「ら」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ら」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1236 件
- 色男、金と力はなかりけり(いろおとこ、かねとちからはなかりけり)- 美男子は、経済力も腕力もないものだということ。美男子をからかった川柳。 
- 鰯網で鯨捕る(いわしあみでくじらとる)- 思いがけない幸運や収穫を得たりすることのたとえ。また、あるはずのないことのたとえ。 
- 鰯の頭も信心から(いわしのあたまもしんじんから)- どんなつまらないものでも、信じる心があれば尊く思われるということ。節分の夜、鰯の頭をひいらぎの枝に刺して門口に置くと鬼気を追い払うといわれてきたことから。 
- 殷鑑遠からず(いんかんとおからず)- 戒めとなる失敗の例は、すぐ身近にあるというたとえ。 殷の国民が鑑(かがみ)とすべき手本は、遠い時代に求めなくても、前代の夏(か)の滅亡がよい戒めであるとの意から。 
- 陰徳あれば必ず陽報あり(いんとくあればかならずようほうあり)- 人知れず善い行いをする者には、必ず善い報いがあるということ。 
- 有為転変は世の習い(ういてんぺんはよのならい)- この世の一切の事物は因縁によって生じ、常に変化し続けていくはかないものであるということ。 
- 憂いも辛いも食うての上(ういもつらいもくうてのうえ)- 悲しい・辛いなどの不満は、衣食が満たされているから言える事なので、食べることさえままならない状況ではそんな事は言っていられないということ。 
- 飢えては食を択ばず(うえてはしょくをえらばず)- 飢えているときには、食べ物を選り好む余裕などないため、何でも食べるということ。 
- 浮世渡らば豆腐で渡れ(うきよわたらばとうふでわたれ)- 世渡りは、内面にやさしさと柔軟性をもち、物事のけじめはきっちりとつけよというたとえ。豆腐は外見が四角くきちんとした形だが、内は柔らかいことから。 
- 憂さを晴らす(うさをはらす)- 苦しさやつらさを何かで紛らわすこと。気晴らしをすること。 
- 後ろに柱前に酒(うしろにはしらまえにさけ)- 快く気楽な気分のたとえ。 後ろにある柱にもたれかかり酒を飲むことから。 
- 牛を食らうの気(うしをくらうのき)- 幼い頃から大きな目標を持っていることのたとえ。 虎(とら)や豹(ひょう)は、子どもの時から自分より大きな牛を食おうとするほどの激しい気性を持っているの意から。 「食牛の気」ともいう。 
- 臼から杵(うすからきね)- 女性から男性に言い寄ることのたとえ。物事が逆であることのたとえ。 「臼」は女性、「杵」は男性をさす隠語。 
- 嘘から出た実(うそからでたまこと)- 嘘として言ったことが、偶然事実となること。 
- 嘘八百を並べる(うそはっぴゃくをならべる)- やたらに嘘をつくこと。また、まったくのでたらめであること。「八百」は数が多いことの意。 
- 打たねば鳴らぬ(うたねばならぬ)- 何もしなければ何も生まれない。何事も行動しなければ成果はでないということ。 
- うだつが上がらぬ(うだつがあがらぬ)- 逆境から抜け出せずに地位や生活がよくならにことのたとえ。 「うだつ」は梁の上に立てて棟木を支える短い柱のこと。 棟木に押さえられて頭が上がらない、出世できないとの意から。 
- 内に省みて疚しからず(うちにかえりみてやましからず)- 自分の心の中を振り返ってみて、良心に恥じることが少しもないということ。 
- 鬱憤を晴らす(うっぷんをはらす)- 心の中に抑えている怒りや恨みなどを発散させること。 
- 移れば変わる世の習い(うつればかわるよのならい)- 時代が移り変われば世の中も変わっていくのが当然だということ。 「移り変わるは浮き世の習い」ともいう。 
- 腕を鳴らす(うでをならす)- 優れた技量を発揮して名声を得ること。 
- 独活の大木柱にならぬ(うどのたいぼくはしらにならぬ)- 身体ばかり大きくて何の役にも立たない人のたとえ。 「独活」は植物の名。 独活は木のように大きくなるが、茎が柔らかいため材木にはならないことから。 「独活の大木柱にならぬ」ともいう。 
- 鵜の真似をする烏(うのまねをするからす)- 自分の能力をわきまえず、人の真似をして失敗することのたとえ。 「鵜」は、水鳥の名。 水に潜って巧みに魚を捕る鵜の真似をして、烏が水に潜っても溺れるばかりであるとの意から。 「鵜の真似をする烏水に溺れる」「鵜の真似をする烏水を呑む」「烏が鵜の真似」ともいう。 
- うまくいったらお慰み(うまくいったらおなぐさみ)- 上手くいったら大いに結構である。 成功する確率が低いことを行なう時に当人がへりくだって、または周りの人が軽い皮肉を込めて言う言葉。 
- 馬も買わずに鞍買う(うまもかわずにくらかう)- 物事の順序が逆であるたとえ。 
- 生まれながらの長老なし(うまれながらのちょうろうなし)- 生まれながらにすぐれた人間などいるはずもなく、みんな長い間の修養や経験をつんで立派な人間になるということ。 
- 海魚腹から川魚背から(うみうおはらからかわうおせから)- 海の魚は腹から、川の魚は背から裂くのがよいということ。 
- 裏表がない(うらおもてがない)- 人前での振る舞いと心のうちが一貫していて嘘がないさま。 
- 裏で糸を引く(うらでいとをひく)- 自分自身は表に出ないで、裏で他人を意のままに動かすこと。 人形師が糸を引いて人形を操ることから。 「裏で糸を引く」ともいう。 
- 裏には裏がある(うらにはうらがある)- 物事の裏面には、表面からわからない複雑な事情が入り組んでいるということ。 
- 裏の裏を行く(うらのうらをいく)- 相手のやり方を見抜いて、相手の予想外の行動を取ること。 
- 裏へ回る(うらへまわる)- 表立たないところで、人に気づかれないように行動すること。 
- 恨み骨髄に徹す(うらみこつずいにてっす)- 相手を激しく恨む様子。 相手への恨みが骨の髄まで染みるとの意から。 
- 怨みに報ゆるに徳を以てす(うらみにむくゆるにとくをもってす)- 恨みのある相手に対しても、恩徳を施すこと。 
- 怨みほど恩を思え(うらみほどおんをおもえ)- 人は怨みという感情はなかなか忘れないが、恩義を受けたことは忘れがちである。怨みを忘れないのと同じように、恩を忘れてはいけないということ。 
- 恨みを買う(うらみをかう)- 自分の言動で、人から恨まれること。 
- 恨みを飲む(うらみをのむ)- 恨みを胸の内にしまい込み、じっと我慢すること。 
- 裏目に出る(うらめにでる)- よかれと思ってしたことが、逆によくない結果になること。「裏目」は、さいころを振って出た目の裏側の目のこと。 
- 売られた喧嘩は買わねばならぬ(うられたけんかはかわねばならぬ)- 自分の身に危険が迫ってくれば、それを防がなければならないというたとえ。 
- 裏を返せば(うらをかえせば)- 逆の見方をすると。逆を言えば。 
- 裏をかく(うらをかく)- 相手が予想していない行動に出て、相手を出し抜くこと。 
- 裏を取る(うらをとる)- 裏付けとなるものを捜し出すこと。真偽を確認すること。 
- 売家と唐様で書く三代目(うりいえとからようでかくさんだいめ)- 初代が苦労して残した財産も、三代目にもなると没落し、家を売りに出すような羽目になるが、その「売家」と書いた札の文字は唐様(中国風)でしゃれている。仕事をしないで道楽三昧をする人を皮肉ったもの。 
- 瓜の蔓に茄子は生らぬ(うりのつるになすびはならぬ)- 一つの原因からは、それ相応の結果しか生まれないということ。また、平凡な親からは、非凡な子どもは生まれないということのたとえ。 
- 憂いを掃う玉箒(うれいをはらうたまははき)- 酒は心の憂いをきれいに払ってくれるすばらしいほうきのようなものであると酒を賞賛した言葉。 「玉箒」はほうきの美称。 「憂いを掃う玉箒(うれいをはらうたまははき)」ともいう。 
- 烏鷺の争い(うろのあらそい)- 碁を打つこと。黒い烏と白い鷺を碁石に見立て、黒と白の石で勝負を争うことから。 
- 浮気と乞食はやめられぬ(うわきとこじきはやめられぬ)- 悪い習慣はあらためにくいということ。 浮気も乞食も一度味をしめたらやめられないとの意から。 「浮気」と「乞食」の「き」を語呂合わせしたもの。 
- 噂は遠くから(うわさはとおくから)- 噂は事情を知っている人間からではなく、外部から生じることが多いということ。 
- 運が開ける(うんがひらける)- 幸運がめぐってきて、将来が明るくなること。 
- 易者、身の上知らず(えきしゃ、みのうえしらず)- 他人のことについてはいろいろと言えても、自分のことはよくわからないことのたとえ。 「易者」は、占い師のこと。 他人の運命を占う占い師も、自分の身の上についてはわからないとの意から。 
- えせ侍の刀弄り(えせざむらいのかたないじり)- 実力の乏しい者ほど外見をとりつくろうことのたとえ。 「えせ侍」は武士の心得がない臆病な侍のこと。 えせ侍にかぎって人前で刀を抜いて虚勢を張るとの意から。 
- えせ者の空笑い(えせもののそらわらい)- 軽薄な者や、したたかな者が真実をかくすため,おかしくもないのに追従笑いなどをすること。「えせ者」な偽者の意。 
- 枝を伐って根を枯らす(えだをきってねをからす)- 手近なところから処理していき、順次に根本まで始末することのたとえ。 木を枯らす時には、いきなり根に手を加えず、まず枝を切り落として最後に根を枯らすのがよいということ。 
- 枝を矯めて花を散らす(えだをためてはなをちらす)- 小さな欠点にこだわって、かえって大事な部分をなくしてしまうことのたとえ。 
- 枝を鳴らさず(えだをならさず)- 世の中が平穏無事な様子。 
- 江戸べらぼうに京どすえ(えどべらぼうにきょうどすえ)- 言葉は使われる土地の気風を表していて、江戸では威勢がよく乱暴な「べらぼう」、京都ではやさしい「どすえ」がよく使われているということ。「べらぼう」は甚だしい、馬鹿などの意。「どすえ」は、「・・・ですよ」の意。 
- 榎の実は生らば生れ木は椋の木(えのみはならばなれきはむくのき)- 道理にかなっていなくても主張を曲げないこと、また強情で人の意見に従わないことのたとえ。 榎の木を椋の木と誤り、榎の実が生った後も椋の木だと言い張ることから。 「椋の木の下にて榎の実を拾う」「椋は生っても木は榎」ともいう。 
- 鰓が過ぎる(えらがすぎる)- 人を顧みずに言いたいことを言う。言葉が度を越して強く、高慢な物言いになること。 「鰓」は魚のえらのことで、人のあごに見立てて、口の利き方を卑しめた言葉。 
- 鰓が張る(えらがはる)- 人のあごの部分が角張っていること。 「鰓(えら)」は魚など水生動物の呼吸器官で、人のあごを魚のえらに見立てた比喩的な表現。 
- 選ぶ所がない(えらぶところがない)- 比較してみても、その実質や内容にほとんど違いがない。 
- 選んで粕を摑む(えらんでかすをつかむ)- えり好みをし過ぎたために、かえってつまらないものを掴んでしまうたとえ。 
- エル・ドラード(える・どらーど)- 理想郷のこと。十六世紀のスペインの探検家たちが南アメリカの北部にあると信じた黄金郷のことで、転じて理想郷をさす。 
- 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや)- 小人物には、大人物の志は理解できないということのたとえ。「燕雀」は小さな鳥の意から転じて小人物、「鴻鵠」は大きな鳥の意から転じて大人物のこと。 
- 縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち)- 他人のために、人目につかないところで苦労や努力をすること。また、そのような人のこと。 
- お誂え向き(おあつらえむき)- 希望や要求通りであること。 
- お家がらがら(おいえがらがら)- 家柄のよさを自慢する者を嘲笑する言葉。 「がらがら」は中身のないことの形容で、家柄の柄(がら)とかけたもの。 
- 老い木は曲がらぬ(おいきはまがらぬ)- 老人の頑固さのたとえ。 また、欠点は若いうちになおさないと年をとってからでは手遅れであるということ。 老木は弾力性に乏しく曲げようとしても曲がらないことから。 
- 老いの手習い(おいのてならい)- 年老いてから始める学問や学び。 「老いの手習い」ともいう。 
- 老いらくの恋(おいらくのこい)- 年老いてからの恋愛。「老いらく」は年をとること。 
- 王侯将相寧んぞ種あらんや(おうこうしょうしょういずくんぞしゅあらんや)- 王や諸侯、将軍、大臣になるには家柄や血統など関係なく、必要なのはその人の才能や努力だということ。「種」は家柄、血統の意。 
- 応接に暇あらず(おうせつにいとまあらず)- 人の相手をするのに追われて休む暇もないようす。また、ものごとが次から次へと起こって多忙なようす。もとは、美しい自然の風景が次から次に展開し、ゆっくり味わう暇がない意から。 
- 負うた子に教えられて浅瀬を渡る(おうたこにおしえられてあさせをわたる)- 人は時には自分より経験の浅い年下の者から物事を教わることもあるというたとえ。背中に負ぶった子に浅瀬を教えられて川を無事に渡るとの意から。 
- 大向こうを唸らせる(おおむこうをうならせる)- 役者が大向こうにいる観客の賞賛を受けること。また、一般大衆の人気を得ること。「大向こう」は、舞台の正面後方にある観客席のことで、転じて芝居好きの観客のこと。その芝居通を唸らせるような演技をするということから。 
- 起きて働く果報者(おきてはたらくかほうもの)- 健康で働けることは、何よりも幸せだということ。「果報者」は幸運な人の意。 
- お蔵になる(おくらになる)- 予定されていた作品や企画などの発表が取りやめになること。 
- 螻蛄になる(おけらになる)- 金がまったくなくなること。無一文になること。 「螻蛄」は昆虫のケラのこと。 ケラが両前足を上げている格好が、お手上げをしている人の姿に似ていることから。 
- 驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)- 驕り高ぶって滅亡した平家のように、贅沢を尽くし勝手気ままにふるまう者は、長く栄えることなく早く滅びてしまうというたとえ。 
- お先真っ暗(おさきまっくら)- 将来の見通しがまったく立たないこと。 
- 遅い助けは助けにならぬ(おそいたすけはたすけにならぬ)- 時機を逸しては、せっかくの助勢も役に立たないということ。 
- 遅かりし由良之助(おそかりしゆらのすけ)- 待ちかねた時、機を逸した時にしゃれていう言葉。歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」で、大星由良之助が主君の切腹の場に駆けつけるのが遅れた場面のせりふから。 
 
         
    