「し」を含む故事・ことわざ・慣用句
「し」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2073 件
独り自慢の褒め手なし(ひとりじまんのほめてなし)
ほめてくれる人がいないので、ただ独り自分で自慢をするということ。
人を謗るは鴨の味(ひとをそしるはかものあじ)
人の悪口を言ったり噂話をしたりする楽しさを、おいしい食べ物の代表とされる鴨の肉にたとえた言葉。 「鴨(かも)」は「雁(がん)」とも、また「人の噂を言うは鴨の味」ともいう。
人を恃むは自ら恃むに如かず(ひとをたのむはみずからたのむにしかず)
他人は当てにならないから、人に頼るよりも自分自身を頼りにするのが確かだということ。「恃む」は、頼るという意。
陽の照っているうちに干し草を作れ(ひのてっているうちにほしくさをつくれ)
好機は逃さずに役に立てよということ。 「太陽の照っているうちに干し草を作れ」ともいう。
日の下に新しきものなし(ひのもとにあたらしきものなし)
新発見とか新発明といわれているものでも、この世にあるすべてのものは本当に新しいものはなく、これまでにあったものに多少の手を加えて新しい形に変化させたにすぎないということ。
火元は七代祟る(ひもとはしちだいたたる)
火事の火元は、周囲に迷惑をかけて長い間うらまれるということ。
百害あって一利なし(ひゃくがいあっていちりなし)
弊害ばかりで利点は一つもないということ。
百芸は一芸の精しきに如かず(ひゃくげいはいちげいのくわしきにしかず)
何でも出来る人より、一つの事に精通している人のほうが役に立つということ。
百歳の童、七歳の翁(ひゃくさいのわらべ、しちさいのおきな)
子どもでも知恵も分別もある者もいれば、老人でも無知で愚かな者もいるということ。 人の賢さは年齢に左右されないということ。 「八歳の翁百歳の童」「十歳の翁百歳の童」「百歳の童、七歳の翁」などともいう。
百尺竿頭一歩を進む(ひゃくしゃくかんとういっぽをすすむ)
目標を達成しても、さらに向上しようと努力すること。また、十分に説明をした上に、さらに一歩進めて説明すること。 百尺の竿の先端に達しても、さらに一歩進もうとするとの意から。 「百尺」は「ひゃくせき」ともいう。
百姓百層倍(ひゃくしょうひゃくそうばい)
百姓の仕事では、少量の種をまけば百倍もの収穫をもたらすということ。少ない元手で利益が多いことを「百」の語呂合わせでいった言葉。
百戦百勝は善の善なる者に非ず(ひゃくせんひゃくしょうはぜんのぜんなるものにあらず)
百回戦って百勝しても、何らかの損害がでるので得策とはいえない。戦わずに勝つことが出来れば、それが一番いい方法だということ。
百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)
人から繰り返し聞くよりも、一度でも自分の目で見たほうがよくわかるということ。 人の話を百回を聞いたところで、実際に一回見ることには及ばないとの意から。
百も承知、二百も合点(ひゃくもしょうち、にひゃくもがてん)
言われるまでもなく、十分に理解しているということ。 「合点」は、承知のこと。 単に「百も承知」ともいうが、「二百も合点」と続けて意味を強めた言葉。
冷や飯を食う(ひやめしをくう)
冷たい扱いをされるたとえ。長男が家督を継ぐとされていた時代、次男以下の男子は冷遇され、家族の食事のあとに冷えた飯を食べていたことから。
放り出しの嗅ぎ出し(ひりだしのかぎだし)
最初に臭いと騒ぎ出すがおならをした当人であるということ。
牝鶏晨す(ひんけいあしたす)
女性が権勢を振るうことのたとえ。 「牝鶏」はめんどり、「晨す」は夜明けを告げること。 雄が知らせるべき夜明けをめんどりが鳴いて知らせるとの意から。 昔は国や家庭を滅ぼす前兆とされていた。 「雌鶏の晨する」ともいう。
顰蹙を買う(ひんしゅくをかう)
良識に反する言動をして、他人に軽蔑され嫌われるたとえ。「顰蹙」は、不快に感じて眉をひそめたり顔をしかめたりすること。
貧にして楽しむ(ひんにしてたのしむ)
貧しくても、それなりに楽しみを持って生活していくということ。
貧は諸道の妨げ(ひんはしょどうのさまたげ)
金がなければ何もできず、貧乏は何をするにも妨げになるということ。
貧ほど辛いものはなし(ひんほどつらいものはなし)
悲しいことやつらいことがたくさんある世の中で、貧乏ほどつらいことはないということ。
びくともしない(びくともしない)
その物に何をしても少しも動かないこと。 または、何があっても動揺したり、驚いたりしないこと。
美女舌を破る(びじょしたをやぶる)
君主が美女に惑わされて、いさめる忠臣の言葉も聞き入れられないということ。
美人に年なし(びじんにとしなし)
美しい女性は、まるで年をとらないかのように、何歳になっても若く美しく見えるということ。
美人は言わねど隠れなし(びじんはいわねどかくれなし)
美人の存在は、自分から吹聴しなくても自然と世間に知れ渡るということ。
尾生の信(びせいのしん)
固く約束を守ることのたとえ。また、生真面目で融通がきかないことのたとえ。 中国の春秋時代、魯の尾生という男が、橋の下で女と会う約束をして待っているうちに大雨で増水したが、そのまま待ち続けて水死したという故事から。
貧乏怖いものなし(びんぼうこわいものなし)
失う物を持たない人に、怖いものは何もないということ。
貧乏は達者の基(びんぼうはたっしゃのもと)
貧乏な人は、身体を動かして一生懸命働くので丈夫で健康だということ。
貧乏暇なし(びんぼうひまなし)
貧乏すると、生活に追われて少しも時間の余裕がないということ。
富貴には他人集まり、貧賤には親戚も離る(ふうきにはたにんあつまり、ひんせんにはしんせきもはなれる)
地位や財産のある者には赤の他人も寄ってくるが、貧乏な者には親戚さえも寄り付かないということ。
富貴は浮雲の如し(ふうきはふうんのごとし)
富や地位は、まるで空に浮かぶ雲のようにはかないものだということ。
風前の灯火(ふうぜんのともしび)
危険が差し迫り、危ういことのたとえ。風の吹き付ける所にある灯の意から。
深い川は静かに流れる(ふかいかわはしずかにながれる)
思慮深い人は決して騒ぎ立てず、冷静に行動するというたとえ。
覆車の戒め(ふくしゃのいましめ)
先人の失敗が後人の戒めになることのたとえ。 「覆車」は車がひっくり返ること。 車が覆るのを見て、後の車は教訓とするとの意から。
河豚は食いたし命は惜しし(ふぐはくいたしいのちはおしし)
おいしい河豚は食べたいが、毒にあたって命を落とすのが怖くて手が出せない。いい思いはしたいが、あとのたたりが怖くてためらうことのたとえ。
塞ぎの虫(ふさぎのむし)
気分が落ち込んでいてやる気が出ない状態。 気分が塞ぐ原因を体内の虫のせいにしていう言葉。
不肖(ふしょう)
親や師に似ないで愚かなこと。また、自分をへりくだっていう言葉。
浮生夢の如し(ふせいゆめのごとし)
人生はまるで夢のように短くはかないものだということ。
符節を合するが如し(ふせつをがっするがごとし)
二つのものがぴったり合うことのたとえ。 「符節」は、後日の証拠とするために、木や竹の札に文字などを書き中央に割り印を押して二つに割り、二人が一片ずつ持つようにしたもの。 その符節を合わせたように一致するとの意から。 「符節を合わすが如し」ともいう。
懐が寂しい(ふところがさびしい)
手持ちの金銭が少ないこと。 「懐が寂しい」ともいう。
舟に刻して剣を求む(ふねにこくしてけんをもとむ)
古いしきたりや習わしにとらわれて、状況の変化に応じることができない愚かさのたとえ。 中国の楚の人が舟で長江を渡る途中に乗っている舟から剣を落としたため、慌てて舟べりに印をつけて、舟が岸に着いた後に印をつけた場所の川底を捜したという故事から。 「舟に刻(こく)して剣を求む」「剣を落として舟を刻む」「刻舟」ともいう。
文は遣りたし書く手は持たず(ふみはやりたしかくてはもたず)
恋文を書いて送りたいが文字が書けない、また代筆を頼むのも恥ずかしいと思い悩む心情をいう言葉。 「文は遣りたし書く手は持たぬ」ともいう。
振り出しに戻る(ふりだしにもどる)
始めの状態に戻ること。
古い友達と古い葡萄酒に勝るものなし(ふるいともだちとふるいぶどうしゅにまさるものなし)
古い葡萄酒はこくがあって美味しいように、古い友達も気心が知れ、信頼できてよいものだということ。
古木に手を掛くるな、若木に腰掛くるな(ふるきにてをかくるな、わかぎにこしかくるな)
将来性のないものにかかわりあうべきではなく、また将来性のあるものをあなどったり無理をさせたりしてはいけないというたとえ。 古い木は折れやすいので手をかけてはいけない、若い木は成長の妨げになるので腰掛けてはいけないとの意から。
故きを温ねて新しきを知る(ふるきをたずねてあたらしきをしる)
昔のことを研究し、そこから新しい知識や道理を発見すること。 「[[温故知新(おんこちしん)*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1122.html]]」ともいう。
降れば必ず土砂降り(ふればかならずどしゃぶり)
不運が続くことのたとえ。 雨が降れば必ず土砂降りになるとの意から。
風呂敷を広げる(ふろしきをひろげる)
物事を実際よりも大げさに言う。
褌一貫(ふんどしいっかん)
自分の体のほかには、資本となるものを持っていないこと。 「貫」は昔の貨幣の単位。銭一千文。 裸の身だけが唯一の資本との意から。 「腕一本」「褌一貫」ともいう。
武士に二言はない(ぶしににごんはない)
武士は信義を重んじるので、一度口にしたことは必ず守るということ。男が一度約束したことは必ず守るということのたとえ。
武士の情け(ぶしのなさけ)
武士が自分より弱い者に与える恩恵のこと。転じて、強い者が弱い者をあわれんで思いやる気持ちのたとえ。
武士は相身互い(ぶしはあいみたがい)
武士同士は同じ立場にあるのだから、互いに理解し合って助け合うべきだということ。転じて、同じ立場にある者は、思いやりをもって互いに助け合うべきだということ。
武士は食わねど高楊枝(ぶしはくわねどたかようじ)
武士は貧しくて食事ができなくても、食べたふりをして楊枝を使い、他人に空腹を見せないようにするということ。転じて、貧しくても誇りを持って生きるべきだということ。
無精者の一時働き(ぶしょうもののいっときばたらき)
いつも怠けている者が、急に思い立って働いても、一時的だということ。また、そういう者をあざけっていう言葉。
無精者の隣働き(ぶしょうもののとなりばたらき)
自分の家の用は頼まれても何もしない無精な人間が、隣の家では余計な事まで手伝うということ。
豚に真珠(ぶたにしんじゅ)
どんなに立派で価値があっても、その価値がわからない者には無意味であることのたとえ。
兵は神速を貴ぶ(へいはしんそくをたっとぶ)
戦いで軍隊を動かす時は、迅速なことがもっとも大事なことであるということ。
弊履を棄つるが如し(へいりをすつるがごとし)
破れた履物を捨てるように、惜しげもなく捨てることのたとえ。
下手があるので上手が知れる(へたがあるのでじょうずがしれる)
下手な人間がいるからこそ、上手な人間の巧みさがわかるということ。だから世の中には下手な人間も必要であり、どんな人間でもそれなりに役に立つということ。
下手の思案は休むに同じ(へたのしあんはやすむにおなじ)
よい考えも出ないのにあれこれ考えるのは、時間の無駄だということ。 もとは将棋や碁で、下手な人の長考をあざけって言った言葉。 「下手の思案は休むに同じ」ともいう。
下手の道具調べ(へたのどうぐしらべ)
下手な者にかぎって、道具にこだわり注文をつけるということ。
蛇の生殺し(へびのなまごろし)
痛めつけて半死半生の状態にして苦しめること。また、物事の決着をつけることなく中途半端な状態にしておくこと。 蛇を一気に殺さず、半殺しの状態にしておくとの意から。
減らぬものなら金百両、死なぬものなら子は一人(へらぬものならかねひゃくりょう、しなぬものならこはひとり)
必要な物が必要な分だけあれば十分だということ。 もしも使っても減らないのであれば金は百両、死なないのであれば子どもは一人いればよいとの意から。 「死なぬものなら子は一人、減らぬものなら金百両」ともいう。
箆増しは果報持ち(へらましはかほうもち)
年上の女性を妻にすると幸せになるということ。「箆増し」は年上の女房、「果報持ち」は幸運・幸せの意。
屁を放って尻窄める(へをひってしりすぼめる)
失敗を慌ててごまかしたり取り繕ったりすることのたとえ。 人前でおならをしてしまった後に、慌てて尻をすぼめるとの意から。
辺幅を修飾する(へんぷくをしゅうしょくする)
外見を飾り立てること。見栄を張ること。 「辺幅」は布地のへりのこと。転じて、うわべや外見のこと。 「辺幅を装飾する」ともいう。
片鱗を示す(へんりんをしめす)
すぐれた才能や学識などの一部分をのぞかせること。「片鱗」は、一枚の魚のうろこのことで、全体の中のほんの一部分の意。
ペンは剣よりも強し(ぺんはけんよりもつよし)
文章などによる言論の力は武力よりも強大な力を持っているということ。イギリスの政治家・小説家リットンの戯曲『リシュリュー』の中の言葉から。
方位家の家潰し(ほういかのいえつぶし)
方角の吉凶を気にしすぎると身動きがとれなくなり、ついには家をつぶす結果になるということ。
法三章(ほうさんしょう)
簡単な法律のこと。また、法律を簡略化すること。漢の高祖が厳しい法律を廃止し、殺人・傷害・窃盗だけを処罰するとした三章からなる簡略な法律を定めたという故事から。
法師の戦話(ほうしのいくさばなし)
不似合いなことのたとえ。
褒姒の一笑国を傾く(ほうじのいっしょうくにをかたむく)
美女のために国が滅びること。 「褒姒」とは中国、周の幽王の后。 めったに笑わない褒姒が、手違いで上がったのろしによって諸侯が参集するのを見て笑ったため、幽王が平時にたびたびのろしを上げさせたので、本当の戦乱の時には諸侯が集まらず国が滅びたという故事から。
朋友は六親に叶う(ほうゆうはりくしんにかなう)
親友は肉親に匹敵するほど大切だということ。「六親」は父・母・兄・弟・妻・子または父・子・兄・弟・夫・妻の称。
星が割れる(ほしがわれる)
犯人が分かること。 「星」は犯人や容疑者の別称。
輔車相依る(ほしゃあいよる)
互いに助け合うことで成り立っていることのたとえ。 「輔車」は頬骨と下顎の骨のこと。転じて、互いに支え合うことで存在できるもののたとえ。
星を挙げる(ほしをあげる)
犯人や容疑者を逮捕すること。 「星」は犯人や容疑者の別称。
星を戴いて出で、星を戴いて帰る(ほしをいただいていで、ほしをいただいてかえる)
朝早くから夜遅くまで仕事に励むことのたとえ。まだ星の見える早朝に家を出て、夜空に星がきらめく頃に帰るということから。
星を稼ぐ(ほしをかせぐ)
成績をよくすること。点数を稼ぐこと。
星を数うる如し(ほしをかぞうるごとし)
限りのないこと、できるはずのないことのたとえ。
星を分ける(ほしをわける)
勝負などで勝ちと負けの数が同じになること。