「しょ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「しょ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 244 件
相性が悪い(あいしょうがわるい)
相手との性格や考え方、調子などが上手く合わない。 「相性」は「合性」とも書く。
悪の温床(あくのおんしょう)
悪事や、良くない思想が生まれやすい環境。
汗の結晶(あせのけっしょう)
多くの苦労や、並々ならない努力によって得られた成果のこと。
後から剝げる正月言葉(あとからはげるしょうがつことば)
上品ぶった言葉や、うわべだけ飾った体裁だけのお世辞は、すぐに化けの皮がはがれるということ。「正月言葉」は正月に使う体裁ぶった言葉の意で、上品ぶった使いなれない言葉のこと。
暗礁に乗り上げる(あんしょうにのりあげる)
思わぬ障害によって、物事の進行が阻まれることのたとえ。 「暗礁」は水面下にあって見えない岩のこと。 船が海の中の見えない岩に乗り上げて、先に進めなくなるとの意から。
衣食足りて栄辱を知る(いしょくたりてえいじょくをしる)
人は生活にゆとりができて、初めて礼儀や節度をわきまえるようになるということ。
衣食足りて礼節を知る(いしょくたりてれいせつをしる)
人は生活にゆとりができて、初めて礼儀や節度をわきまえるようになるということ。
一髪、二化粧、三衣装(いちかみ、にけしょう、さんいしょう)
女性を美しく見せるのは、第一は髪かたちの美しさ、二番目は化粧、三番目が衣装だということ。
一樹の陰一河の流れも他生の縁(いちじゅのかげいちがのながれもたしょうのえん)
この世で起こるすべての出来事は、すべて前世からの因縁によるものなので大切にしなければならないということ。 同じ木の陰で雨宿りをしたり、同じ流れの水を飲んだりするといった、偶然のちょっとした出来事も、すべて前世からの縁によるものであるとの意から。 「一河の流れを汲むも他生の縁」ともいう。
一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
輝かしい功績をあげた人の陰には、多くの人の努力や苦労があるというたとえ。 指導者だけが功名を得ることを嘆く言葉。 一人の将軍が輝かしい功名をあげた陰には、犠牲となった一万人もの兵士の骨が戦場にさらされているとの意から。
一生添うとは男の習い(いっしょうそうとはおとこのならい)
一生君を愛して離さない、というのは男が女を口説くときの決まり文句であるということ。
一升徳利こけても三分(いっしょうどっくりこけてもさんぶ)
元手が多ければ、多少損をしても平気だというたとえ。 一升徳利が倒れて中身がこぼれても、三分(三合)くらいは残っているとの意から。
一升徳利に二升は入らぬ(いっしょうどっくりににしょうははいらぬ)
ものには限界があり、それ以上を望んでも無理だということ。 一升入りの徳利に二升は入らないとの意から。
一笑に付す(いっしょうにふす)
ただ笑って、まったく問題にしない。
一生の不作(いっしょうのふさく)
生涯にかかわるような失敗。取り返しがつかないほどの失敗。
一升の餅に五升の取り粉(いっしょうのもちにごしょうのとりこ)
主となるものより、それに付随するもののほうが多く必要であることのたとえ。 「取り粉」は、つきたての餅がねばりつかないようにつける粉。 一升の餅をつくためには五升の取り粉が必要になることから。
一升入る壺は一升(いっしょうはいるつぼはいっしょう)
一升入りの容器には、どうやっても一升しか入らないということ。物にはそれそれの限度があることのたとえ。
一笑を買う(いっしょうをかう)
周囲の人から笑いものにされること。
一朝の怒りに一生を過つ(いっちょうのいかりにいっしょうをあやまつ)
一時的な怒りのために我を忘れて行動すること。 また、そのような行動は身を滅ぼすことになるという戒め。 「一朝の怒りに一生を過つ」ともいう。
鰯で精進落ち(いわしでしょうじんおち)
せっかくの努力がつまらないことで報われなくなることのたとえ。また、長い間の努力が十分に報われないことのたとえ。 「精進落ち」は菜食で身を慎む精進期間が終わって、魚肉類を食べること。 精進期間中に鰯のようなつまらない魚をうっかり食べてそれまでの努力を無駄にするとの意から。また、精進期間が終わったのに鰯のようなつまらない魚で祝いをするとの意から。
飢えては食を択ばず(うえてはしょくをえらばず)
飢えているときには、食べ物を選り好む余裕などないため、何でも食べるということ。
浮世は衣装七分(うきよはいしょうしちぶ)
とかく世間では外見を重んじ、うわべで内容を判断しがちだということ。七分は十分の七のことで、衣装で七分がた評価が下される意から。
羽觴を飛ばす(うしょうをとばす)
宴会などで人々が盛んに酒杯のやりとりをするようす。「羽觴」は羽を広げた雀をかたどった觴(さかずき)のことでそれを人々の間を飛ぶようにまわして酒盛りをする意から。
王侯将相寧んぞ種あらんや(おうこうしょうしょういずくんぞしゅあらんや)
王や諸侯、将軍、大臣になるには家柄や血統など関係なく、必要なのはその人の才能や努力だということ。「種」は家柄、血統の意。
お相伴にあずかる(おしょうばんにあずかる)
同伴者として、もてなしを受けること。 「相伴」は主客と一緒に行ってもてなしを受けること。
おっと合点承知之助(おっとがってんしょうちのすけ)
納得・承諾したことを人名になぞらえ調子よくいった言葉。 単に「合点承知之助」「合点承知」ともいう。
驚き、桃の木、山椒の木(おどろき、もものき、さんしょのき)
たいそう驚いたということを「き」の語呂合わせでいった言葉。
鬼瓦にも化粧(おにがわらにもけしょう)
鬼瓦のように器量のよくない女性も、化粧ひとつでそれなりにきれいに見えるというたとえ。
親が死んでも食休み(おやがしんでもしょくやすみ)
どんなに忙しくても食後の休憩は大切だということ。
お山の大将(おやまのたいしょう)
小さな集団や狭い世界の中で、自分が一番偉いと得意になって威張っている人のこと。
女は衣装髪かたち(おんなはいしょうかみかたち)
女は着る物と髪かたちによって見違えるほど美しくなれる。女にとって着る物と髪かたちはとても大切なものだということ。
甲斐性が無い(かいしょうがない)
積極的に物事をやり遂げようという気力がなく、頼りにならないことのたとえ。
華燭の典(かしょくのてん)
婚礼。結婚式。「華燭」は華やかなともしび、「典」は儀式のこと。
華胥の国に遊ぶ(かしょのくににあそぶ)
いい気持ちで昼寝をすること。中国の黄帝が夢の中で「華胥の国」という理想の国で遊んだという故事から。
家書万金に抵る(かしょばんきんにあたる)
旅先で受け取る家からの手紙は、万金に匹敵するほど貴重だということ。
歌人は居ながらにして名所を知る(かじんはいながらにしてめいしょをしる)
歌人は古歌や歌枕の研究によって、実際にその場所に行ったことはなくても、名所について詳しいということ。
壁訴訟(かべそしょう)
相手がいないのに、ひとりで不平をつぶやくこと。また、当てこすりをいうこと。
壁に耳あり障子に目あり(かべにみみありしょうじにめあり)
どこで誰が見たり聞いたりしているかわからないので、話す内容には十分気をつけなくてはいけないという戒めの言葉。 密かに話しているつもりでも、壁に耳を当てて聞いたり、障子に穴をあけてのぞいたりしている者がいるかもしれないとの意から。 「壁に耳障子に目」「壁に耳」「壁に耳あり」「障子に目」などともいう。
神は正直の頭に宿る(かみはしょうじきのこうべにやどる)
正直で誠実な人には必ず神の助けがあるということ。
鴨が葱を背負って来る(かもがねぎをしょってくる)
好都合な状況が重なり、さらに良い結果が生まれることのたとえ。 鍋料理で用いる鴨が自ら葱を背負ってやってくるような、非常に都合の良い状況を表す言葉。 特にお人好しが自らの行動で他人に利益をもたらす場合によく使われ、略して「鴨葱」ともいう。
借りる八合、済す一升(かりるはちごう、なすいっしょう)
人に物やお金を借りたら、少し多めに返すか、お礼を添えて返すのが常識であるということ。 「済す」は、返済すること。 八合借りたら、一升にして返すべきであるとの意から。
間隙を生じる(かんげきをしょうじる)
人間関係が悪化すること。 互いのあいだに隙間ができる意から。
堪忍は一生の宝(かんにんはいっしょうのたから)
怒りを抑えたり痛みや苦しみをこらえたりすることができると、一生の宝を持っているように安らかで幸福に生きていくことができるので、生涯心がけていくべきであるということ。 「堪忍は身の宝」ともいう。
雁書(がんしょ)
便り、手紙のこと。 中国前漢の蘇武が、匈奴に捕らえられた時、自分の生存を知らせる手紙を雁の足に結んで放ったという故事から。 「雁札」「雁帛」「雁の使い」「雁の便り」「雁の玉章」ともいう。
顔色なし(がんしょくなし)
恐れや驚きのために、顔色が真っ青になること。また、完全に圧倒されてどうにもならないようす。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥(きくはいっときのはじ、きかぬはいっしょうのはじ)
知らないことを聞くのはほんの一時の恥で済むが、聞かずに知らないまま過ごすのは一生恥ずかしいということ。
気色が悪い(きしょくがわるい)
気味が悪く不快に感じるさま。
九死に一生を得る(きゅうしにいっしょうをえる)
ほとんど助かる見込みがないと思われる危険な状態に陥りながら、かろうじて助かること。 「十のうち、九が死、一が生」のような助かる見込みがほとんどない状況で生き残るとの意から。 「万死に一生を得る」「万死の中に一生を得」「万死を出でて一生に遇う」「九死一生」などともいう。
急所を衝く(きゅうしょをつく)
物事の核心となる部分を鋭く指摘すること。
急所を握る(きゅうしょをにぎる)
相手の致命的な弱点や嫌がる所を的確に見抜くこと。
旭日昇天の勢い(きょくじつしょうてんのいきおい)
天に昇る朝日のように、勢いが盛んなようす。「旭日」は、朝日の意。
疑心、暗鬼を生ず(ぎしん、あんきをしょうず)
疑いの心を持つと、何でもないことまで恐ろしく、不安になること。
口には関所がない(くちにはせきしょがない)
人の口から出る言葉をさまたげる関所はない。だから何を言っても自由だというたとえ。
食わぬ殺生(くわぬせっしょう)
自分のためにもならないのに無益な殺生をすること。
君子の過ちは日月の食のごとし(くんしのあやまちはじつげつのしょくのごとし)
君子はたとえ過ちを犯すようなことがあっても、日食や月食が一時的なように、すぐに改めてもとの徳性に返るものだということ。
君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず(くんしはわしてどうぜず、しょうじんはどうじてわせず)
すぐれた人物は、人と仲良くするが自主性を失わずむやみに同調しない。つまらぬ人間は、すぐに同調し自主性を欠いているということ。
現世安穏、後生善処(げんぜあんのん、ごしょうぜんしょ)
法華経を信じる人は、この世では安穏に生活でき、あの世ではよい世界に生まれるということ。
恋に師匠なし(こいにししょうなし)
恋というものは人から教えられなくても、年ごろになれば自然に覚えるものだということ。
巧言令色、鮮なし仁(こうげんれいしょく、すくなしじん)
口先だけで上手を言い、表情をとりつくろって人に気に入られようとする者には、最高の徳である仁の心が欠けているということ。 「巧言」は巧みな言葉遣い、「令色」は顔色をとりつくろうこと。 「鮮なし」は「少なし」と同じ意味。
孤掌鳴らし難し(こしょうならしがたし)
人間は一人きりでは生きられないこと、一人では物事を成し遂げることはできないことのたとえ。 「孤掌」は、片方の手のひら。 片方の手のひらだけでは、手を打ち鳴らすことは出来ないことから。
胡椒の丸呑み(こしょうのまるのみ)
表面だけを見て、物事の本質を理解しないことのたとえ。 胡椒をかみ砕かずに丸呑みしても、味は分からないことから。
乞食も場所(こじきもばしょ)
何事をするにも、場所を選ぶことが大事だというたとえ。 乞食も座る場所によって稼ぎが違うとの意から。
尽く書を信ずれば則ち書無きに如かず(ことごとくしょをしんずればすなわちしょなきにしかず)
批判できる力を持たずに書物読んで、その全てを信じてしまうくらいなら、書物など読まないほうがよいということ。 どんな書物も完ぺきではないので、盲信してはいけないとの意から。
衣ばかりで和尚はできぬ(ころもばかりでおしょうはできぬ)
形だけ整っていても役に立たないということ。また、人は見かけだけでは判断できないということ。 僧衣をまとっただけでは僧侶にはなれないとの意から。
後生が大事(ごしょうがだいじ)
来世の安楽を願って信心することが大切だということ。
後生大事や金欲しや死んでも命のあるように(ごしょうだいじやかねほしやしんでもいのちのあるように)
来世の安楽を願いながら、現世の金も欲しいと、あれもこれも願う人間の強欲さのたとえ。
後生願いの六性悪(ごしょうねがいのろくしょうあく)
来世の安楽を願っていながら、たちの悪いことをするたとえ。「後生願い」は、来世の極楽往生を願うこと。「六性悪」は、喜・怒・哀・楽・愛・悪の六つの感情の「六性」と「性悪」をかけていったもの。
後生は徳の余り(ごしょうはとくのあまり)
一生懸命に徳を積めば、おのずと来世の安楽もかなえられるということ。また、現世の暮らしに余裕があってこそ、来世の安楽を祈ることができるということ。
碁で負けたら将棋で勝て(ごでまけたらしょうぎでかて)
あることで失敗してもくよくよせず、別の事で取り返せということ。
歳寒の松柏(さいかんのしょうはく)
逆境で苦しい状況でも、信念や志を貫くことのたとえ。 「歳寒」は季節の冬。または逆境や苦難という意味。 松や柏などの常緑樹は寒い季節でも緑の葉をつけていることから。 「松柏の操」ともいう。
最初で最後(さいしょでさいご)
一度だけで二度はないこと。一度きりであること。
酒飲み、本性違わず(さけのみ、ほんしょうたがわず)
酒に酔っても、その人の本来の性質は変わらないということ。 「酒飲み」は「生酔い」「上戸」ともいう。
寒さ小便、ひだるさ欠伸(さむさしょうべん、ひだるさあくび)
寒い時にはやたらと小便がしたくなり、空腹の時にはしきりに欠伸が出るということ。 「ひだるい」は、空腹であること。 「ひだるさ欠伸、寒さ小便」ともいう。
山椒は小粒でもぴりりと辛い(さんしょはこつぶでもぴりりとからい)
体は小さくても、激しい気性と優れた才能を持ち、侮り難い存在のたとえ。山椒の実は小粒ながら、激しい辛味を持つことから。「山椒」は、本来「さんしょう」という。
三度目の正直(さんどめのしょうじき)
物事は一度目や二度目はだめでも、三度目はうまくいくということ。
三遍回って煙草にしょ(さんべんまわってたばこにしょ)
休むことは後回しにして、念入りに物事に取り組むこと。 「煙草」は休憩のたとえ。 夜回りをしっかりと三回してから休憩するとの意から。
支証の出し遅れ(ししょうのだしおくれ)
時機を逃してしまい役に立たなくなってしまうことのたとえ。 証拠を出し遅れてしまうとの意から。 「証文の出し遅れ」ともいう。
師匠のはな負け(ししょうのはなまけ)
最初は師匠が弟子に負けることもあるが、回を重ねると弟子が負け、やはり師匠の実力にはかなわないということ。勝負事で初めに負けたものが負け惜しみにいう言葉。
士族の商法(しぞくのしょうほう)
急に不慣れなことを始めて失敗することのたとえ。明治初期、士族が生計を立てるため慣れない商売に手を出して失敗したことから。
失笑を買う(しっしょうをかう)
愚かな言動をして他人から笑われること。 「失笑」は笑いを堪え切れずに吹き出してしまうこと。