「う」を含む故事・ことわざ・慣用句
「う」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2443 件
四百四病より貧の苦しみ(しひゃくしびょうよりひんのくるしみ)
人間のかかるあらゆる病気より貧乏のほうがつらいということ。
しめこの兎(しめこのうさぎ)
物事がうまくいったということをしゃれて言うことば。
霜を履んで堅氷至る(しもをふんでけんぴょういたる)
災いの小さな兆しが現れれば、やがては大きな災いに見舞われるということ。また、災いの兆しが見えたら用心を怠るなということ。 霜を踏んで歩くようになると、やがて堅い氷の張る季節が来るとの意から。
釈迦に宗旨なし(しゃかにしゅうしなし)
仏教の開祖である釈迦には、何宗何派という宗派があったわけではない。仏教の教えはすべて釈迦が発しているのだから、宗派の争いは無意味であるということ。
釈迦に説法、孔子に悟道(しゃかにせっぽう、こうしにごどう)
その道を知り尽くしている人に物事を教える愚かさのたとえ。または、必要のないことを長々しく繰り返し言うこと。 仏教の開祖である釈迦に仏の教えを説いたり、儒教の開祖である孔子に人の道を説いたりするという意味から。 単に「釈迦に説法」ともいう。
娑婆で見た弥次郎(しゃばでみたやじろう)
知っている人間に、知らないふりをすることのたとえ。 ある僧侶が佐渡で土中入定(生きたまま土の中に入り仏になること)すると見せかけて、こっそりと抜け出して越後に渡ったところ、知り合いの彌次郎という男に声をかけられてしまった。初めのうちは知らん顔をしていたが、しらを切り通せなくなり「げにもげにもよく思い合はすれば娑婆で見た弥次郎か」と言ったという笑い話に基づくとされる。 「弥次郎」は、「弥三郎」「弥十郎」などともいう。
沙弥から長老(しゃみからちょうろう)
一足飛びに出世することのたとえ。「沙弥」は仏門に入ったばかりの修行未熟な若い僧、「長老」は徳の高い僧。
沙弥から長老にはなれぬ(しゃみからちょうろうにはなれぬ)
物事には順序があり、一足飛びには上に進めないというたとえ。「沙弥」は仏門に入ったばかりの修行未熟な若い僧、「長老」は徳の高い僧。
衆寡敵せず(しゅうかてきせず)
多人数に対して少人数では、数の力で圧倒されてしまうので勝ち目がないということ。 「衆」は大人数、「寡」は少人数のこと。 「寡は衆に敵せず」ともいう。
習慣は第二の天性なり(しゅうかんはだいにのてんせいなり)
習慣はいつしか深く身について、まるで生まれつきの性質のように日常生活に影響を及ぼすということ。
衆口、金を鑠かす(しゅうこう、きんをとかす)
多くの人が言った言葉が恐ろしい結果を招くことのたとえ。中傷などの恐ろしさをいう言葉。 「衆口」は、大勢の人の言う言葉。 大勢の言葉には、堅い金属を溶かしてしまうほどの力があるとの意から。
秋毫(しゅうごう)
きわめて僅かなことのたとえ。秋に生え変わった獣のきわめて細い毛の意から。
宗旨の争い釈迦の恥(しゅうしのあらそいしゃかのはじ)
仏教の教えはすべて釈迦が発しているのだから、宗派間の争いは開祖である釈迦の恥になるということ。宗派間の争いの愚かさをあざけっていう言葉。
終止符を打つ(しゅうしふをうつ)
物事を終わりにすること。「終止符」は、欧文などで文の終わりに打つ符号。
宗旨を変える(しゅうしをかえる)
それまでの主義や主張、趣味、仕事などを別のものにすること。信仰する宗教や宗派を別のものにするということから。
修身斉家治国平天下(しゅうしんせいかちこくへいてんか)
天下を治めるには、まず自分の心と行いを正しくし、次に家庭を整え、次に国家を治めて天下を平和にすべきだということ。
集大成(しゅうたいせい)
多くのものを集めて一つのものにすること。また、そうしたもの。
醜態を演じる(しゅうたいをえんじる)
人前で恥となる行為や見苦しい行為をすること。
衆知を集める(しゅうちをあつめる)
大勢の知恵や知識をまとめること。または、大勢の意見を聞くこと。
舅の物で相婿もてなす(しゅうとのものであいむこもてなす)
自分のふところは痛めずに、人の物を相手にふるまう、ちゃっかりとした行いのたとえ。「相婿」は姉妹の夫どうしのこと。舅のふるまいで出された料理や酒を、相婿が勧め合う意から。「舅の酒で相婿もてなす」
姑に似た嫁(しゅうとめににたよめ)
嫁は姑に仕込まれているうちに、だんだん姑に似てくるということ。
姑の十七、見た者ない(しゅうとめのじゅうしち、みたものない)
姑は自分の若い頃のことを引き合いに出して嫁に小言を言うが、誰も姑の若い時を知らないので当てにはならないということ。
秋波(しゅうは)
男性をひきつける、女性の色っぽい目つき。色目。流し目。
秋波を送る(しゅうはをおくる)
女性が相手の気を引こうとして色目を使うこと。「秋波」は美人の涼やかな目もと。また、女性の媚びを含んだ目つきのこと。
愁眉を開く(しゅうびをひらく)
心配事や悩み事がなくなって、安心することのたとえ。 「愁眉」は憂いを含んだ眉のこと。 心配してしかめていた眉を開くとの意から。
衆望を担う(しゅうぼうをになう)
多くの人からの期待や信頼が集まること。
衆目の一致する所(しゅうもくのいっちするところ)
大勢の見方や評価などが同じであること。
衆を頼む(しゅうをたのむ)
人数が多いことを利用して強引に行うこと。
祝融の災い(しゅくゆうのわざわい)
火事の災難のこと。「祝融」は、火をつかさどる神から転じて火事の意。
趣向を凝らす(しゅこうをこらす)
よりよくなるように工夫すること。
主従は三世(しゅじゅうはさんぜ)
主従の間柄は、前世・現世・来世の三世にもわたるほど深いということ。
手中に収める(しゅちゅうにおさめる)
望んでいたものを自分のものにすること。 「掌中に収める」ともいう。
手套を脱す(しゅとうをだっす)
秘めていた本来の力を発揮するたとえ。「手套」は、手袋のことで、それを脱ぐということから。
修羅場(しゅらじょう)
激しい争いや戦争などが行われている場所。もとは仏語で阿修羅(あしゅら)と帝釈天(たいしゃくてん)の闘いの場所。
手腕を振るう(しゅわんをふるう)
物事の解決や処理のためにすぐれた能力や技術を発揮すること。
春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)
おぼろ月夜に花の香りが漂う春の宵のひとときは、千金にも値するほどすばらしいということ。「一刻」はわずかな時間、「千金」は千両・大金の意。
春秋高し(しゅんじゅうたかし)
高齢であることのたとえ。「春秋」は、年月・年齢の意。
春秋に富む(しゅんじゅうにとむ)
年が若く、長い将来があること。「春秋」は、年月・年齢の意。
春秋の筆法(しゅんじゅうのひっぽう)
物事を厳格に批判する態度。また、間接の原因を直接の原因のように言う表現方法。「春秋」は、中国の歴史書で孔子が加筆し、その書き方が厳正だったことから。
雌雄を決する(しゆうをけっする)
戦って勝敗を決めること。決着をつけること。「雌雄」は、優劣・勝ち負けの意。
背負い投げを食う(しょいなげをくう)
大事な局面で信頼していた人に裏切られて酷い思いをすること。 「背負い投げ」は「せおいなげ」とも読む。
小異を捨てて大同につく(しょういをすててだいどうにつく)
多少の意見の違いがあっても、多数が支持する意見に従うということ。「大同」は、多くの者が一つにまとまること。
小寒の氷大寒に解く(しょうかんのこおりだいかんにとく)
物事が必ず順に従って進むわけではないということのたとえ。 最も寒いはずの大寒が小寒よりも温かいとの意から。
性が合う(しょうがあう)
お互いの気持ちが通じ合うこと。
将棋倒し(しょうぎだおし)
将棋の駒を間隔をあけて立てて並べ、その中の一つを倒して他の駒に当て、次から次へと連鎖的に駒を倒していく遊び。 転じて、一部が壊れると全体に影響が出ること。
猖獗を極める(しょうけつをきわめる)
病気などのよくないものが猛威をふるうこと。
しょう事なしに米の飯(しょうことなしにこめのめし)
貧しさのため、かえって不経済な生活をしなければならないことのたとえ。また、一つしか取り柄がないので、やむなくその事を自慢するたとえ。「しょう事なし」は、どうしたらいいのか、適当な方法がみつからないこと。麦飯のほうが安上がりだが、新たに麦を買う金がないので、仕方なく持っている米の飯を食べるということから。
性懲りもなく(しょうこりもなく)
懲りずに同じ過ちを繰り返す様子。懲りもしないで。
笑殺(しょうさつ)
笑って取り合わないこと。または、馬鹿にして笑うこと。
尚歯(しょうし)
老人を敬うこと。「尚」は尊ぶこと。「歯」は年齢の意。
正直の頭に神宿る(しょうじきのこうべにかみやどる)
正直な人には必ず神の助けがあるということ。
正直は阿呆の異名(しょうじきはあほうのいみょう)
融通のきかない正直は、世渡りがへたな愚か者のすることであるということ。
正直は一生の宝(しょうじきはいっしょうのたから)
正直者は人から信頼され、それによって成功や幸福を手にすることができる。正直こそ一生を通じて大切に守るべき宝だというたとえ。
正直は最善の策(しょうじきはさいぜんのさく)
正直であることが目的を果たすためには最も良い策であるという教え。
正直貧乏、横着栄耀(しょうじきびんぼう、おうちゃくえよう)
正直者はその正直さゆえに貧乏な生活に甘んじているのに対し、押しが強くずる賢い者は成功して栄えるというたとえ。
正直者が馬鹿を見る(しょうじきものがばかをみる)
ずる賢く立ち回る者が得をして、正直に規則や秩序を守る者が損をするというたとえ。
小事は大事(しょうじはだいじ)
些細なことから大事が起こる。小事だからといって物事をあなどってはいけないということ。
生者必滅、会者定離(しょうじゃひつめつ、えしゃじょうり)
命ある者はいつか必ず死に、出会った者はいずれ別れるのがこの世の定めであるということ。
小人閑居して不善をなす(しょうじんかんきょしてふぜんをなす)
小人物は暇を持て余すと、とかくろくでもないことをするということ。「小人」は君子に対する言葉で、人徳や教養のない卑しい者の意。「閑居」は本来「間居」と書き、暇でのんびり暮らすこと。
小人罪なし璧を懐いて罪あり(しょうじんつみなしたまをいだいてつみあり)
身分不相応なものを手にすると、災いを招いてしまうということ。 「小人」は凡人のこと。 凡人であることに罪はないが、凡人には不相応な宝玉を持ってしまうとその宝玉が災いを招く原因になるとの意から。 「小人」は「匹夫(ひっぷ)」とも、また単に「璧を懐いて罪あり」ともいう。
消息を絶つ(しょうそくをたつ)
連絡が取れなくなり、どこにいるのかわからなくなること。行方不明になる。
掌中の珠(しょうちゅうのたま)
もっとも大切にしているもの。特に最愛の子ども。「珠」は尊いものの意で、いつも自分の手の中にある大切なものということから。
焦点を合わせる(しょうてんをあわせる)
人々の関心や注意が向けられている、ある物事だけに狙いを定めて取り組むこと。
焦点を絞る(しょうてんをしぼる)
複数の問題点などの中から特に重要なものだけに限定すること。
性に合う(しょうにあう)
そのものが性格や好みに合うこと。
衝に当たる(しょうにあたる)
そのものにとって重要な地点であること。または、重要な役目を担っていること。
性に合わない(しょうにあわない)
そのものが性格や好みに合わないこと。
性根を据えて掛かる(しょうねをすえてかかる)
どんな苦労も耐えるという覚悟をもって取り組むこと。
少年老い易く学成り難し(しょうねんおいやすくがくなりがたし)
年月は油断しているうちに、たちどころに過ぎ、すぐに年をとってしまう。学問を修めるのは難しいので、若いうちから時間を無駄にせず勉学に励めというおしえ。
少年よ、大志を抱け(しょうねんよ、たいしをいだけ)
「若者たちよ、大きな志を持って世の中に飛躍せよ」と、前途洋々たる若者たちを励ます言葉。 札幌農学校教頭だったアメリカ人クラーク博士が帰国の際、学生たちに残した言葉「Boys, be ambitious」から。
小の虫を殺して大の虫を助ける(しょうのむしをころしてだいのむしをたすける)
小さなものを犠牲にして大きなものを守ること。 また、全体を生かすために一部分を犠牲にすることのたとえ。 「大の虫を生かして小の虫を殺す」ともいう。
賞は厚くし罰は薄くすべし(しょうはあつくしばつはうすくすべし)
善行は小さなことでもおおいに褒めたたえ、悪行はできるだけ軽い罰にするのがよいということ。
商売往来にない商売(しょうばいおうらいにないしょうばい)
泥棒など世間に認められない商売のこと。 「商売往来」は、商売に関係した事柄を書いた江戸時代の書物で、その書物に載っていない商売との意から。
商売は草の種(しょうばいはくさのたね)
商売や職業などの暮らしを立てる方法は、草の種のように種類が多いということ。 「商売は草の種」「世渡りは草の種」「世渡りは草の種」「身過ぎは草の種」ともいう。
商売は道によって賢し(しょうばいはみちによってかしこし)
商人は、商売に関しては何でもよく知っているということ。専門家は、専門とする分野についてよく知っているというたとえ。
焦眉の急(しょうびのきゅう)
危険が差し迫っていること。また、事態が切迫していること。 「焦眉」は眉毛がこげること。 眉毛がこげるほど近くまで火が迫っているとの意から。 「眉(眉毛)に火がつく」ともいう。
正札付き(しょうふだつき)
正味の価格の札が付いていること。転じて、嘘偽りがないこと。 また、定評があること。[[札付き*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7504.php]]。多く悪い意味で用いる。
勝負は時の運(しょうぶはときのうん)
勝負はその時々の運によるもので、必ずしも実力通りに決まるものではないということ。 「勝負は時のはずみ」「勝つも負けるも時の運」「勝つも負けるも運次第」「負けるも勝つも時の運」「負けるも勝つも運次第」などともいう。
正法に奇特なし(しょうぼうにきどくなし)
正しい宗教には不思議な利益(りやく)などは存在せずに、不思議な恩恵があるとすればそれは邪教であるということ。 「正法」は「しょうほう」とも読む。 「正法に不思議なし」ともいう。
しょうもない(しょうもない)
つまらないやばかばかしいなどの意味を表す言葉。 「仕様もない」が変化してできた言葉。