「たま」を含む故事・ことわざ・慣用句
「たま」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 114 件
開けて悔しき玉手箱(あけてくやしきたまてばこ)
期待がはずれてがっかりすること。浦島太郎が竜宮城から持ち帰った玉手箱を開けたとたん、白い煙が出てあっという間に年をとってしまったという浦島太郎の伝説から。
頭打ちになる(あたまうちになる)
物事が限界に達して、それ以上には上がらない状態になること。
頭押さえりゃ尻上がる(あたまおさえりゃしりあがる)
両方うまくはいかないということ。頭を押さえれば尻が持ち上げるように、一方がうまくいけば、もう片方がうまくいかなくなるということから。
頭搔くか字を書くか(あたまかくかじをかくか)
文字を書くのが苦手な者が、字を書かなければならくなり、困り果てている様子をからかっていう言葉。「掻く」と「書く」は語呂をあわせ。
頭隠して尻隠さず(あたまかくしてしりかくさず)
悪事や欠点の一部を隠して、全部を隠したつもりでいる者をあざけっていう言葉。雉(きじ)が草むらに頭を突っ込み隠れたつもりでも、尾が見えていることから。
頭から(あたまから)
状況や事情などを考慮せず、一方的な態度をとるようす。
頭から水を浴びたよう(あたまからみずをあびたよう)
突然起こった恐ろしい出来事に、驚き恐れてぞっとすることのたとえ。
頭から水を掛けられたよう(あたまからみずをかけられたよう)
突然起こった恐ろしい出来事に、驚き恐れてぞっとすることのたとえ。
頭から湯気を立てる(あたまからゆげをたてる)
激怒するようす。かんかんになって怒るようす。
頭が上がらない(あたまがあがらない)
相手に対して負い目があったり、恩義があったりして、対等の立場で接することができないようす。
頭が痛い(あたまがいたい)
心配事や解決し難い問題などを抱えて、思い悩んでいるようす。
頭が動けば尾も動く(あたまがうごけばおもうごく)
上に立つ者が行動すれば、下の者は自然と従うということ。 動物の頭と尾は一体で、頭が動けば当然尾も動くという意味から。
頭が固い(あたまがかたい)
既存の観念にとらわれて、柔軟な考え方が出来ないこと。融通が利かないこと。
頭が切れる(あたまがきれる)
頭の回転が速く、物事に対して的確な対処ができるさま。
頭が下がる(あたまがさがる)
相手の人がらや行いが立派で、感心すること。心から敬服すること。
頭が低い(あたまがひくい)
人に対する態度が、謙虚で丁寧であるさま。
頭が古い(あたまがふるい)
物事に対する考え方や価値観が、古臭く時代遅れであること。
頭が割れるよう(あたまがわれるよう)
頭痛がひどいことのたとえ。
頭剃るより心を剃れ(あたまそるよりこころをそれ)
外見より精神が大事だということ。 頭を剃って姿だけ僧になるより、まず心を清浄せよということ。
頭でっかち尻つぼみ(あたまでっかちしりつぼみ)
最初は威勢よく、だんだん勢いがなくなり、最後はだらしなくなること。
頭に入れる(あたまにいれる)
しっかりと理解して、記憶にとどめること。
頭に来る(あたまにくる)
怒る。かっとなる。
頭に血が上る(あたまにちがのぼる)
感情がたかぶって冷静な判断ができなくなる。かっとなる。
頭の上の蠅も追われぬ(あたまのうえのはえもおわれぬ)
自分自身のことさえ満足に出来ないことのたとえ。 自分の頭にたかる蠅さえ追い払えないという意味から。
頭の上の蠅を追え(あたまのうえのはえをおえ)
他人のことをとやかく言ったり世話を焼いたりする前に、まずは自分自身のことを始末しなさい、という教え。
頭の黒い鼠(あたまのくろいねずみ)
物を盗む人のこと。家に住んでいて、物を盗む頭髪の黒い人間を、鼠になぞらえて言う言葉。
頭の天辺から足の爪先まで(あたまのてっぺんからあしのつまさきまで)
人の身体の上から下まで。全身のこと。転じて、何から何まで。全部。すべて。
頭の濡れぬ思案(あたまのぬれぬしあん)
先のことを考えるより、まずは自分の身に及んでいる問題を解決することが大事だということ。 いま降っている雨で頭を濡れないようにすることが先決だとの意から。
頭禿げても浮気はやまぬ(あたまはげてもうわきはやまぬ)
年をとっても色気がなくならず、浮気心はおさまらないということ。
頭を痛める(あたまをいためる)
ある物事について、心配したり思い悩んだりする。
頭を抱える(あたまをかかえる)
心配事や悩み事について、良い解決策が見つからずに苦しむ。困り果てる。
頭を搔く(あたまをかく)
小さな失敗について気まずく感じたり、恥ずかしく照れたりしたときなどに行う、頭に手をやって軽くかくしぐさのこと。
頭を切り替える(あたまをきりかえる)
それまでの考え方から離れて、別の考え方や手法に改める。
頭を下げる(あたまをさげる)
謝ること。お辞儀をすること。また、感服すること。尊敬すること。
頭を絞る(あたまをしぼる)
よい方法や意見などが思いつくように、一生懸命考え抜くこと。
頭を突っ込む(あたまをつっこむ)
興味や関心のある物事に関わりを持つ。仲間になる。また、深入りする。
頭を悩ます(あたまをなやます)
どうしたらよいかと、あれこれ考えて苦しむさま。
頭を撥ねる(あたまをはねる)
他人の利益の一部をかすめとって、自分のものにする。
頭を捻る(あたまをひねる)
よいやり方を工夫したり、物事の対処のためにいろいろと考えたりすること。
頭を冷やす(あたまをひやす)
興奮を静めて、冷静になる。
頭を丸める(あたまをまるめる)
髪の毛を剃って、丸坊主にする。転じて、出家すること。
頭を擡げる(あたまをもたげる)
今まで意識していなかった考えや思いが浮かんでくること。 また、少しずつ力をつけて、実力を示すようになること。台頭する。
あなた任せ(あなたまかせ)
自分ですべきことを他人に頼って、その人の言った通りにすること。 「あなた」は「阿弥陀如来」のこと。 もとは「阿弥陀如来の力に任せる」との意味であったが、「他人任せにする」「他人の言う通りにする」という否定的な意味でも使われるようになった。
網の目に風たまらず(あみのめにかぜたまらず)
無駄なこと、何の効果もないことのたとえ。網で風を防ごうとしても、風は網の目を通り過ぎていくことから。
網の目に風たまる(あみのめにかぜたまる)
ありえないことのたとえ。 網の目を通り抜けるはずの風が網にたまるとの意から。
雨降って地固まる(あめふってじかたまる)
もめごとが解決したあとに、物事が前の状態より良くなること。
一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい)
どんなに小さくて弱いものにも、それ相応の意地や考えがあるので侮ってはいけないということ。 わずか一寸の虫でもからだ半分の五分の魂があるとの意から。
鰯の頭も信心から(いわしのあたまもしんじんから)
どんなつまらないものでも、信じる心があれば尊く思われるということ。節分の夜、鰯の頭をひいらぎの枝に刺して門口に置くと鬼気を追い払うといわれてきたことから。
氏なくして玉の輿(うじなくしてたまのこし)
女性は家柄や身分が低くても、富貴の人と結婚すれば高位に上がることができるということ。「氏」は苗字、「玉の輿」は貴人の乗り物。
嘘から出た実(うそからでたまこと)
嘘として言ったことが、偶然事実となること。
己の頭の蠅を追え(おのれのあたまのはえをおえ)
他人のことをあれこれ言う前に、まずは自分の問題を始末せよということ。 他人にたかる蠅を追い払うより、まずは自分にたかる蠅を追い払えとの意から。 単に「己の頭の蠅を追え」とも、「我が頭の蠅を追え」ともいう。
女は氏無うて玉の輿に乗る(おんなはうじのうてたまのこしにのる)
女は低い家柄の生まれでも、容姿や運しだいで、金持ちや高貴な人と結婚できるということ。
鏡は女の魂(かがみはおんなのたましい)
鏡は女にとって魂といえるほど大切なものだということ。
和氏の璧(かしのたま)
すばらしい宝石のこと。中国、春秋時代の楚の卞和(べんか)が宝石の原石を厲王(れいおう)に献じたが、宝石だと信じてもらえず左足を切られ、次の武王には同じ理由で右足を切られた。その次の文王の時代に、この原石が磨かれ宝石だと認められたという故事による。秦の昭王がこの玉と15の城と交換したいと言い、「連城の璧」とも称された。
褐を被て玉を懐く(かつをきてたまをいだく)
すぐれた才能を世間に知られないように隠していることのたとえ。 「褐」は粗末な衣服、「玉」はすぐれた才能のこと。 粗末な身なりをしていても、内にはすぐれた才能を秘めているとの意から。
金は三欠くに溜まる(かねはさんかくにたまる)
義理と人情と交際の三つを欠くぐらいでなければ、お金はたまらないということ。
金持ちと灰吹きは溜まるほど汚い(かねもちとはいふきはたまるほどきたない)
金持ちは、財産を増やそうとしたり、減らすまいとしてけちになり、心が卑しくなるというたとえ。「灰吹き」はたばこの吸い殻を入れる竹筒のことで、吸い殻が溜まることと金が貯まることをかけている。
烏の頭の白くなるまで(からすのあたまのしろくなるまで)
いつまで経ってもその時がこないことのたとえ。中国、戦国時代に燕の太子丹が人質になった時、奏王が「烏の頭が白くなり、馬に角が生えたら国へ帰す」と言ったという故事から。
雁の玉章(かりのたまずさ)
便り、手紙のこと。 中国前漢の蘇武が、匈奴に捕らえられた時、自分の生存を知らせる手紙を雁の足に結んで放ったという故事から。 「雁札」「雁帛」「雁の使い」「雁の便り」「雁の玉章」ともいう。
艱難、汝を玉にす(かんなん、なんじをたまにす)
人間は多くの苦労を経験することのよって立派な人物になれるということ。「艱難」は難儀・苦難、「玉にす」は美しくする・立派にするという意。
咳唾、珠を成す(がいだ、たまをなす)
詩文の才能が優れていることのたとえ。 「咳唾」は咳と唾。または、他人の言葉を敬っていう語。 何気なく口から出た言葉でさえ、珠玉のように美しい名句になっているとの意から。
肝っ玉が据わる(きもったまがすわる)
どんな状況にも慌てたり恐れたりせず、落ち着いていて度胸がある様子。 「肝」は「胆」とも書く。 また、「胆が据わる」は「たんがすわる」とも読む。
肝っ玉が太い(きもったまがふとい)
度胸があって何事にも動じない性格のこと。
金の卵を産む鵞鳥を殺すな(きんのたまごをうむがちょうをころすな)
欲張って一度に大きな利益を得ようとして、将来の利益を逃すようなことをするなということ。毎日一個の金の卵を産む鵞鳥の持ち主が、一度に大儲けしようと鵞鳥の腹を切り裂き、結局鵞鳥を死なせてしまったというイソップ寓話から。
窪い所に水溜まる(くぼいところにみずたまる)
土地の窪みに水が溜まるように、人や物も集まるべきところに、自然に寄り集まってくるということ。
孔席暖まらず、墨突黔まず(こうせきあたたまらず、ぼくとつくろまず)
道を説くために各地を飛びまわることのたとえ。孔子と墨子はあちこち遊説して回って家に落ち着くことがなく、孔子の席は暖まることがなく、墨子の家の煙突は黒くすすけることはなかったということから。
コロンブスの卵(ころんぶすのたまご)
簡単なことでも、それを最初に思いついて行うことはむずかしいということ。アメリカ大陸発見にけちをつけられたコロンブスが、テーブルに卵を立てることを試みさせ、誰もできなかった後に卵の尻を軽くつぶして立てて見せたという逸話から。
酒は憂いの玉箒(さけはうれいのたまははき)
酒は心の憂いをきれいに払ってくれるすばらしいほうきのようなものであると酒を賞賛した言葉。 「玉箒」はほうきの美称。 「憂いを掃う玉箒(うれいをはらうたまははき)」ともいう。
仕事幽霊飯弁慶、その癖夏痩せ寒細り、たまたま肥ゆれば腫れ病(しごとゆうれいめしべんけい、そのくせなつやせかんぼそり、たまたまこゆればはれやまい)
仕事は出来ないのに飯は山のように食べ、夏も冬のように痩せていて、たまに太ったかと思えば病気にかかっている。怠け者の大食漢の多病をあざけった言葉。
小人罪なし璧を懐いて罪あり(しょうじんつみなしたまをいだいてつみあり)
身分不相応なものを手にすると、災いを招いてしまうということ。 「小人」は凡人のこと。 凡人であることに罪はないが、凡人には不相応な宝玉を持ってしまうとその宝玉が災いを招く原因になるとの意から。 「小人」は「匹夫(ひっぷ)」とも、また単に「璧を懐いて罪あり」ともいう。
掌中の珠(しょうちゅうのたま)
もっとも大切にしているもの。特に最愛の子ども。「珠」は尊いものの意で、いつも自分の手の中にある大切なものということから。
尻が暖まる(しりがあたたまる)
長い期間同じ場所にいて慣れること。 または、同じ所に長く勤めて落ち着くこと。
吝ん坊と灰吹きは溜まるほど汚い(しわんぼうとはいふきはたまるほどきたない)
けちん坊は、金を貯めれば貯めるほど遣うのが惜しくなり、よけい物惜しみして意地汚くなるということ。「吝ん坊」は、けちん坊。「灰吹き」は煙草の吸殻入れ。
席暖まるに暇あらず(せきあたたまるにいとまあらず)
極めて忙しいことのたとえ。ゆっくり座っている暇がないほど忙しく、席が暖まる暇がないということから。
蛸の糞で頭へあがる(たこのくそであたまへあがる)
自分は思いあがって得意になっているが、他人からはいやしめられていることのたとえ。 かつては、本来の蛸の胴部が頭であると考えられていたことから、糞が頭にあることをいった語。
多多益益弁ず(たたますますべんず)
仕事が多ければ多いほど上手く処理するということ。また、数が多ければ多いほど都合がよいということ。 「弁ず」は、処理するという意。 中国漢の高祖が、臣下の韓信に統率できる兵の数を尋ねたところ「兵は多ければ多いほど上手く使える」と答えたという故事から。
環の端無きが如し(たまきのはしなきがごとし)
巡り巡って終わりがないことのたとえ。 「環」は、輪の形をした飾り。 輪の形をしている環に端がないように、終わりがないとの意。
卵に目鼻(たまごにめはな)
卵に目と鼻をつけたような、色白でかわいらしい顔だちのたとえ。
卵の四角(たまごのしかく)
あるはずのないことのたとえ。 四角い形の卵は存在しないことから。 「卵の四角と女郎の誠(四角い形の卵が存在しないのと同じで、女郎が誠意を持つことなどない)」ともいう。
卵を盗む者は牛も盗む(たまごをぬすむものはうしもぬすむ)
小さな悪事をはたらいた者は、いずれ大きな犯罪を犯すようになるということ。そのためにも、ちいさな悪事も見逃さずに戒めるべきであるということ。