「し」を含む故事・ことわざ・慣用句
「し」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2073 件
秋波を送る(しゅうはをおくる)
女性が相手の気を引こうとして色目を使うこと。「秋波」は美人の涼やかな目もと。また、女性の媚びを含んだ目つきのこと。
愁眉を開く(しゅうびをひらく)
心配事や悩み事がなくなって、安心することのたとえ。 「愁眉」は憂いを含んだ眉のこと。 心配してしかめていた眉を開くとの意から。
衆望を担う(しゅうぼうをになう)
多くの人からの期待や信頼が集まること。
衆目の一致する所(しゅうもくのいっちするところ)
大勢の見方や評価などが同じであること。
衆を頼む(しゅうをたのむ)
人数が多いことを利用して強引に行うこと。
祝杯を上げる(しゅくはいをあげる)
願いが叶ったり、勝負に勝ったりして喜ぶこと。祝いの席で酒を酌み交わしながら喜ぶという意味から。
菽麦を弁せず(しゅくばくをべんせず)
愚かで物の区別もつかないことのたとえ。 「菽」は豆、「弁ずる」は区別すること。 豆と麦の区別もできないとの意から。
祝融の災い(しゅくゆうのわざわい)
火事の災難のこと。「祝融」は、火をつかさどる神から転じて火事の意。
趣向を凝らす(しゅこうをこらす)
よりよくなるように工夫すること。
守株(しゅしゅ)
古い習慣や過去の偶然の成功にこだわり、進歩や向上がないことのたとえ。 中国・宋の農民が農作業をしていると、兎が木の切り株にぶつかって死んだ。農民は労せず兎を手に入れることができたその経験以来、農作業をせずに毎日切り株を見張っていたという故事から。 「守株」ともいう。
主従は三世(しゅじゅうはさんぜ)
主従の間柄は、前世・現世・来世の三世にもわたるほど深いということ。
手足を措く所なし(しゅそくをおくところなし)
安心して身を置く所がないということ。また、不安でたまらないこと。
手段を選ばない(しゅだんをえらばない)
あらゆる方法を使って目的を果たそうとすること。
手中に収める(しゅちゅうにおさめる)
望んでいたものを自分のものにすること。 「掌中に収める」ともいう。
出家の念仏嫌い(しゅっけのねんぶつぎらい)
もっとも大切なことが嫌いだったり、出来なかったりすることのたとえ。 僧となって仏道を修行する者が念仏を唱えるのが嫌いとの意から。
手套を脱す(しゅとうをだっす)
秘めていた本来の力を発揮するたとえ。「手套」は、手袋のことで、それを脱ぐということから。
朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる)
人は交際する相手によって善にも悪にもなるというたとえ。 赤いものに触れると赤くなるように、人も周りの影響を受けるということ。
修羅場(しゅらじょう)
激しい争いや戦争などが行われている場所。もとは仏語で阿修羅(あしゅら)と帝釈天(たいしゃくてん)の闘いの場所。
手腕を振るう(しゅわんをふるう)
物事の解決や処理のためにすぐれた能力や技術を発揮すること。
朱を入れる(しゅをいれる)
文章を書き加えたり訂正したりすること。添削すること。 「朱」は赤い色の墨のこと。 「朱筆を入れる」ともいう。
朱を注ぐ(しゅをそそぐ)
恥ずかしさや怒りなどで顔が赤くなる様子。 「満面朱を注ぐ」ともいう。
春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)
おぼろ月夜に花の香りが漂う春の宵のひとときは、千金にも値するほどすばらしいということ。「一刻」はわずかな時間、「千金」は千両・大金の意。
春秋高し(しゅんじゅうたかし)
高齢であることのたとえ。「春秋」は、年月・年齢の意。
春秋に富む(しゅんじゅうにとむ)
年が若く、長い将来があること。「春秋」は、年月・年齢の意。
春秋の筆法(しゅんじゅうのひっぽう)
物事を厳格に批判する態度。また、間接の原因を直接の原因のように言う表現方法。「春秋」は、中国の歴史書で孔子が加筆し、その書き方が厳正だったことから。
春眠、暁を覚えず(しゅんみん、あかつきをおぼえず)
春の夜は寝心地がいいので、夜が明けたのにも気付かず、なかなか目が覚めないということ。
舜も人なり吾もまた人なり(しゅんもひとなりわれもまたひとなり)
人は誰でも努力や心がけ次第で立派な人間になれるということ。 「舜」は、中国太古の伝説上の聖天子のこと。五帝の一人。 「吾」は、自分のこと。 舜も自分も同じ人間なのだから、舜に出来たことは自分にも出来るとの意から。
雌雄を決する(しゆうをけっする)
戦って勝敗を決めること。決着をつけること。「雌雄」は、優劣・勝ち負けの意。
背負い投げを食う(しょいなげをくう)
大事な局面で信頼していた人に裏切られて酷い思いをすること。 「背負い投げ」は「せおいなげ」とも読む。
小異を捨てて大同につく(しょういをすててだいどうにつく)
多少の意見の違いがあっても、多数が支持する意見に従うということ。「大同」は、多くの者が一つにまとまること。
小寒の氷大寒に解く(しょうかんのこおりだいかんにとく)
物事が必ず順に従って進むわけではないということのたとえ。 最も寒いはずの大寒が小寒よりも温かいとの意から。
性が合う(しょうがあう)
お互いの気持ちが通じ合うこと。
将棋倒し(しょうぎだおし)
将棋の駒を間隔をあけて立てて並べ、その中の一つを倒して他の駒に当て、次から次へと連鎖的に駒を倒していく遊び。 転じて、一部が壊れると全体に影響が出ること。
猖獗を極める(しょうけつをきわめる)
病気などのよくないものが猛威をふるうこと。
しょう事なしに米の飯(しょうことなしにこめのめし)
貧しさのため、かえって不経済な生活をしなければならないことのたとえ。また、一つしか取り柄がないので、やむなくその事を自慢するたとえ。「しょう事なし」は、どうしたらいいのか、適当な方法がみつからないこと。麦飯のほうが安上がりだが、新たに麦を買う金がないので、仕方なく持っている米の飯を食べるということから。
性懲りもなく(しょうこりもなく)
懲りずに同じ過ちを繰り返す様子。懲りもしないで。
笑殺(しょうさつ)
笑って取り合わないこと。または、馬鹿にして笑うこと。
尚歯(しょうし)
老人を敬うこと。「尚」は尊ぶこと。「歯」は年齢の意。
正直の頭に神宿る(しょうじきのこうべにかみやどる)
正直な人には必ず神の助けがあるということ。
正直は阿呆の異名(しょうじきはあほうのいみょう)
融通のきかない正直は、世渡りがへたな愚か者のすることであるということ。
正直は一生の宝(しょうじきはいっしょうのたから)
正直者は人から信頼され、それによって成功や幸福を手にすることができる。正直こそ一生を通じて大切に守るべき宝だというたとえ。
正直は最善の策(しょうじきはさいぜんのさく)
正直であることが目的を果たすためには最も良い策であるという教え。
正直貧乏、横着栄耀(しょうじきびんぼう、おうちゃくえよう)
正直者はその正直さゆえに貧乏な生活に甘んじているのに対し、押しが強くずる賢い者は成功して栄えるというたとえ。
正直者が馬鹿を見る(しょうじきものがばかをみる)
ずる賢く立ち回る者が得をして、正直に規則や秩序を守る者が損をするというたとえ。
小事は大事(しょうじはだいじ)
些細なことから大事が起こる。小事だからといって物事をあなどってはいけないということ。
生者必滅、会者定離(しょうじゃひつめつ、えしゃじょうり)
命ある者はいつか必ず死に、出会った者はいずれ別れるのがこの世の定めであるということ。
小人閑居して不善をなす(しょうじんかんきょしてふぜんをなす)
小人物は暇を持て余すと、とかくろくでもないことをするということ。「小人」は君子に対する言葉で、人徳や教養のない卑しい者の意。「閑居」は本来「間居」と書き、暇でのんびり暮らすこと。
小人罪なし璧を懐いて罪あり(しょうじんつみなしたまをいだいてつみあり)
身分不相応なものを手にすると、災いを招いてしまうということ。 「小人」は凡人のこと。 凡人であることに罪はないが、凡人には不相応な宝玉を持ってしまうとその宝玉が災いを招く原因になるとの意から。 「小人」は「匹夫(ひっぷ)」とも、また単に「璧を懐いて罪あり」ともいう。
小人の勇(しょうじんのゆう)
物事を深く考えていない、一時の感情に任せた軽率な勇気のこと。 「匹夫」は身分の低い人や教養のない人。転じて軽率な人のこと。 「小人の勇」ともいう。
消息を絶つ(しょうそくをたつ)
連絡が取れなくなり、どこにいるのかわからなくなること。行方不明になる。
掌中の珠(しょうちゅうのたま)
もっとも大切にしているもの。特に最愛の子ども。「珠」は尊いものの意で、いつも自分の手の中にある大切なものということから。
焦点を合わせる(しょうてんをあわせる)
人々の関心や注意が向けられている、ある物事だけに狙いを定めて取り組むこと。
焦点を絞る(しょうてんをしぼる)
複数の問題点などの中から特に重要なものだけに限定すること。
性に合う(しょうにあう)
そのものが性格や好みに合うこと。
衝に当たる(しょうにあたる)
そのものにとって重要な地点であること。または、重要な役目を担っていること。
性に合わない(しょうにあわない)
そのものが性格や好みに合わないこと。
性根を据えて掛かる(しょうねをすえてかかる)
どんな苦労も耐えるという覚悟をもって取り組むこと。
少年老い易く学成り難し(しょうねんおいやすくがくなりがたし)
年月は油断しているうちに、たちどころに過ぎ、すぐに年をとってしまう。学問を修めるのは難しいので、若いうちから時間を無駄にせず勉学に励めというおしえ。
少年よ、大志を抱け(しょうねんよ、たいしをいだけ)
「若者たちよ、大きな志を持って世の中に飛躍せよ」と、前途洋々たる若者たちを励ます言葉。 札幌農学校教頭だったアメリカ人クラーク博士が帰国の際、学生たちに残した言葉「Boys, be ambitious」から。
小の虫を殺して大の虫を助ける(しょうのむしをころしてだいのむしをたすける)
小さなものを犠牲にして大きなものを守ること。 また、全体を生かすために一部分を犠牲にすることのたとえ。 「大の虫を生かして小の虫を殺す」ともいう。
賞は厚くし罰は薄くすべし(しょうはあつくしばつはうすくすべし)
善行は小さなことでもおおいに褒めたたえ、悪行はできるだけ軽い罰にするのがよいということ。
商売往来にない商売(しょうばいおうらいにないしょうばい)
泥棒など世間に認められない商売のこと。 「商売往来」は、商売に関係した事柄を書いた江戸時代の書物で、その書物に載っていない商売との意から。
商売は草の種(しょうばいはくさのたね)
商売や職業などの暮らしを立てる方法は、草の種のように種類が多いということ。 「商売は草の種」「世渡りは草の種」「世渡りは草の種」「身過ぎは草の種」ともいう。
商売は道によって賢し(しょうばいはみちによってかしこし)
商人は、商売に関しては何でもよく知っているということ。専門家は、専門とする分野についてよく知っているというたとえ。
焦眉の急(しょうびのきゅう)
危険が差し迫っていること。また、事態が切迫していること。 「焦眉」は眉毛がこげること。 眉毛がこげるほど近くまで火が迫っているとの意から。 「眉(眉毛)に火がつく」ともいう。
正札付き(しょうふだつき)
正味の価格の札が付いていること。転じて、嘘偽りがないこと。 また、定評があること。[[札付き*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7504.php]]。多く悪い意味で用いる。
勝負は時の運(しょうぶはときのうん)
勝負はその時々の運によるもので、必ずしも実力通りに決まるものではないということ。 「勝負は時のはずみ」「勝つも負けるも時の運」「勝つも負けるも運次第」「負けるも勝つも時の運」「負けるも勝つも運次第」などともいう。
正法に奇特なし(しょうぼうにきどくなし)
正しい宗教には不思議な利益(りやく)などは存在せずに、不思議な恩恵があるとすればそれは邪教であるということ。 「正法」は「しょうほう」とも読む。 「正法に不思議なし」ともいう。
しょうもない(しょうもない)
つまらないやばかばかしいなどの意味を表す言葉。 「仕様もない」が変化してできた言葉。
証文が物を言う(しょうもんがものをいう)
いざという時には証文が効果を発揮するということ。
醬油で煮しめたよう(しょうゆでにしめたよう)
布巾や肌着などが、まるで醬油で煮染めたかのように汚れて茶色くなること。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ(しょうをいんとほっすればまずうまをいよ)
何かを達成したり手に入れたりしようとするときには、まずは周囲にあるものから狙うのがよいというたとえ。 敵将を射ようとするのであれば、まず敵将の乗っている馬を射止めるのがよいとの意から。 「将を射んとせば先ず馬を射よ」「人を射んとせば先ず馬を射よ」ともいう。
小を捨てて大に就く(しょうをすててだいにつく)
小さなものを犠牲にして重要なものを守ること。
升を以て石を量る(しょうをもってこくをはかる)
小人物には大人物を理解することはできないこと、または小さな基準では大きな物をはかることができないことのたとえ。 一升ますでは一石をはかることはできない。また、無理にはかっても誤差が生じてしまうことから。
食が進む(しょくがすすむ)
食欲が増して、たくさん食べられる。
食が細い(しょくがほそい)
多くの量を食べることができないこと。小食であること。
食言(しょくげん)
前に言ったことと違うことを言ったり、したりすること。嘘をつくこと。 口から出した言葉をもう一度口に入れるという意味から。
食後の一睡、万病円(しょくごのいっすい、まんびょうえん)
食後のひと眠りはからだによいというたとえ。「万病円」は、万病に効果があるといわれる丸薬。
食後の一睡、万病丹(しょくごのいっすい、まんびょうたん)
食後のひと眠りはからだによいというたとえ。「万病丹」は、万病に効果があるといわれる丸薬。
食指が動く(しょくしがうごく)
食欲が起こること。また、何かが欲しいと思ったり、何かをしたい気持ちになること。「食指」は人差し指のことで、中国鄭の子公が自分の人指し指が動くのを見て、ごちそうにありつける前兆であると言ったという故事から。