「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2362 件
天知る地知る我知る人知る(てんしるちしるわれしるひとしる)
悪事はいつか必ず露見するということ。 後漢の楊震(ようしん)が賄賂(わいろ)の受け取りを断った時の言葉。 誰も知るまいと思っても、隠し事は天の神様も、地の神様も、自分も、それを仕掛けたあなたも知っているとの意から。 「四知」ともいう。
天寿を全うする(てんじゅをまっとうする)
長生きして老衰によって自然に死ぬこと。寿命が尽きて死ぬこと。
天高く馬肥ゆる秋(てんたかくうまこゆるあき)
さわやかな秋を言い表す言葉。 秋の空は高く澄み渡り、馬もよく食べて太るという意味から。 「天高く馬肥ゆる秋」「秋高く馬肥ゆ」ともいう。
天道様と米の飯はどこへも付いて回る(てんとうさまとこめのめしはどこへもついてまわる)
どんな所にも太陽が当たるように、どこへ行っても暮らしていけるということ。
天に唾する(てんにつばする)
他人に害を与えようとして、逆に自分がひどい目に遭うことのたとえ。 上を向いて唾をはくと、自分の顔に落ちてくることから。 「天を仰いで唾す」「天を仰いで唾する」「仰いで唾を吐く」などともいう。
天にも昇る心地(てんにものぼるここち)
これ以上ないほどに嬉しい気持ちのたとえ。
天は自ら助くる者を助く(てんはみずからたすくるものをたすく)
天は、人に頼らず自ら努力する者に力を貸し、幸福を与えるということ。 「神は自ら助くる者を助く」ともいう。
天秤に掛ける(てんびんにかける)
二つのものの優劣や損得を比較して、どちらかを選ぼうとすること。 また、対立する二つの立場の両方に関わりを持ち、どちらの結果でも自分が損をしないように立ち回ること。
天を摩する(てんをまする)
山や建物などが天に触れるほど高いさま。[[摩天楼*https://kokugo.jitenon.jp/word/p48214]]。
テープを切る(てーぷをきる)
競争などで一番になること。一着になること。 競争のゴールに張られているテープを切るということから。
弟子を見る事師に如かず(でしをみることしにしかず)
弟子の能力や人柄をいちばんよく知っているのは師匠であり、とうてい師匠に及ぶものはないということ。
出る息、入る息を待たず(でるいき、いるいきをまたず)
人の命ははかなく、いつどうなるかわからないということ。 吸った息を吐き出すくらいの一瞬の間にも、人の命はどう変わるかわからないとの意から。
出る杭は打たれる(でるくいはうたれる)
ひときわ優れた才能がある人は、妬まれたり憎まれたりするということ。また、出過ぎたことをする人は、非難されたり制裁を受けたりするということ。 並んだ杭の中に一本だけ高い杭があれば、高さを揃えるために打たれることから。 「出る釘は打たれる」「差し出る杭は打たれる」ともいう。
出る所へ出る(でるところへでる)
互いの言い分をはっきりさせるために、法廷や警察などの公的な場で争うこと。
出る船の纜を引く(でるふねのともづなをひく)
あきらめられず、未練がましく振る舞うこと。 「纜」は、船を岸につなぐ綱のことで、出て行く船の纜を引っ張るとの意から。
出る幕ではない(でるまくではない)
その物事に関わりになる時ではないということ。 芝居などで、その役者が出る場面ではないという意味から。
等閑に付する(とうかんにふする)
物事をいい加減に扱ったり、放っておいたりすること。
灯心で竹の根を掘る(とうしんでたけのねをほる)
一生懸命努力しても効果のないことのたとえ。 「灯心」は、灯油に浸して火をともす柔らかいひも状の芯のこと。 柔らかい灯心では、堅い竹の根を掘れるはずがないことから。
冬至十日経てば阿呆でも知る(とうじとおかたてばあほうでもしる)
冬至を十日も過ぎればめっきりと日が長くなるので、どんなに鈍い人でも気づくということ。
尊い寺は門から見ゆる(とうといてらはもんからみゆる)
尊いものは見た目ですぐにわかるということ。 尊い寺は、門構えからして立派でありがたみを感じさせるとの意から。
問うに落ちずに語るに落ちる(とうにおちずにかたるにおちる)
人から聞かれた時には警戒して言わないようなことも、自分から話をしている時にはうっかり言ってしまうということ。 「落ちる」は、白状すること。 単に「語るに落ちる」ともいう。
豆腐で歯を痛める(とうふではをいためる)
ありえないことのたとえ。
灯明で尻を焙る(とうみょうでしりをあぶる)
やり方を誤ったために、まったく効果があがらないことのたとえ。「灯明」は、神仏に供えるともしびのこと。灯明のような弱い火で尻をあぶっても暖まることは出来ない意から。
当を得る(とうをえる)
そのものが道理に適っていて適切であること。
遠くなれば薄くなる(とおくなればうすくなる)
親しかった者でも、遠ざかればだんだん情が薄れていくということ。
遠くの親類より近くの他人(とおくのしんるいよりちかくのたにん)
いざという時には、遠方に住んでいる親戚より近所に住んでいる他人の方が頼りになるということ。
遠ざかるほど思いが募る(とおざかるほどおもいがつのる)
人を思う気持ちは、遠く離れたりして会えないほど、強くなるということ。
遠火で手を焙る(とおびでてをあぶる)
たいした効果がないことのたとえ。遠く離れた火で手を焙ってもあまり暖かくない意から。
時に遇えば鼠も虎になる(ときにあえばねずみもとらになる)
時流に乗れば、つまらない者でも出世して権力をふるうようになるというたとえ。
時を得る(ときをえる)
よい機会にめぐりあって栄えること。
鬨を作る(ときをつくる)
多くの人々が一斉に大きな声を出すこと。鬨の声を上げること。 「鬨」は士気を鼓舞したり、戦闘の開始を知らせたりするために発する大声。
徳俵に足がかかる(とくだわらにあしがかかる)
追い詰められているさま。後がないさま。 「徳俵」は、相撲の土俵上の円の東西南北の四ケ所に設けられた俵一つ分の出っ張りのこと。 土俵上で内外の境界となる徳俵に足がかかることから、追い詰められた状態を表す。
得を取るより名を取れ(とくをとるよりなをとれ)
利益を得ることより、名誉を大切にせよということ。
所変われば品変わる(ところかわればしなかわる)
土地が変わると風俗や習慣が違うということ。また、同じ物でも土地によって呼び方や用途が違うものだということ。
所を得る(ところをえる)
その人の能力と釣り合いのとれた地位や職に就くこと。
床を上げる(とこをあげる)
敷いていた布団を片付けること。 または、寝込んでいた人の病気が治ること。 「床を払う」ともいう。
床を取る(とこをとる)
いつでも寝ることができるように布団を敷くこと。寝所をつくること。
鶏冠に来る(とさかにくる)
怒りで冷静さを失うこと。
年が改まる(としがあらたまる)
新しい年になること。または、年号が変わること。
年寄りの達者、春の雪(としよりのたっしゃ、はるのゆき)
年寄りはいくら元気だといっても、春の雪が消えやすいのと同じで、当てにならないということ。
年寄れば愚に帰る(としよればぐにかえる)
年を取れば、子どものように愚かになってしまうということ。
塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ)
ひどい苦痛のたとえ。「塗炭」は、泥にまみれ火に焼かれること。
トップを切る(とっぷをきる)
競争などで一番前を走ること。 または、順位が一位になること。 また、真っ先にある物事を始めること。
鳶に油揚げを攫われる(とびにあぶらあげをさらわれる)
大事な物を不意に横から奪い取られることのたとえ。 空を飛んでいる鳶がさっと舞い降りて、すばやく油揚げを奪っていくということから。 「とび」は「とんび」とも読む。
鳶も居ずまいから鷹に見える(とびもいずまいからたかにみえる)
どんな人間でも、立ち振る舞いをきちんとすれば、立派に見えるというたとえ。 見栄えのよくない鳶でも、振る舞い次第では鷹のように見えるとの意から。
飛ぶ鳥懐に入る時は狩人も助く(とぶとりふところにいるときはかりゅうどもたすく)
窮地に陥った者が救いを求めてくれば、どんな事情があっても助けるのが人情であるというたとえ。 追いつめられた鳥が自分のふところに飛び込んでくれば、さすがの猟師も殺したりは出来ないということから。
途方に暮れる(とほうにくれる)
どうすればよいか分からず困り果てること。
朋あり遠方より来る(ともありえんぽうよりきたる)
遠くにいる友だちが、はるばる会いに来てくれた喜びをいう言葉。「朋」は、友の意。
友と酒は古いほどいい(ともとさけはふるいほどいい)
友人は長い間付き合って気心の知れた人間がいいし、酒も長くねかせた古い酒がおいしいということ。
虎になる(とらになる)
酒に酔って恐怖を感じなくなること。 または、酒に酔って暴れること。
虎の威を藉る狐(とらのいをかるきつね)
他人の権力に頼って、弱いものが空威張りすることのたとえ。 虎に捕らえられた狐が「天の神が私を百獣の長にした。だから私を食べると天の命令にそむくことになる。うそだと思うならついてきなさい。獣たちはみな逃げ出すはずだ」といった。 虎が狐のあとについていくと、獣たちがみな逃げて行った。 虎は自分を恐れて獣たちが逃げたことに気づかず、狐を恐れて逃げ出したと信じたという故事から。
虎は千里行って千里帰る(とらはせんりいってせんりかえる)
勢いが盛んで力強い行動力のたとえ。また、また、子を思う親の愛情深い行動力のたとえ。虎は一日に千里の道を進み、その後、再び同じ距離を戻ってくると言われることから。
虎を描いて狗に類す(とらをえがいていぬにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 虎を書こうとして犬の絵になってしまうということから。
虎を描いて猫に類す(とらをえがいてねこにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 「虎を描いて狗に類す」に同じ。
鳥の将に死なんとする、その鳴くや哀し(とりのまさにしなんとする、そのなくやかなし)
鳥の死に際の鳴き声は人の心を打つほど悲痛に響くということ。このあとに「人の将に死なんとするその言や善し」と続き、人が死に際にいう言葉には真実が込められているという意で使われる。
取るに足らない(とるにたらない)
わざわざ取り上げる価値はない。些細な。
取る物も取り敢えず(とるものもとりあえず)
この上なく慌てて行動する様子。 必要な物を取る余裕もないという意味から。
取るより庇え(とるよりかばえ)
より多くの利益を求めずに、今あるものを失わないように守れということ。
取ろう取ろうで取られる(とろうとろうでとられる)
勝負事などで、勝ちたいという思いばかりが先に立ち、結局は負けてしまうたとえ。
飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし)
自分から進んで危険や災難の中に飛び込んでいくことのたとえ。 灯火の明るさに引き寄せられて飛んできた夏の虫が、火に飛び込んで焼け死んでしまうとの意から。
同気相求める(どうきあいもとめる)
気の合う者同士は、自然と寄り集まるということ。 「同気」は同じ気質のこと。
堂に入る(どうにいる)
学問や技芸がすっかり身についているようす。
道理を破る法はあれども法を破る道理なし(どうりをやぶるほうはあれどもほうをやぶるどうりなし)
いかに正しい道理であっても法には勝てないということ。
同類相求む(どうるいあいもとむ)
同じたぐいの者同士は、自然に求め合って寄り集まるということ。
度が過ぎる(どがすぎる)
程度が許容される限度を越えていること。
度胸が据わる(どきょうがすわる)
何が起こっても動じない心が備わること。
度胸を据える(どきょうをすえる)
何事にも動じないと心に決める。覚悟を決める。
読書百遍、義、自ずから見る(どくしょひゃっぺん、ぎ、おのずからあらわる)
どんなに難しい本でも、繰り返し何度も読めば、自然に意味がわかってくるということ。 「読書百遍、意、自ずから通ず」ともいう。
毒薬変じて薬となる(どくやくへんじてくすりとなる)
有害なものが一転して有益なものになることのたとえ。また、同じ物が使い方によって、毒にも薬にもなることのたとえ。 「毒薬変じて甘露となる」ともいう。
何処を押せばそんな音が出る(どこをおせばそんなねがでる)
何を根拠にしてそのようなことをいうのか、という意味。 相手の常識外れの言い分を非難していう言葉。
どさくさに紛れる(どさくさにまぎれる)
混乱や混雑などの状況を利用して勝手なことをすること。
毒気に当てられる(どっけにあてられる)
相手の非常識な言動などに呆然とさせられること。 「毒気」は「どっき」とも読む。
毒気を抜かれる(どっけをぬかれる)
ひどく驚かされて呆然となること。度肝を抜かれること。 「毒気」は「どっき」とも読む。
土俵を割る(どひょうをわる)
相撲で、相手に攻められて土俵の外に出る。
泥のように眠る(どろのようにねむる)
酒に酔ったり、疲れたりして熟睡することのたとえ。
泥を打てば面へはねる(どろをうてばつらへはねる)
悪い行いの報いは必ず自分に返ってくるということ。
泥を被る(どろをかぶる)
損になることが分かった上でその役目を引き受けること。 または、他人の責任を一人で背負うこと。
どろんを決める(どろんをきめる)
その場からいきなりいなくなること。 「どろん」は芝居などで幽霊が出入りする時の効果音。
ない子に泣かないが有る子に泣く(ないこにはなかないがあるこになく)
子育てには苦労があり時には泣かされることもあるが、たとえ苦労させられても子どもはいたほうがよいということ。 「ない子に泣かないが有る子に泣く」「ない子では泣かである子に泣く」などともいう。
内証は火の車(ないしょうはひのくるま)
外見は裕福そうに見えても、内実は非常に苦しく、家計や経済状況が極めて厳しいこと。 外部からはその困窮が分かりにくいが、内輪では財政的に追い詰められている様子。