「こ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「こ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1206 件
蛍雪の功(けいせつのこう)
苦労を重ねて勉学に励んだ成果のこと。「蛍雪」は苦労して勉学に励むことで、中国晋の車胤と孫康はともに貧しく、車胤は蛍の光で、孫康は窓の外の雪明りで読書し勉学に励んだという故事から。
怪我の功名(けがのこうみょう)
過ちや災難と思われていたことが、偶然にもよい結果になることのたとえ。 「怪我」は、ここでは過ちや災難のこと。 過ちや災難が生んだ手柄との意から。 「過ちの功名」ともいう。
結構毛だらけ(けっこうけだらけ)
「大変結構だ」ということをおかしくいったもの。 「結構毛だらけ猫灰だらけ」「結構毛だらけ灰だらけ」ともいう。
結構は阿呆のうち(けっこうはあほうのうち)
あまりにお人好しなのは、馬鹿と同じだということ。 「結構は阿呆の唐名」ともいう。
喧嘩過ぎての向こう鉢巻(けんかすぎてのむこうはちまき)
喧嘩の最中は意気地なくこそこそし、喧嘩が終わったとたん虚勢を張って強がること。 「喧嘩過ぎての向こう鉢巻」ともいう。
健康は富に勝る(けんこうはとみにまさる)
財産より健康が大事だということ。
犬馬の心(けんばのこころ)
臣下が主君のために尽くし、恩に報いようとする忠誠心のこと。
芸が細かい(げいがこまかい)
細かいところにまで工夫を凝らしているようす。
芸は道によって賢し(げいはみちによってかしこし)
一芸に通じた人は、その道に関しては何でもよく知っているということ。専門家は専門とする分野については精通しているということ。
下戸と化け物はない(げことばけものはない)
世の中に化け物がいないように、まったく酒の飲めない人間はいないということ。
下戸の肴荒らし(げこのさかなあらし)
酒の飲めない人が、酒の肴を手当たりしだいに食い荒らすこと。
下戸の建てたる蔵もなし(げこのたてたるくらもなし)
酒を飲めない下戸が金を貯めて家を蔵を建てられるわけでもない。財産を残すことと飲酒は関係ないということ。
下戸の手強(げこのてごわ)
酒を飲めない下戸は、酒飲みのように簡単にこちらの話しに乗ってこないから、容易に付け入ることが出来ず厄介だということ。
鯉口を切る(こいぐちをきる)
すぐに刀を抜けるように身構えること。または、刀を抜きかけること。
「鯉口」は、刀の鞘(さや)の口のこと。鯉の開けた口に似ていることから。恋いたほど飽いた(こいたほどあいた)
恋が激しければ激しいほど、早く飽きてしまうということ。 恋というものは熱しやすくさめやすいということ。
恋に師匠なし(こいにししょうなし)
恋というものは人から教えられなくても、年ごろになれば自然に覚えるものだということ。
恋に上下の隔てなし(こいにじょうげのへだてなし)
恋愛感情を抱くのに、身分や地位などの上下は関係ないということ。
恋の遺恨と食べ物の遺恨は恐ろしい(こいのいこんとたべもののいこんはおそろしい)
恋愛の恨みと食べ物の恨みは、根深く恐ろしいということ。
恋の鞘当て(こいのさやあて)
ある一人の女性を巡って、二人の男性があらそうこと。 「鞘当て」は、武士がすれ違うときに、お互いの刀の鞘尻が触れたことを咎めて争うこと。
鯉の滝登り(こいのたきのぼり)
立身出世のたとえ。中国の黄河上流にある竜門という急流を登りきった鯉は竜になるという故事から。
鯉の一跳ね(こいのひとはね)
諦めがいいこと。潔いこと。捕らえられた鯉は一度跳ねるだけで、あとはじたばたしないという意味から。
恋の道には女がさかしい(こいのみちにはおんながさかしい)
恋に関しては、女は男が足元にも及ばないほど知恵がはたらくということ。「さかしい」は賢い意。
恋の病に薬なし(こいのやまいにくすりなし)
恋わずらいは病気ではないから治す薬はないということ。
恋の山には孔子の倒れ(こいのやまにはくじのたおれ)
どんなにすぐれた人でも、色恋のこととなると思慮分別を失い、間違いを犯してしまうというたとえ。「孔子」は孔子(こうし)の呉音読み。
恋の闇(こいのやみ)
恋をしたことによって、まるで闇の中に迷いこんだかのように思慮分別がつかなくなることのたとえ。 「恋の闇路」「恋路の闇」ともいう。
恋は曲者(こいはくせもの)
恋は理性を失わせるから、恋をした人は常識では考えられないような、とんでもないことをするおそれがあるということ。
恋は思案の外(こいはしあんのほか)
恋愛は理性を失わせため、常識や理屈で理解できるものではないということ。 「恋」は「色」、「思案」は「心」ともいう。
恋は仕勝ち(こいはしがち)
恋は、周りの事情など考えずに、積極的に自分から仕掛けたほうがうまくいくということ。
恋は盲目(こいはもうもく)
恋をすると、人は理性を失い、他の事が見えなくなるということ。
好一対(こういっつい)
よく似合っている一組。好ましい組み合わせの一対。男女の間などについてよく用いられる。
紅一点(こういってん)
多数の男性の中に女性が一人混じっていることのたとえ。見渡す限りの緑の草木の中に、紅い花が一輪あでやかに咲いている意から。「[[万緑叢中紅一点*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1213.php]]」の略。
光陰、矢の如し(こういん、やのごとし)
月日が経つのが早いことのたとえ。 「光」は日、「陰」は月のこと。 月日は、矢が飛ぶようにあっという間に過ぎ去るという意味から。
光陰に関守なし(こういんにせきもりなし)
月日がとどまることなく、過ぎていくことのたとえ。 「光」は日、「陰」は月、「関守」は関所の番人。 月日の流れをとめる番人などいないということ。
光陰人を待たず(こういんひとをまたず)
時は人の都合などおかまいなしに刻々と過ぎ去っていくので、時間を無駄にせず大事に過ごすべきであるということ。 「光陰人を待たず」「時は人を待たず」ともいう。
後悔、先に立たず(こうかい、さきにたたず)
事が済んでしまったあとで後悔しても取り返しがつかない。だから、物事を行う前に十分考えることが大切だということ。
後悔は知恵の緒(こうかいはちえのいとぐち)
後悔することによって、次から事に備えることができる。後悔は気付きのきっかけであるということ。
口角、泡を飛ばす(こうかく、あわをとばす)
口の端からつばきを飛ばすほど、激しい調子でしゃべったり、議論したりするようす。
高閣に束ねる(こうかくにつかねる)
書物などを高い棚の上に束ねて放置し、活用しないことのたとえ。「高閣」は高い棚のこと。
幸か不幸か(こうかふこうか)
結果として、幸運になるか不運になるかは分からないが。
好機逸すべからず(こうきいっすべからず)
絶好の機会は逃してはならないということ。
肯綮に当たる(こうけいにあたる)
要所・要点を逃さず押さえること。急所をぴたりと突くこと。「肯」は骨につく肉、「綮」は筋と肉を結ぶところで急所の意。「当たる」は「中る」とも書く。
膏血を絞る(こうけつをしぼる)
人が苦労して得たものを取り上げること。重税を取り立てることのたとえ。「膏血」は人の油と血の意で、苦労して得た利益のたとえ。
攻撃は最大の防御(こうげきはさいだいのぼうぎょ)
守りにまわらず、積極的に攻めることが一番の防御の方法であるということ。
巧言令色、鮮なし仁(こうげんれいしょく、すくなしじん)
口先だけで上手を言い、表情をとりつくろって人に気に入られようとする者には、最高の徳である仁の心が欠けているということ。 「巧言」は巧みな言葉遣い、「令色」は顔色をとりつくろうこと。 「鮮なし」は「少なし」と同じ意味。
孝行のしたい時分に親はなし(こうこうのしたいじぶんにおやはなし)
親が元気な時は、有難みや苦労がわからず、それに気がつく年になった時には、親はもうこの世にいないということ。親が元気なうちに孝行せよという戒め。
孝行も子による(こうこうもこによる)
親孝行は有難いが、どんな子でも、どんな手段でもいいというわけではない。悪いことをして孝行されるなら、してもらわないほうがいいということ。
鴻鵠の志(こうこくのこころざし)
大人物の志。「鴻」は大鳥、「鵠」は白鳥のことで、どちらも大きな鳥。転じて大人物のこと。
後顧の憂い(こうこのうれい)
あとあとの心配のこと。 「後顧」はあとあとの心配をすること。あとをふりかえること。
光彩を放つ(こうさいをはなつ)
他よりも優れていて、ひときわ目立つさま。 「光彩」はうつくしい輝き。
巧詐は拙誠に如かず(こうさはせっせいにしかず)
巧みに偽りごまかすことは、たとえ拙くても誠意があるものには及ばないということ。
恒産なき者は恒心なし(こうさんなきものはこうしんなし)
一定の財産や職業がなければ、正しく落ち着いた心を持つことができないということ。「恒産」は一定の財産や安定した職業、「恒心」は正常な心という意。
功罪相償う(こうざいあいつぐなう)
功績と罪過がともにあるために、お互いに打ち消されてしまうこと。 また、功績のおかげで罪過が大目に見られること。
功罪相半ばする(こうざいあいなかばする)
功績と罪過とが半々で、よいとも悪いともいえないということ。
高山の巓には美木なし(こうざんのいただきにはびぼくなし)
地位の高い人は、人からねたまれたり批判されたりすることが多く、その名声を保つのが難しいというたとえ。 高山の頂上は雨風の激しい過酷な環境なので、そこに立つ木は美しい姿を保つことができないとの意から。
膠漆の交わり(こうしつのまじわり)
きわめて親しく堅い交わりのたとえ。 「膠漆」は、にかわとうるし。 にかわとうるしで塗り固めて離れられないような交わりとの意から。
孔子も時に遇わず(こうしもときにあわず)
どんなに優れた人でも機会に恵まれなければ才能を発揮できずに終わることもあることのたとえ。 立派な才能を持っていた孔子も、時勢に乗れず生涯不遇であったとの意から。
巧者貧乏人宝(こうしゃびんぼうひとだから)
器用な人は人の役に立って重宝がられるが、その人自身は大成せずに貧乏しているということ。 「細工貧乏人宝」「職人貧乏人宝」「巧者貧乏人宝」などともいう。
攻守所を変える(こうしゅところをかえる)
攻め手と守り手の立場が逆転すること。互いの立場が逆転すること。
好事、魔多し(こうじ、まおおし)
よいことが実現しそうな時には往々にして邪魔が入りやすいということ。
口耳の学(こうじのがく)
聞いたことをそのまま人に話すだけの自分の身につかない学問のこと。受け売りの学問のこと。 「口耳」は、耳から口までのわずかな距離のことで、耳から入ってすぐ口から出るとの意から。
好事門を出でず、悪事千里を行く(こうじもんをいでず、あくじせんりをいく)
善い行いは、なかなか世間に知られず、悪い行いは、すぐに世間に知れ渡るということ。
後塵を拝する(こうじんをはいする)
地位や権力のある人を羨ましく思うこと、または優れた人物のあとにつき従うこと、または人に先んじられることのたとえ。 「後塵」は車馬が通り過ぎたあとの土ぼこりのことで、それを浴びて見送るとの意から。
後生、畏るべし(こうせい、おそるべし)
若い人はいろいろな可能性を持っていて、将来どんな力量を現すかわからないので恐れなければならないということ。「後生」は、あとから生まれる人、後輩の意。
孔席暖まらず、墨突黔まず(こうせきあたたまらず、ぼくとつくろまず)
道を説くために各地を飛びまわることのたとえ。孔子と墨子はあちこち遊説して回って家に落ち着くことがなく、孔子の席は暖まることがなく、墨子の家の煙突は黒くすすけることはなかったということから。
黄泉の客(こうせんのきゃく)
死者のこと。「黄泉」は地下の泉の意。転じて、死者の行くとされる所。
浩然の気を養う(こうぜんのきをやしなう)
物事にとらわれない、のびのびとした気持ちをつちかうこと。「浩然の気」は、天地にみなぎっている正しくておおらかな気のこと。
公然の秘密(こうぜんのひみつ)
表向きは秘密とされているが、実際には広く世間に知れ渡っていること。 「公然」は誰もが知っているということ。
巧遅は拙速に如かず(こうちはせっそくにしかず)
仕事の出来がよくて遅いよりは、下手でも速いほうがいいということ。
口中の虱(こうちゅうのしらみ)
逃げ場がなくて、非常に危険なことのたとえ。 口の中のしらみは、逃げ場がないため簡単に噛み殺されることから。
荒唐の言(こうとうのげん)
根拠のないでたらめの話のこと。「荒唐」は、言うことにとりとめがないこと。
紅灯の巷(こうとうのちまた)
花柳界、歓楽街のこと。「紅灯」は華やかな紅い灯火の意。
口頭の交わり(こうとうのまじわり)
口先だけの交際。うわべだけの付き合い。
狡兎死して走狗烹らる(こうとししてそうくにらる)
重宝されていたものも必要なくなれば捨てられることのたとえ。また、敵が滅びると有能な家臣も不要になり殺されてしまうことのたとえ。 「狡兎」はすばしこいうさぎ、「走狗」は猟犬のこと。 獲物である兎が死んでしまえば、猟犬は不要になり煮て食べられるとの意から。
功成り名遂げて身退くは天の道なり(こうなりなとげてみしりぞくはてんのみちなり)
りっぱな仕事を成し遂げて名声を得たら、その地位にとどまらず退くのが、自然の摂理にかなった身の処し方であるということ。
功成り名を遂げる(こうなりなをとげる)
名声を獲得すること。
効能書きの読めぬ所に効能あり(こうのうがきのよめぬところにこうのうあり)
薬の効能書きは難解だが、それがかえって効きそうな気にさせる。わかりにくいものほど、有難みがあるということのたとえ。また、効能書きの難解さへの皮肉にいう。
甲の薬は乙の毒(こうのくすりはおつのどく)
ある人にはためになることが、他のひとには毒になることもあるということ。物事の価値は人によって違うというたとえ。
黄白(こうはく)
金と銀。または、金銭。
孝は百行の本(こうはひゃっこうのもと)
孝行は、すべての善行の基本となるものであるということ。「百行」は、すべての善いおこないの意。
甲張り強くして家押し倒す(こうばりつよくしていえおしたおす)
必要以上の助けは、かえって悪い結果を招いてしまうということ。 「甲張り」は家などが倒れないようにあてがう材木のこと。 家が倒れないようにあてがう材木が強すぎて、逆に家を押し倒してしまうとの意から。 「甲張り」は「勾張り」とも書く。