る者の為に死し、女は己を説ぶ者の為に容づくる」と続く。
死命を制する(しめいをせいする)
他人の生死に大事な所を押さえて、自分の思うままに操ること。
しめこの兎(しめこのうさぎ)
物事がうまくいったということをしゃれて言うことば。
示しが付かない(しめしがつかない)
教える側の立場としてよい例にならないこと。手本にならない。
衆知を集める(しゅうちをあつめる)
大勢の知恵や知識をまとめること。または、大勢の意見を聞くこと。
姑に似た嫁(しゅうとめににたよめ)
嫁は姑に仕込まれているうちに、だんだん姑に似てくるということ。
姑の十七、見た者ない(しゅうとめのじゅうしち、みたものない)
姑は自分の若い頃のことを引き合いに出して嫁に小言を言うが、誰も姑の若い時を知らないので当てにはならないということ。
手中に収める(しゅちゅうにおさめる)
望んでいたものを自分のものにすること。 「掌中に収める」ともいう。
猖獗を極める(しょうけつをきわめる)
病気などのよくないものが猛威をふるうこと。
しょう事なしに米の飯(しょうことなしにこめのめし)
貧しさのため、かえって不経済な生活をしなければならないことのたとえ。また、一つしか取り柄がないので、やむなくその事を自慢するたとえ。「しょう事なし」は、どうしたらいいのか、適当な方法がみつからないこと。麦飯のほうが安上がりだが、新たに麦を買う金がないので、仕方なく持っている米の飯を食べるということから。
生者必滅、会者定離(しょうじゃひつめつ、えしゃじょうり)
命ある者はいつか必ず死に、出会った者はいずれ別れるのがこの世の定めであるということ。
醬油で煮しめたよう(しょうゆでにしめたよう)
布巾や肌着などが、まるで醬油で煮染めたかのように汚れて茶色くなること。
白髪は冥土の使い(しらがはめいどのつかい)
年をとって増えてくる白髪は、死が近づきつつある証拠であるということ。
尻目に掛ける(しりめにかける)
他人を見下す態度を取ること。 「尻目」は目だけを動かして少し見ること。 「尻目」は「後目」とも書く。
辛酸を嘗める(しんさんをなめる)
辛く苦しい目に遭うこと。「辛酸」は、辛い目や苦しい思いのこと。
心胆を寒からしめる(しんたんをさむからしめる)
心の底から恐れおののかせること。震え上がらせること。 「心胆」は、きもったまのこと。 「心肝を寒からしめる」ともいう。
死んだら褒められる(しんだらほめられる)
生前悪評のあった人でも、死んでしまうと懐かしがられ、褒められるようになるということ。
